同一平面上に2つの三角形△ABC,△A'B'C'があり,それぞれの外接円の半径はともに1であるとする.この2つの外接円の中心が結ぶ線分の中点をM,線分AA',BB',CC'の中点をそれぞれP,Q,Rとする.
(1)MP≦1,MQ≦1,MR≦1となることを示せ.
(2)もし△PQRが鋭角三角形でその外接円の半径が1となるならば,点Mはこの外接円の中心と一致することを示せ.さらにこのとき△ABC,△A'B'C',△PQRはすべて合同となることを示せ.
(1)
△ABC,△A'B'C'の外接円の中心をそれぞれO,O'とする.

であり

なので

.
このとき,

(*).
同様にMQ≦1,MR≦1となる.
(2)
MからPQに下ろした垂線の足をH,∠PMH=α,∠QMH=β,∠PMQ=θとおく.
△PQRの外接円の中心をN,∠PNQ=φとおくと,

.これよりφ≦θ.
同様に∠QNR≦∠QMR,∠RNP≦∠RMPであり,
△PQRは鋭角三角形なので外心はその内部にあるから∠PNQ+∠QNR+∠RNP=2π.
これより2π≦∠PMQ+∠QMR+∠RMPとなるが,これが成立するのは2π=∠PMQ+∠PMQ+∠RMPのとき.
このときMP=MQ=MR=1となるのでMは外接円の中心となる.
さらに,(*)の等号が成立するので

と

は同じ向き.つまり

.
また,

.
同様に

,

なので△ABC≡△A'B'C'≡△PQR.
最終更新:2013年09月26日 03:39