xy平面上の正三角形△ABCを考える.△ABCの重心は原点Oにあり,ベクトル

の長さは1とする.△ABCの内部または辺上の点

に対し,3頂点A,B,Cから1点を等確率で選び,この頂点と

の中点を

とする.次に点

に対し同様の操作を行い得られた点を

とし,以下この操作を繰り返して,点

を作る.ベクトル

の長さの2乗

の期待値を

とおく.
(1)

をベクトル

の長さを用いて表せ.
(2)選んだ頂点が

のとき,ベクトル

をベクトル

と

i=1,2,…,n,を用いて表せ.
(3)

が原点Oのとき

を求めよ.
(1)

.
(2)

であることを数学的帰納法で示す.
n=0のときこれは成り立つ.
あるmに対しn=mのときこれが成り立つと仮定する.

となりn=m+1のときも成り立つ.よって示された.
(3)

が原点Oのとき,

.
(1)と同様の計算により,

.
これより

.
従ってn>0で

であるが,これはn=0でも成り立つ.
最終更新:2014年01月24日 08:31