92s2

xy平面において,x座標,y座標ともに整数であるような点を格子点と呼ぶ.格子点を頂点にもつ三角形ABCを考える.
(1)辺AB,ACそれぞれの上に両端を除いて奇数個の格子点があるとすると,辺BC上にも両端を除いて奇数個の格子点があることを示せ.
(2)辺AB,AC上に両端を除いて丁度3点ずつ格子点が存在するとすると,三角形ABCの面積は8で割り切れる整数であることを示せ.

線分上の格子点の数は両端を除いて数えるものとする.
両端が格子点であるような線分PQを考える.
PQの中点をMとおく.線分PM上の格子点Rに対し,\vec{QS}=-\vec{PR}となるよう点Sをとるとこれは線分MQ上の格子点である.
これより,(線分PM上の格子点の数)≦(線分MQ上の格子点の数).
同様に逆向きの不等号も成立するから線分PM上の格子点の数と線分MQ上の格子点の数は等しい.
したがってPQ上に格子点が奇数個あることとMが格子点であることは同値である.
(1)
BCの中点は\frac12(\vec{OB}+\vec{OC})=\frac12(\vec{OA}+\vec{OB})+\frac12(\vec{OA}+\vec{OC})-\vec{OA}と書けるが,
AB,AC上にそれぞれ奇数個の格子点があるとき,AB,ACの中点,Aがそれぞれ格子点であることから右辺の成分はいずれも整数.
したがってBCの中点も格子点となる.つまりBC上にも格子点が奇数個ある.

(2)
AB上には格子点が3個あるので中点も格子点,この中点とAの中点(ABを1:3に内分する点)Dも格子点となる.
同様に,ACを1:3に内分する点Eも格子点である.
\vec{AD}={k\choose l},\vec{AE}={m\choose n}とおくと,k,l,m,nは整数で,△ADEの面積は\frac12|kn-lm|となる.
△ABCの面積は△ADEの面積の16倍なので,△ABCの面積は8|kn-lm|となるがこれは8の倍数である.
最終更新:2014年01月28日 00:05