文責 matryosika
数式は<math>と</math>の間に入力します。(半角でやること)
<math>と</math>の間に、a+b=cと入力すると、
と出力されます。数式を書くためにはこの命令文が必要なのでぜひとも覚えましょう。
ここでは、TeX(テフ、テック)での数式の入力の仕方について説明します。このWikiでは、数式を出力するのにTeXというシステムを使っています。TeXでは、数式は一つの言語として扱われます。ここでは、TeXの入力の基礎を紹介します。
TeXでは、数式は言語として扱われますが、その言語の基礎単位をなすのがコマンドたちです。TeXではコマンドは\から始まります。数字やアルファベットなどの入力はキーの通りに行いますが、ギリシャ文字を入力したいときは\alphaと入力します。
\alpha
数式では()のようなまとまりがなければ、式の意味が違ってきてしまうことがあります。しかし、式を入力するコマンドに()の記号を用いてしまうと、()を出力させたいのかそれとも、数式のまとまりを示しているのか混乱してしまいます。そこで、TeXでは、数式中でのまとまりを{}によって示します。なお、数式中では半角スペースは無視されます。コマンドや文字が一緒にならないように上手に半角スペースを用いましょう。
a^2b, a^{2b}
a+b, a-b
ab, a*b, a\times b, a\cdot b
a/b, \frac{a}{b}, a\div b
\cap, \cup, \setminus
\cdot, \circ, \star, \pm, \mp
a^b, a^{\frac{1}{2}}
\sqrt{a},\sqrt[3]{a}
a_n, a_{3n}
関数名は立体(ローマン体)にするのが決まりです。
\sin, \cos, \tan, \sinh, \arcsin, \exp, \log, \log_2, \ln
\det, \inf, \sup, \ker, \dim, \deg, \arg
a, A, \mathit{a}, \mathit{A}, \mathrm{a}, \mathrm{A}, \mathbf{a}, \mathbf{A}, \bf{a}, \bf{A}, \mathfrak{a}, \mathfrak{A}, \mathbb{A}, \mathcal{A}
\mathitはイタリック体、\mathrmはローマン体、\mathbfはボールド体、\mathfrakはフラクトゥール体(旧ドイツ体)、\mathcalはカリグラフィック体(筆記体)を出力するコマンドです。ボールド体はベクトルなどに使います。イタリック体は入力のデフォルトがそれになっているので基本的には使いませんが、以下のように、字の間が開きすぎてしまう時に用いると効果的です。
ijk=-1, \mathit{ijk}=-1, diff(x), \mathit{diff}(x)
ギリシア文字の太字は\boldsymbolを使います。
\boldsymbol{\alpha}
\dot{f}, \ddot{f}, \hat{f}, \tilde{f}, \bar{f}, f', \vec{f}, \overrightarrow{AB}
=, \equiv, \iff, \sim, \approx, \simeq, \cong
\neq, >, <, \le, \ge, \leqq, \geqq
\in, \ni, \notin, \subset, \supset, \subseteq, \supseteq
\wedge, \vee, \neg, \exists, \forall
\Rightarrow, \to, \Leftarrow, \gets, \iff, \leftrightarrow,\uparrow, \downarrow, \updownarrow, \nearrow, \nwarrow, \swarrow, \searrow
(a), \[a\], \{a\}, \langle a\rangle, \lfloor a\rfloor, \lceil a\rceil, |a|
分数などの縦に長い数式につける括弧は、
のように括弧と分数の大きさが不揃いになり、見栄えが悪くなってしまいます。これを避けるためには、左右の括弧の左に\left,\rightのコマンドを置きます。
\left(\frac{a}{b}\right)
しかし、
のような縦に長くない文字に括弧を使う場合は\left, \rightは不要です。分数や、指数などで文字が高くなったときに初めて効果を発揮できます。なお、この\left, \rightは上にあげたすべての括弧に使うことができ、また、左右で違う括弧を使うこともできます。
\langle\psi |
字間を微調整するためのコマンドを紹介します。
ab, a\,b, a\;b, a\quad b, a\qquad b
\ (\の後の半角スペース)は、ちょうど半角スペースと同じ大きさの空白となります。\quadは全角スペース、\qquadはその二倍の空白で、\, \;はそれぞれ\quadの3/18,5/18の大きさを持っています。また、負の空白スペースというものもあり、字間を狭める役割を持っています。下にある、\!は\quadの-3/18倍の大きさがあります。
ab, a\!b
\lim_{n\to \infty} a_n, \liminf_{n\to \infty} a_n, \limsup_{n\to\infty} a_n
添え字に用いるアンダーバーは場合によっては下につくこともあります。
\sum_{k=1}^n f(k), \sum_{i} f_i, \prod_{k=1}^n f(k), \prod{i} f_i
\bigcup_{k=1}^n F_k, \bigcup_i F_i, \bigcap_{k=1}^n F_k, \bigcap_i F_i
\bigwedge_{k=1}^n P_k, \bigwedge_i P_i, \bigvee_{k=1}^n P_k, \bigvee_i P_i
\int f(x)\,dx, \int_a^b f(x)\,dx, \int_C f(x)\,dx, \oint_C f(x)\,dx
\iint_D f(x,y)\,dxdy, \iiint_E f(x,y,z)\,dxdydz
\begin{pmatrix} a&b\\ c&d\\ \end{pmatrix}
同じ行の数は&で区切り、\\で改行をして次の行に移ります。括弧は\begin{pmatrix}のpmatrixの部分を変えれば別なものにすることができます。以下にpmatrixの部分を変えた例を書きます。
matrix, vmatrix, Vmatrix, bmatrix, Bmatrix
また、\cdots, \vdots, \ddotsなどを使うと、大きな行列も表現できます。
\begin{pmatrix} 1&0&\cdots&0\\ 0$\ddots&\ddots&\vdots\\ \vdots&\ddots&\ddots&0\\ 0&\cdots&0&1 \end{pmatrix}
\partial, \nabla, \propto, \triangle, \angle, \perp, \infty, \Re, \Im, \dagger, \ddagger, \aleph, \hbar
計算の手順を見せたいときや複数の数式を比較したいときなどはalignモードを使います。
\begin{align} (x-a)^2&=A(x-a)&\mathrm{for}\ A=x-a\\ &=Ax-Aa\\ &=x(x-a)-a(x-a)\\ &=x^2-ax-ax+a^2\\ &=x^2-2ax+a^2 \end{align}
\begin{align} \sin(x+y)&=\sin x\cos y+\cos x\sin y\\ \cos(x+y)&=\cos x\cos y-\sin x\sin y \end{align}
alignモードはそれぞれの行の中の一つ目の&で位置ぞろえを行います。二つ目の&は式に説明・条件をつけるためのものです。次の行に移るには\\で改行をします。
場合分けにはcasesモードを使います。
\delta_{ij}= \begin{cases} 1&\mathrm{if}\ i=j\\ 0&\mathrm{if}\ i\neq j \end{cases}
casesモードでは&は式の説明・条件にのみ用いられます。また、応用として、
\begin{cases} x+2y=5\\ 3x-7y=-4 \end{cases}
のように連立方程式を表現することもできます。
今までは、文から独立した式を扱いましたが、たとえば、文中では、独立式のようにとするよりも、数式のサイズを小さくした、
のようにしたほうが見栄えが若干いいでしょう。このように、文中式を出力するのに使うのが\textstyleです。このコマンドを数式モードの一番初めに書くと、数式がテキストスタイルになり、分数や積分が少し小さくなります。文中式はぜひこれを使いましょう。
以下を参照してね☆
https://meta.wikimedia.org/wiki/Help:Displaying_a_formula
TeXとかLaTeXと表紙に書いてある本やHP