こんごう級ミサイル駆逐艦

こんごう級ミサイル駆逐艦
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性能諸元
全長165m
全幅21m
喫水6m
基準排水量7750トン
満載排水量10000トン
速度最大30ノット以上
機関MM50ガスタービンエンジン×4
乗組員300人程度
兵装四菱 54口径127mm単装速射砲
高性能20mm機関砲(一部)
10式垂直発射装置(Mk.10 VLS)
09式対艦誘導弾発射筒

こんごう級ミサイル駆逐艦(こんごうきゅうみさいるくちくかん、英語:Kongo-class detroyer)とは、大日本合衆国海上自衛隊が運営するミサイル駆逐艦の艦級。計画は第7次中期防衛力整備計画の内の、N10番。

来歴

海上自衛隊では、攻撃型ミサイルの性能向上に伴い、旧式となりつつあったファ~ファ~システムの代わりに高性能なイージスシステムの導入を早くから決定していた。それに伴い、第6次中期防衛力整備計画によって試験的にイージスシステムを搭載した駆逐試験艦『ふじ』を建造していたが、試験艦も兼ねているという性質上、本格的にイージスシステムを搭載したミサイル防衛能力に優れる駆逐艦もしくは巡洋艦の建造が急務となっていた。その中で建造されたのが本級である。

設計

船体

本級はアメリカ海軍のイージス駆逐艦、アーレイ・バーク級及び日本国海上自衛隊のイージス護衛艦、こんごう型とあたご型をモデルとしており、特にイージスシステム関連のレーダー、装置類の配置は酷似している。一方、BMD能力及び旗艦機能を付与されたマークⅠと呼ばれる型式は上部構造物が大型化しているが、その後に建造されたマークⅡはそこまで大きくはない。

装備

イージスシステム

上記の経緯により、本級の装備の中心となるのがイージスシステムである。イージスシステムは国内で改良されたバージョンを使用しており、マークⅠは強力なBMD能力を持つベースライン18.5J、マークⅡは対空戦(AAW)能力を持つがBMD能力を持たない18.1J、最新のマークⅢは最新の19.5Jを搭載している。 搭載するミサイル発射機は10式垂直発射装置で、艦首と艦尾に一つずつ配置されている。このミサイル発射機からは弾道ミサイル防衛用のミサイル、SM-6の他個艦防衛ミサイルシースパロー、敵上陸部隊等の殲滅に使用されるトマホーク改巡航ミサイル等が発射される。

型式の相違点

こんごう級は年代の推移と共に様々な改装を受け、『マーク』で区別されている。最初に建造されたのはマークⅠであるが、マークⅠ三番艦のDDG-23「あたご」では早速弾道ミサイル防衛に対応するよう建造され、一部書籍等では『マークⅠA』として区別されている(その後一番艦と二番艦もBMDに対応)。また、当初はSM-3による弾道ミサイル防衛であったが、五番艦・マークⅠ最終艦であるDDG-25「はちもり」からはSM-6による弾道ミサイル防衛に対応している(これも後にマークⅠ全艦が対応)。次に建造されたのはマークⅡと呼ばれる型式で、BMDに対応しない代わりに効率的な艦隊型駆逐艦として設計され、海賊対処や船団護衛等、伝統的な駆逐艦の任務をこなしている。最近では試験的に、コスト、重量削減と高い個艦防衛能力を両立させるため、一部の艦からは高性能20mm機関砲の撤去もしくはSeaRAMへの換装が行われている。 二つの艦の大きな違いは、なんと言っても艦橋構造物の高さ、マストの形状、ヘリ格納庫の有無である。マークⅠでは、高性能なBMDを実現する為艦橋と高性能20mm機関砲の間に半球のレーダー(詳細未公開)が装備されており、これは迎撃ミサイルの命中率を上げる為だと推測されている。しかし、BMD能力を付与されていないマークⅡではそのレーダーも装備されておらず、艦橋の高さも一段から二段低くなっている。また、マークⅠでは直線的な塔型マストであったが、マークⅡでは斜めになった。

マークⅢ

マークⅢはマークⅡとほぼ変わらない形であるが、ヘリ格納庫が復活していたり、マークⅠの塔型マストの採用等先祖返りの部分も見られる。また、全艦がBMDと対航空戦を両立できるイージスシステム19.5Jを搭載している。

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最終更新:2018年01月16日 20:07