自然数m≧2に対し,m-1個の二項係数
を考え,これらすべての最大公約数を

とする.
すなわち

はこれらすべてを割り切る最大の自然数である.
(1) mが素数ならば,

であることを示せ.
(2) すべての自然数kに対し,

が

で割り切れることを,
kに関する数学的帰納法によって示せ.
(3) mが偶数のとき

は1または2であることを示せ.
(1)

であり,mとnは互いに素なので

はmを約数にもつ.
ここで,

なのでmは最大公約数である.すなわち

.
(2)
k=0のとき,確かに成立する.
k=nのときの成立を仮定する.
二項定理より

…(*)であるから,

も割り切れる.
よってすべてのkについて

は

で割り切れる.
(3)
(*)にn=-1を代入して
左辺は

で割り切れるので右辺も

で割り切れるが,
このとき

は2の約数となるので1か2である.
最終更新:2011年10月21日 14:50