94s5

大量のカードがあり,各々のカードに1,2,3,4,5,6の数字のいずれかの一つが書かれている.これらのカードから無作為に1枚をひくとき,どの数字のカードをひく確率も正である.さらに,3の数字のカードをひく確率はpであり,1,2,5,6の数字のカードをひく確率はそれぞれqに等しいとする.これらのカードから1枚をひき,その数字aを記録し,このカードをもとに戻して,もう1枚ひき,その数字をbとする.このとき,a+b≦4となる事象をA,a<bとなる事象をBとし,それぞれのおこる確率をP(A),P(B)と書く.
(1)E=2P(A)+P(B)とおくとき,Eをp,qで表せ.
(2)\frac1p\frac1qがともに自然数であるとき,Eの値を最大にするようなp,qを求めよ.

(1)
Aとなるのは(i)a=1,b=3 (ii)a,b≦2 (iii)a=3,b=1のときであるから,
P(A)=pq+(2q)(2q)+qp=pq+4q^2
a<bとなる確率とa>bとなる確率は等しく,a=bとなる確率は4q^2+p^2+(1-4q-p)^2なので
P(B)=\frac12\left[1-\{4q^2+p^2+(1-4q-p)^2\}\right]=-10q^2-p^2+4q+p-4pq
従ってE=-2q^2-p^2+4q+p-2pq
(2)
E=-2\left(q-1+\frac p2\right)^2+\frac{p^2}2-2p+2=-\left(p-\frac12-q\right)^2-q^2+5q+\frac14
であるから,p,qともに大きくなるほどEも大きくなる.
ここで,p+4q<1であることに注意すると,\left(\frac1p,\frac1q\right)=(2,9),(3,7),(5,6),(6,5)のうちのどれかがEの値を最大にする.
実際に代入して比較すると(計算が面倒なので省略)である.
最終更新:2011年10月28日 08:21