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AとBの2人が次のようなゲームを行う.nを自然数とし,Aはそれぞれ0,1,2,…,nと書かれた(n+1)枚の札をもっている.Bはそれぞれ1,2,…,nと書かれたn枚の札をもっているとする.第1回目にBがAの持札から1枚の札をとり,もし番号が一致する札があればその2枚の札をその場に捨てる.番号が一致しない札はそのまま持ち続ける.次にBに持札があればAがBの持札から1枚の札をとり,Bと同じことをする.こうして先に札のなくなったほうを勝ちとする.Aが勝つ確率をp_n,Bが勝つ確率をq_nとする.ただし相手の札をとるとき,どの札も等しい確率でとるものとする.
(1)p_1,p_2,q_1,q_2を求めよ.
(2)p_n+q_n=1(n+2)p_n-np_{n-2}=1,(n=3,4,5,…)であることを示せ.
(3)p_nを求めよ.

(1)
(i)n=1のとき
BがAから0と書かれた札を取る場合,その確率は\frac12であり,その後A,Bが勝つ確率はそれぞれq_1,p_1である.
BがAから1と書かれた札を取る場合,その確率は\frac12であり,このときBの勝ち.
従って,p_1=\frac12q_1q_1=\frac12p_1+\frac12であるからp_1=\frac13q_1=\frac23
(ii)n=2のとき
BがAから0と書かれた札を取る場合,その確率は\frac13であり,その後A,Bが勝つ確率はそれぞれq_2,p_2である.
BがAから1か2と書かれた札を取る場合,その確率は\frac23であり,次にAがBの札をとったときにBは札がなくなるのでBの勝ち.
従って,p_2=\frac13q_1q_2=\frac13p_2+\frac23であるからp_2=\frac14q_2=\frac34
(2)
n≧3とする.
BがAから0と書かれた札を取る場合,その確率は\frac1{n+1}であり,その後A,Bが勝つ確率はそれぞれq_{n}p_{n}
BがAから1からnのいずれかが書かれた札を取る場合,その確率は\frac n{n+1}であり,その後AはBから1からnまでのいずれかをとるので,A,Bが勝つ確率はそれぞれp_{n-2}q_{n-2}である.
従って,p_n=\frac1{n+1}q_n+\frac n{n+1}p_{n-2}q_n=\frac1{n+1}p_n+\frac n{n+1}q_{n-2}…①.
両辺加えてp_n+q_n=\frac1{n+1}(p_n+q_n)+\frac n{n+1}(p_{n-2}+q_{n-2})であるから,p_n+q_n=p_{n-2}+q_{n-2}
ここで,(1)よりp_1+q_1=p_2+q_2=1であるから,p_n+q_n=1(この式はn<3でも成り立つ).
q_n=1-p_nを①に代入して整理すると(n+2)p_n-np_{n-2}=1…②.
(3)
②より(n+2)p_n=np_{n-2}+1=(n-2)p_{n-4}+2=\cdots=\begin{case}\frac{n+1}2 &amp;(n:odd)\\\frac n2&amp;(n:even)\end{case}
これより,p_n=\begin{case}\frac{n+1}{2(n+2)} &amp;(n:odd)\\\frac {n}{2(n+2)}&amp;(n:even)\end{case}
最終更新:2013年10月15日 19:17