Summary. Nico Visual Effect (NiVE) はニコニコ発の動画加工ソフトで、After Effects に似た機能を持っています。ここでNiVEの使い方を1から説明するのは不可能なので、紹介だけしておきます。
どんなソフト?
NiVE はニコニコから生まれた動画加工ソフトで、複数の素材を組み合わせたり様々なエフェクトを施しながら動画を作成できます。
NiVE wiki
からダウンロード可能です
[1]。今回はNiVE 1.xのほうを使う前提です。
NiVEがどんなソフトか知る一番手っ取り早いの方法は、ニコニコにあるNiVE製作過程の動画を最初から順に巡礼していくことだと思います:
急がば回れ、ではないですが AE 経験者でも無い限りこれが一番効率的です。ちょっとずつ作られていく様を見ているとなんとなく親しみも持てますし。
自前でNiVEの解説を書き出すと収拾がつかないので、他の方がニコニコに投稿したNiVEの解説動画の中で「とりあえずこれを見ておくといいよ」なものを紹介します。ちょっと慣れるだけで
- 動画にテロップを入れる
- 複数の動画や静止画を組み合わせる
- フェードやズームを自由に施す
などがすぐできるようになると思います。他にもっと見たければ
こちら
をどうぞ。
悩ましい単語
突っ込んだ解説をする気はないですが、知らないと戸惑いそうな用語が色々あるので最初に全部書き連ねてしまいます。実際にNiVEを使ってみて「なんじゃこりゃ?」と思ったときに、多少のヒントになるかもしれません。
コンポジション
エクセルでいう「シート」のことです。それ以上のことではないので難しく考えないでください。
キーフレーム
エフェクトのパラメータの数値をいじると、タイムラインに「キーフレーム」なるものが打たれます。要するに「値を設定したよ」って目印です。ぽちぽち打っていってください。
補間
キーフレームをダブルクリックすると、次に出現するキーフレームまでの区間が薄青くなります。この部分では、最初の数値から最後の数値へ向かって徐々に値が変化していきます。これを知らないと編集できません。
マテリアル
タイムラインに置いたアイテムの位置や縮尺などを設定します。初めてNiVEに触った人がよく戸惑うポイントなので、これ単品の解説動画がいくつかあります。
キーイング
指定された色の部分を透明にする作業全般のことです。テレビのクロマキーみたいなもんです。
レンダラ
レンダリングという言葉を知っていれば話は早いです。普通はGDIレンダラを選択します。1つだけ、レンダラの設定にある「変形時に自動的に0.04°傾ける」という項目を覚えておいてください。カクカクを回避できます。
エクスプレッション、テキストアニメータ
入門向けな解説シリーズ
さて、とりあえずNiVEが何者かわかったら次はニコニコにある解説動画に目を通すといいです。
シロクマシリーズ
ダウンロードしたけど使い方がわからん・・・て場合は recoba167 さんの解説動画があります。NiVE黎明期の動画なので多少バージョンが古いですが、かなり易しいです。ただし、Part 3のキーフレームを打つところで謎の飛躍があるので(編集ミスかなにかだと)そこだけご注意を。
NiVE難民シリーズ
たぶんNiVE関係で一番有名なシリーズです。「別にフェード掛けたいだけなんだけど・・・」という人はここまで詳しく入り込まなくてもいい気はしますが、解説がわかりやすくて理解が深まるかと。
その他、ピンポイントなもの
他にも特定のトピックについてピンポイントで解説している動画が色々ありますが、多くなるので割愛します。
NiVE@避難所Wiki
にいっぱい載っています。
おすすめのプラグイン
NiVE界隈では有志の手によって色々なプラグインが提供されています。ほとんどのプラグインは
NiVE Wiki
の
プラグインのページ
に行けば入手できます。次のものは入れておいて損しないと思います。
DirectShow入力プラグイン (制作者: tinoさん)
WMVファイルやMP3ファイルなどを読み込めるようになります。無条件で入れてしまっていいかと。
テキスト(GDI) (制作者: ハヤシライスP)
テキスト描画プラグインです(
sm7129429
)。標準のテキストエフェクトを大きく上回る使い勝手を誇り、NiVEのテキスト回りにおける不満点を一気に解消してくれます。
nShine+極座標変換+ブラー(方向) (制作者: EntryName”YMO”さん)
ブラー(方向) が地味に使いやすくて、高速で動くものや変化の早いものを表現するときに軽く掛けると落ち着きます。また、標準エフェクトの「風」みたいに上下・左右にぼかすときも使えます。
ちょっと音再生 (制作者: gekkaoさん)
ちょっと特殊な代物で、タイムラインでクリックしたフレームの音声をちょっとだけ再生してくれます(
sm3514730
の後半で説明されています)。音合わせをすることが多いコンボ勢にはすごく便利だと思います。ただし、目的を果たしたら速やかに無効にしましょう(試しにそのままプレビュー再生をしてみればわかります)。
サンプル
何か思い付いたら基礎的なものを上げようかなと。
使用エフェクト: テキスト(GDI)、ドロップシャドウ、膨張、グロー、クロス、トラックマットなど
内容: 白+影、白+黒縁取り、白縁取り+影、赤+白縁取り、高輝度、きらきら、くり抜き、テープの例です。
使用エフェクト: テキスト(GDI)、ドロップシャドウ、膨張
内容: えてして小さなフォントは汚くなりがちなので、拘るときは大きく文字を描いてから縮小します。
使用エフェクト: カラーキー、マスク(基本図形)、リニアワイプ、テキスト(GDI)、ドロップシャドウ、膨張、直線
内容: よくある紙芝居みたいな配置、ReACTの会話みたいな配置、シルエット(おまけ)
使用エフェクト: カラーキー、ブラー(ガウス)、ブラー(ぼかし)、ブラー(放射状)、風、ブラー(方向)
内容: ブラーはこういう微調整のためにある、てことで、フェードに一工夫する例をいくつか。
使用エフェクト: トランスフォーム2、ブラー(ループ)
内容: トランスフォーム系エフェクトで補間の種類を NearestNeighbor にするとカクカクなまま拡大できます。
Tips
ここまで書いた時点で既にかなり長くなってしまいました。ほとんど他の人の解説動画にたらい回ししているというのに・・・w なので、あとは全部Tipsとして思い付いたことをつらつらと垂れ流しておきます。
分割して統治せよ
そもそも、NiVEはムービーメーカーなど他のソフトと組み合わせて使うことが前提なので、長い動画を作るには向きません。それでもNiVEだけでやろうという場合は、たとえば900~1000フレーム毎に区切って別々の動画として編集し、それを最後につなぎ合わせる方法を推奨します。
こうして分割しておけば、1つの動画を書き出ししている間に他の動画の編集作業が続けられます。コンボムビのように全体を通したBGMがある場合は、アイテムをリネームして 「このプロジェクトファイルは、このBGMの何フレーム目から何フレーム目までの区間を使っているか」 をしっかりメモしておくのが賢明です。
指定範囲を書き出し
NiVEのプレビューは処理落ちするのが常なので、編集結果をチェックしたいときは一旦ファイルに書き出してみることになります。そのときに全部のフレームを書き出させていては、作業時間がいくらあっても足りません。 [ファイル] > [指定範囲を書き出し] を使ってみてください。
コンポジションを使ってみる
NiVEで動画ファイルを読み込むと映像と音声がそれぞれ別々のアイテムになります。しかし、これは編集するときにすごくかったるいです。そこで、コンポジションを使って1つのアイテムにしてしまいましょう。
まず、[ファイル] > [読み込み] から新しいコンポジション(Comp2とする)を作成します。すると、タイムラインに新しいタブが増えるはずです。そうしたら、
- 動画ファイルをアイテムウィンドウに読み込む(一応w)
- さっき作った Comp2 のタブをクリックする
- 映像と音声を両方ともタイムラインに配置する(先頭を揃えましょう)
という手順を踏みます。あとは他のタイムラインにいって Comp2 をアイテムとして投入すればOKです。
動画の再生速度をいじる
タイムラインに投入したアイテムの「デュレーション」なるものを変更すると、そのアイテムの尺を増やしたり減らしたりできます。長くした場合は再生速度が遅くなり、短くした場合は逆に早くなります。ただし、今さっき紹介した「(アイテムとしての)コンポジション」の場合はそうなりません
[3]。
エフェクトの順番
エフェクトは上から順番に実行されます。不透明度が絡む作業で必要になるかもしれません。
複数トラックを同時選択
Ctrlキーを押しながらトラックを選択すると複数のトラックを同時に選択できます。その状態で各種操作をすれば一度の操作でまとめて同じ処理を行えるので、慣れると重宝します。
透明な板としてのテキストアイテム
このあと説明する「膨張」や「ドロップシャドウ」は、イラストやテキストの周囲が透明なとき(いわゆるアルファ的な意味で)に真価を発揮します。トランスフォームやキーイングと一緒に使うことも多いですが、それに加えて「テキストアイテムは透明な板として使える」ということも覚えておくといいです。
ここでいう「テキストアイテム」とは、[ファイル] > [読み込み] の中にある [テキストの作成] で作られる代物のことです。実は、こいつ自身にはあえて何もやらさず、他のテキストエフェクトを施して使うこともできます。
テキストに影や縁取りを付ける
上でヘンテコなことを書いたのはこのためです。まず、アイテムウィンドウに「テキストアイテム」を作成します。そうしたら、
- 作成したテキストアイテムをダブルクリックしてタイムラインに置く
- ドラッグするなりなんなりして、このアイテムをタイムラインの一番上にする
- [エフェクト] > [テキスト] > [テキスト(GDI)] を選ぶ
- [エフェクト] > [シミュレーション] > [ドロップシャドウ] を選ぶ
- テキスト(GDI)のプロパティをいじってテキストを描く
とします。これで影付きのテキストが打てます。例として「テキスト(GDI)」を使いましたが他のでもいいです。同じように、[エフェクト] > [スタイライズ] > [膨張] を使うときれいな縁取りを施すことができます。これもぜひ覚えておきたいエフェクトです。昔はこれが無かったので色々苦労しました。
なんかすごい動画ないの?
いくつかメモしておきます。
[1]
Windows7で使う場合は「32bit版」を必ず選択すること。anyCPU版では出力すらできない。
[2]
エクスプレッションは自分の好きな分野なのだけど、使わずに済む機能なので。
[3]
仕方ないので、コンポジションアイテムに対しては「タイムワープ」というエフェクトを使う。
最終更新:2013年08月02日 15:53