97s3

rは0<r<1を満たす実数とする.xyz空間に原点O(0,0,0)と2点A(1,0,0),B(0,1,0)をとる.
(1) xyz空間の点Pで条件 |\vec{PA}|=|\vec{PB}|=r|\vec{PO}|
を満たすようなものが存在するようなrの範囲を求めよ.
(2) 点Pが(1)の条件を満たして動くとき,内積\vec{PA}\cdot\vec{PB}の最大値,最小値をrの関数と考えてそれぞれM(r),m(r)で表す.このとき,左からの極限
\lim_{r\to1-0}(1-r)^2\{M(r)-m(r)}
を求めよ.

(1)
|\vec{PA}|=|\vec{PB}|よりPはx=y上の点.
|\vec{PA}|=r|\vec{PO}|より
\left\{\vec{OA}-(1+r)\vec{OP}\right\}\cdot\left\{\vec{OA}-(1-r)\vec{OP}\right\}=0
であるから,Pは\frac1{1\pm r}\vec{OA}を直径の両端とする球上の点.
この球と平面x=yが共有点を持つ条件を求めればよい.
球の半径は\frac12\left(\frac1{1-r}-\frac1{1+r}\right)=\frac{r}{1-r^2}
球の中心は\frac12\left(\frac1{1-r}+\frac1{1+r}\right)\vec{OA}=\frac{\vec{OA}}{1-r^2}
であるから,中心と平面x=yとの距離は\frac{1}{\sqrt2(1-r^2)}
これが半径以下ならばよいので求める条件は0<r<1とあわせて\frac1{\sqrt{2}}\leq r&lt;1
(2)
2=|\vec{PA}-\vec{PB}|^2=2r^2|\vec{PO}|^2-2\vec{PA}\cdot\vec{PB}であるから,
\vec{PA}\cdot\vec{PB}=r^2|\vec{PO}|^2-1

点Pはx=y上の円上にある.
この円の半径は\frac{r^2-\frac12}{1-r^2},中心は\frac{\vec{OA}+\vec{OB}}{2(1-r^2)}であるから,
|\vec{PO}|の最大最小値は\left|\frac{r^2-\frac12}{1-r^2}\pm\frac{1}{\sqrt{2}(1-r^2)}\right|
これより
(1-r)^2\{M(r)-m(r)\}=2\sqrt2r^2-\sqrt2\to\sqrt2 (r\to1-0).
最終更新:2011年10月26日 12:02