09s4

aを正の実数とし、空間内の2つの円板
D_1=\{(x,y,z)|x^2+y^2\leq1,z=a\}
D_2=\{(x,y,z)|x^2+y^2\leq1,z=-a\}
を考える。D_1をy軸の回りに180°回転してD_2に重ねる。ただし回転はz軸の正の部分をx軸の正の方向に傾ける向きとする。この回転の間にD_1が通る部分をEとする。Eの体積をV(a)とし、Eと{(x,y,z)|x≧0}との共通部分の体積をW(a)とする。
(1) W(a)を求めよ。
(2) \lim_{a\to\infty}V(a)を求めよ。

(1)
y=kで切ったEの断面のx≧0の部分は半径\sqrt{1-k^2+a^2}の半円から半径aの半円を取り除いたものだから,
W(a)=\int\nolimits_{-1}^1\frac{\pi}2\{\left(\sqrt{1-k^2+a^2}\right)^2-a^2\}dk=\frac23\pi.
(2)
直方体の領域\{(x,y,z)|-1\leq x\leq0,-1\leq y\leq1,a\leq z\sqrt{a^2+1}\}の体積をX(a)とおく.
W(a)<V(a)<W(a)+2X(a)であり,
X(a)=2\left(\sqrt{a^2+1}-a\right)=\frac2{\sqrt{a^2+1}+a}\to0 (a\to\infty).
従ってはさみうちの原理により\lim_{a\to\infty}V(a)=\frac23\pi.
最終更新:2011年11月06日 23:07