nは自然数とする.
(1)すべての実数θに対し

,

,
をみたし,係数がともにすべて整数であるn次式

とn-1次式

が存在することを示せ.
(2)

であることを示せ.
(3)pを3以上の素数とするとき,

のp-1次以下の係数はすべてpで割り切れることを示せ.
(1)
ド・モアブルの定理より
![=\sum_{k=0}^{[\frac n2]}{n\choose 2k}\cos^{n-2k}\theta(\cos^2\theta-1)^k](http://chart.apis.google.com/chart?cht=tx&chf=bg,s,ffffff00&chco=000000ff&chs=25&chl=%3D%5Csum_%7Bk%3D0%7D%5E%7B%5B%5Cfrac%20n2%5D%7D%7Bn%5Cchoose%202k%7D%5Ccos%5E%7Bn-2k%7D%5Ctheta%28%5Ccos%5E2%5Ctheta-1%29%5Ek)
…(*).
各項はすべてcosθの整数係数n次式であり,各項のn次の係数は全て正なので総和もcosθの整数係数n次式.
従って

をみたし,係数がともにすべて整数であるn次式

が存在する.
また,
であり,総和の各項はすべてcosθの整数係数n-1次式であり,cosθの最高次の係数は全て正なので総和もcosθの整数係数n-1次式.
従って

,をみたし,係数がともにすべて整数であるn-1次式

が存在する.
(2)

をθで微分して

である.
0<θ<πのときsinθ>0なので

.
これより-1<x<1で

であるが,-1<x<1にはn+1個以上の相異なる点があるのでこれが成り立つのは全領域で

のとき.
(3)
(*)より
![f_p(x)=x^p+\sum_{k=1}^{[\frac p2]}{p\choose 2k}x^{p-2k}\theta(x^2-1)^k](http://chart.apis.google.com/chart?cht=tx&chf=bg,s,ffffff00&chco=000000ff&chs=25&chl=f_p%28x%29%3Dx%5Ep%2B%5Csum_%7Bk%3D1%7D%5E%7B%5B%5Cfrac%20p2%5D%7D%7Bp%5Cchoose%202k%7Dx%5E%7Bp-2k%7D%5Ctheta%28x%5E2-1%29%5Ek)
となるが,
pは3以上の素数なので奇数となるから,
![1\leq k\leq [\frac p2]](http://chart.apis.google.com/chart?cht=tx&chf=bg,s,ffffff00&chco=000000ff&chs=25&chl=1%5Cleq%20k%5Cleq%20%5B%5Cfrac%20p2%5D)
のとき

はpの倍数となる.これより

のp-1次以下の係数は全てpで割り切れる.
最終更新:2013年10月18日 06:14