k87s5

空間において,平面ax+y+z+a-2=0 (aは定数)を考える.
(1)この平面上の点で原点に一番近いものの座標を求めよ.
(2)原点を中心とする半径3の球体がこの平面で分けられる2つの部分のうち,体積の大きくない方の体積をV(a)とする.
aをいろいろ変えたとき,V(a)が最小になるaと,そのときのV(a)の値を求めよ.

(1)
平面上の点(x,y,z)の位置ベクトルを\vec{p}とおき,\vec{a}=(a,1,1)とおく.
|\vec{p}|^2\geq \frac{(\vec{p}\cdot\vec{a})^2}{|\vec{a}|^2}=\frac{(2-a)^2}{a^2+2}
等号成立は\vec{p}\vec{a}が平行なときで,このとき,\vec{p}=k\vec{a} (k:実数)とおける.
これよりk|\vec{a}|^2=\vec{p}\cdot\vec{a}=2-aなのでk=\frac{2-a}{a^2+2}
従って求める座標はk\vec{a}=(\frac{(2-a)a}{a^2+2},\frac{2-a}{a^2+2},\frac{2-a}{a^2+2})
(2)
この平面上の点で原点に一番近い点を点Pとする.OPとこの平面は垂直なので,OPが大きいほどV(a)は小さくなる.
OP=|k||\vec{a}|=\frac{|2-a|}{\sqrt{a^2+2}}であるが,\vec{b}=(a,\sqrt{2})\vec{c}=(-1,\sqrt{2})とおくと,
OP=\frac{|\vec{b}\cdot\vec{c}|}{|\vec{b}|}\leq|\vec{c}|=\sqrt{3}
等号成立は\vec{b}\vec{c}が平行なときで,このときa=1であり,これがV(a)を最小にするaである.
また,原点から距離tのOPに垂直な平面でこの球体を切った断面の面積は,\pi(3^2-t^2)であるから,
V(1)=\int_{\sqrt{3}}^3\pi(3^2-t^2)dt=\pi[9t-\frac{t^3}3]_{\sqrt{3}}^3=(18-8\sqrt{3})\pi
最終更新:2013年09月29日 05:48