13s4

△ABCにおいて∠BAC=90°,|\vec{AB}|=1|\vec{AC}|=\sqrt3とする.△ABCの内部の点Pが
\frac{\vec{PA}}{|\vec{PA}|}+\frac{\vec{PB}}{|\vec{PB}|}+\frac{\vec{PC}}{|\vec{PC}|}=\vec0
を満たすとする.
(1)∠APB,∠APCを求めよ.
(2)|\vec{PA}||\vec{PB}||\vec{PC}|を求めよ.

(1)
\frac{\vec{PA}}{|\vec{PA}|}+\frac{\vec{PB}}{|\vec{PB}|}=-\frac{\vec{PC}}{|\vec{PC}|}の両辺の絶対値の二乗をとると,
2+2\frac{\vec{PA}}{|\vec{PA}|}\cdot\frac{\vec{PB}}{|\vec{PB}|}=1であり,
\frac{\vec{PA}}{|\vec{PA}|}\cdot\frac{\vec{PB}}{|\vec{PB}|}=cos∠APBなので
cos∠APB=-\frac12,つまり∠APB=120°.同様に∠APC=120°.
(2)
BC=\sqrt{AB^2+AC^2}=2,∠ABC=60°.
△ABCをBを中心に60°回転させたものを△DBEとおく.ただし,DがBC上にあるように三角形をとるとする.
また,点PをBを中心に同じ方向に60°回転させたものを点Qとおく.
∠PBQ=60°,BP=BQより△BPQは正三角形.よって∠BPQ=∠BQP=60°.
∠APB=∠BQE=120°であるから,P,QはAE上にある.
これより∠PAB=∠BAE,∠APB=120°=∠ABEであるから△APB∽△ABE.同様に△BQEで∽△ABE.
△ABEについて余弦定理よりAE=\sqrt{AB^2+BE^2+AB\cdot BE}=\sqrt7
したがって
|\vec{PA}|=AB\cdot\frac{AB}{AE}=\frac{\sqrt7}7
|\vec{PC}|=QE=BE\cdot\frac{BE}{AE}=\frac{4\sqrt7}7
|\vec{PB}|=PQ=AE-AP-QE=\frac{2\sqrt7}7


(2)別解
a=|\vec{PA}|, b=|\vec{PB}|, c=|\vec{PC}|とおく.
△ABP,△BCP,△CAPについて余弦定理より
a^2+ab+b^2=1 …①
b^2+bc+c^2=4 …②
c^2+ca+a^2=3 …③

(その1)
②-①より3=c^2-a^2+(c-a)b=(c-a)(a+b+c)
a+b+c=\frac1kとおくとc-a=3k.
②-③より同様にb-a=k.
①+③-②より2a^2+ba+ca-bc=0だから3a^2=(b-a)(c-a)=3k^2.
a,k>0よりa=kだからb=2a,c=4a.
\frac1a=a+2a+4a=7aよりa=\frac{\sqrt7}7b=\frac{2\sqrt7}7c=\frac{4\sqrt7}7

(その2)
△ABCの面積=△ABPの面積+△BCPの面積+△CAPの面積であるから
\frac{\sqrt3}2=\frac12(ab+bc+ca)\sin120^{\circ}よりab+bc+ca=2.
①+②+③より2(a^2+b^2+c^2)+(ab+bc+ca)=8だからa^2+b^2+c^2=3
③と比較してb^2=ac …④.
また,(a+b+c)^2=(a^2+b^2+c^2)+2(ab+bc+ca)=7であり
a+b+c>0よりa+b+c=\sqrt7
④を①に代入してa(a+b+c)=1よりa=\frac{\sqrt7}7
④を②に代入してc(a+b+c)=4よりc=\frac{4\sqrt7}7
b=\sqrt7-a-c=\frac{2\sqrt7}7
最終更新:2014年02月24日 12:32