参考書・問題集の特色

(1)教科書

A.「検定教科書」(各社)、「体系数学/精説数学」(数研出版)(+傍用問題集)
B.「これでわかる」(文英堂)
C.「聞いてしまえばとっても簡単!(本質の講義)」(旺文社)
D.「理解しやすい」(文英堂)
E.「白チャート」(数研出版)

各単元で学習されるべき基本内容を抜けなく示した本です。基本に抜けがある状態から(2)の本を始めようとしても
効率が悪いので、学校の授業で理解に漏れがあるときには、まずこの段階の本で単元の全体をつかみましょう
(一方、授業で十分に理解できている単元では、この段階の本を改めてやる必要はありません)。
B・Cは教科書が分かりづらい人、または、これまでサボっていて、慌てて教科書レベルをやり直そうとしている人向け。
D・Eは将来難関大学を狙っている1、2年生の先取り学習に適しています。
この他、いわゆる「講義系」と呼ばれる各種シリーズもあります。

(2)入試基礎固めレベル

A.「黄/青チャート、青チャートワイド版」(数研出版)
B.「チェック&リピート」(Z会出版)
C.「基礎問題精講」(旺文社)
D.「1対1対応の演習」(東京出版)
E.「標準問題精講」(旺文社)

入試レベルで必要とされる問題の解法・考え方に一通り触れていくための、いわゆる「網羅系」と呼ばれる類の本です。
基礎から入試に向けてじっくり実力養成したい人はAかB、または学校専売の「ニューアクション」シリーズを。
基礎~比較的低難度の問題に絞って量を減らしたい場合、Cの利用も検討しましょう。
学校の授業を真面目に取り組み、「4STEP」や「クリアー」などの教科書傍用問題集を定期テストに合わせて真面目に
隅々までやってきた人は、DかEをやるといいでしょう。その場合、傍用問題集の中で忘れている部分がないように
復習してから取りかかると効果的。
なお、この段階の本を2種やることについては、肯定的/否定的両方の意見があります。2種やる場合には、
負担を考えて低難度本に軽量のものを選ぶか、軽量化(例えば例題のみ)する工夫をしてやる必要があるでしょう。


(2.1)(1)~(2)段階で使えるやや高難度な本

教科書代替(下注参照)
A.「本質の研究」(旺文社)
B.「受験数学の理論」(駿台文庫)
上級網羅系参考書・問題集((1)レベルが済んでいることが前提)
C.「赤チャート」(数研出版)
D.「フォーカスゴールド」(啓林館、書店取り寄せで入手可)
教科書を延長した理論補強+演習本((1)レベルが済んでいることが前提)
E.「(書籍)大学への数学(通称"黒大数")」(研文書院)

A・Bは全体を読みとおすには(1)の教科書類よりも素養が必要ですが、未習者から
読み始めることが可能なように書かれており、到達点が高い教科書として使える本です。
Aには章末に高レベル演習題がついています。Bは巻頭にある難易度表に従えば、
未習者は簡単な箇所から読み始め、難しい箇所は後回しといった読み方ができます。
C・Dは、通常の網羅系のレベルから比べると、高難度方向にカバー範囲が広い本です。
導入部から難しいわけではありません(特にD)。
Eは(1)レベルを終えた人が「基礎」のレベルを上げて(3)につなげるための本で、いわゆる
網羅系とはアプローチが異なります。数学が好きで自信がある人向けです。

(3)入試標準演習(おおむね下に行くほどレベルが高い)

A.「チョイス新標準問題集」(河合出版)
B.「10日あればいい・演習編(黒)」(実教出版)
C.「理系数学入試の核心・標準編/文系数学入試の核心」(Z会出版)
D.「良問プラチカ」(河合出版)
E.「新数学スタンダード演習/数学3Cスタンダード演習」(東京出版)
F.「月刊『大学への数学』スタンダード演習」(東京出版)
G.「新こだわって!国公立二次対策問題集」(河合出版)
H.「数学問題総演習」(学研)
I.「数学実戦演習」(駿台文庫)

入試標準レベルの問題を「自力で解く」という練習をします。
AとB(特にそれぞれのA問題)は比較的易しいので、あまり自信のない人の復習用に。
Aは解説が詳しく、Bは逆に問題数が絞られていてコンパクトです。
網羅系参考書をしっかりやった人ならCかDかEをやればよろしい。

網羅系参考書で学んだ知識をフルに使って、できる限り自分で解き進めましょう。
ただし、10分~15分程度粘っても解き方を思いつかない場合は、解答を読んでかまいません。
もちろん、できなかった問題は復習と反省を忘れずに。
もしこのレベルの本をやっていて、ちっとも自分で解けない、というようだと、網羅系参考書の解法知識が
身についていないので、そっちに戻ってやり直した方が得策でしょう。
(別の言い方をすれば、チャートが身についていない人がプラチカをやっても、やっぱり身につかないまま
終わるということです。頭の使い方を修正するのが先です。)

一般国公立・上位私立くらいまでなら、このレベルを徹底的にやりこむことが最も重要です。
したがって、この段階では1冊に絞らなくとも、必要に応じて複数の本を選んでやってもいいでしょう。

(4)上級解法集

A.「微積分基礎の極意」(東京出版)
B.「解法の探求微積分」(東京出版)
C.「マスターオブ整数」(東京出版)
D.「数学ショートプログラム」(東京出版)
E.「解法の探求確率」(東京出版)
F.「解法の突破口」(東京出版)

難関大志望者・医学部志望者などは、これらの本で高度な知識やテクニックを学ぶといいでしょう。
一般的な基準からすれば極めてレベルが高い本ばかりなので、(3)までのプロセスをおろそかにしてこれらの本だけをやっても
実力はつかないので注意しましょう。

(5)入試発展・実戦演習

A.「やさしい理系数学」(河合出版)
B.「ハイレベル精選問題演習」(旺文社)
C.「理系標準問題集・数学」(駿台文庫)
D.「ハイレベル理系数学」(河合出版)
E.「新数学演習」(東京出版)
F.「理系数学入試の核心・難関大編」(Z会出版)
G.「チャート式数学難問集100」(数研出版)
H.「最高峰の数学へチャレンジ」(駿台文庫)
I.「入試問題集」(数研出版)
J.「月刊誌『大学への数学』記事・日日の演習など」(東京出版)
K.「大学入試攻略数学問題集」(河合出版)

難関大志望者・医学部志望者などで、数学の実力に磨きをかけたい人向けの本です。
A.「やさ理」B.「ハイ選」D.「ハイ理」E.「新数演」あたりは、上級解法集としての色彩も強いので、
「演習」というよりは「高度な解法を身につける」という用途にも適しています。
C.「理標」F.「核心難関大編」も重要解法をひと通り学べます。
I.~K.は末尾にありますが、最難ではなく、直前年度の入試問題から演習用に好適な問題を
選抜した年次版問題集(I,K)や記事(J)です。I.は幅広く採録、K.は比較的高度な問題が中心です。
自分の力を試しながら磨いていく演習に向いています。

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最終更新:2013年04月13日 00:20