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彼がびしょぬれになった理由(ワケ) 「陽介の奇妙な日記外伝」

2006年01月31日(火)22時14分-藤枝りあん

 

 よォ、こんで全員か? どうだ、会長・・・OK? あ? 親分がいない・・・あの猫(ヒト)は多忙だかんな。後は・・・まー、アレだわな。俺ら野良猫の集会ナンざぁ、グダグダやって終わりっつーか・・・ま、こんで全員揃ったってことで。いいよな、会長? よし、んじゃ、始めっか。
 つっても、今日俺がよォ、らしくねェくらい出張ってンのにはさ、理由があるわけよ。りゆー。わかる? んーだよ、女だって? 違ぇよ。今夏だろが。まだ早いっつの。
 まー、アレだよ。俺もさ、この辺シマにして長ぇけどさ、まだまだ知らねーことは多いんだなって思ってよ。ほら、前にオメーが言ってたろ? マダラよぉ。『奇妙な連中がオレサマのシマを荒らしやがっったんで〆てやった』ってよ。俺もアレに似てんだわ。
 んん、じゃ、俺に話させてくれや。テキトーに聞き流してダベっててもいっからよ。

 あれはまー、数日前のことか? またいつもみてぇに暑くてよー。わかんだろ? つっても俺んトコはさ、いい避難場所があンのよ。へっへ。
 でまぁ、俺がいつもみてぇにそこに座ってっとさ、人間の家が騒がしくなりやがってよー。まー所詮は他人事だから? 無視してっとよ、人間がガーッて、中の連中がペッて! ナンか知らねぇけど、追い出されてやんの! けどよー、うざってェことに奴らは自分チの周辺は自分のだー、みてえな? あるじゃん。でよぉ、やっぱり追い出された奴も俺に突っかかってきたんだわ。
 んー、どんな奴だったかって? なんだよー、今日は食いついてくるじゃねぇか、エエ? あー、一言で言うと、ぷよ、だな。意味わかんねぇって? 要するに、チビで、ガキで、体中がぷよぷよした世間知らずのお子ちゃまってこった。
 まーそいつが強情で強情で。目ェうるうるさせながら『ここはオレの場所だぞぉ~』とか腰震えながら威嚇してきやがってよー。笑うなって~。アイツなりに勇気振り絞ってンだからよー。え~? 俺の言い方が面白い、だぁ? うぜェよ。テメー帰れ。
 んーで、どこまで話したっけ? そうそう、そいつがあんまりしつけーんで、俺も折れたわけよ。考えてみ? 勝手にケンカ売ってきてよぉ、自分で泣いてンだぜー? 哀れすぎだろ。ん・・・まぁ、そーかもな。かわいいっちゃー、かわいいな。
 あ~? 誰だ今『紹介しろ』ッつった奴。駄目だね。アイツは俺のだしー、つーか内猫じゃん? 俺らとは住む世界が違うっつーの。親分も言ってんじゃねぇか。ノラとウチじゃー、生き方も幸せも違うってよ。なぁ? んで・・・あー・・・話し逸れたじゃねぇかバカ野郎!
 でよ、そのチビが、んー? 名前? 言っただろ? 言わなかったか? まー、ジュニアとか何とか言うらしいんだけどよ、意味不明だろ? 人間てヘンな呼ぶ方するよなー、つくづく。俺も『クロー』とかさ。マダラもナンかあったろ? 『ぶっち』だっけ? 月の輪も『クロー』だっけ? 『黒みん』? 知らねーよ。気に入ってようがナンだろうがよー。
 で~? あーそー、そいつがまたかわいくてさー。ん~? そ、ノロケ。・・・バーカ、ロリじゃねぇよ。ありゃ美人になるぜぇ? あ? 居場所? 俺のシマにある家の・・・そーそー、走り回れる土があるトコの家な。は~? 見に行くぅ? いいんじゃねーの、別に。
 ・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・はい、だいぶ減りました。てか、今行った奴バカな。女だって言ってねーじゃん、俺。だからガキだって。かわいいだけのガキんちょ。まぁ、かわいいっつーのはウソじゃねぇケドな。
 どんな感じかってぇ~? そーだなぁ~・・・目がくりくりしてて、腹がぷよぷよしてて、足がこそこそしてて、動き方はナンつーか・・・イモにそっくり♪ 木登りうまいし、ありゃゼッテー、羽化するな。なんつって。ケケケ。冗談だよ、冗談。
 あぁ、んん、まぁ、俺は気に入ってっけどね。ちょいヘンなカッコしてっけど、ウチのクセに意外と頑張るし。『空中二回転ヒネリ』出来たしよ。マジマジ。それにすっげー「うまそう」。
 それはさておき、今日俺が言いたかったのはだなー、アレだ。アレ。そいつの名前、ここでは「イモ」がいいか「うまそう」がいいかってことだ。
 いや、それがな。そいつと一緒に叩き出された連中がまた妙なんよ。マダラが言ってた奴に似てるような似てないような? いやー、今まで見たこと無いようなさ。
 それで! まぁ待て。そこで! だ。俺は提案する――『妙な連中を見張る団』を!
 ・・・って・・・マジ? 食いつき良すぎじゃねぇ? マジでやる? いいけど。テキトーに続けるか。
 え~? やること? 妙な連中に遭遇したら、ここでテキトーに報告。あと戦利品見せびらかしたり。そんなモンじゃね?
 えぇ? 会長、これも団長やンの? 『魚品評会』も『凄い場所見付け隊』も頭やってなかったけ? いやいや、もういいって俺が知らねぇだけだから、ああもう、はいはい、『隠れ家団』ね、ありゃすごいね、はいはいすごいすごい。え? 凄すぎて何も言うことが無いっつーか・・・はい、すごいッスねー。もう帰っていい?
 とにかく、今日の戦利品な。『水色の妙なのが食べ残した葉っぱ』――水色のがいたんだって。黒っぽいのもいた気がするな。レアじゃね? 誰か食すツワモノはいるか? んじゃ、ゴチにやる。責任は取らんぞ。

 はい、終わり。今日の俺のダベリ終わりね。
 次誰? ・・・あー、会長ね・・・はいはい・・・俺もう帰るわ。美味いモン見分け方講座はまた今度でいいから。え? 何? 『イモちゃん親衛隊』が出来たから入れ? マジ? いやいやいやいや、え~!? ナニ、え~!? 強制参加!? もういいって! 飼い主出て来たら・・・は? いやいやいやいやいやいや! 会長の話はもうね、ご馳走様! じゃ行くか!? 行っちゃうか!? 俺知らねーよ? 止めたからな!? 何が起きても知らねーよ!?

<おまけ>
 その夜、陽介ンち。陽介と、彼の妹(紀美香)の会話。
「・・・なんかネコが多いな~」
「気のせいっしょ?」
「いや? 多いぜ?」
「じゃー、アレだ。兄ちゃんが棒持って追っかけ回しゃいんだよ」
「イヤ。お前やれ」
「おっと、もうこんな時間か・・・わたし、もう耐えられません! 実家に帰らせていただきます!」
「逃げか。しかも何故に嫁風味? さらに言わしてもらえば、テメーはメシ食いに来ただけじゃねぇか」
「じゃそういうことで・・・おりょ? わ!! ちょ、兄ちゃん! マジ来て! つーか来い!」
「命令形? 温厚な俺でも殴るぞ?」
「お・に・い・ちゃ~ん♪ ちょっとカメラ持って来て欲しいのぉ~・・・キミカからの、お・ね・が・い・♪」
「バカにしてんだろ。命令増えてんじゃねーか。しかもキモいからやめろ。行きゃい~んだろ、行きゃ」
 陽介、カメラを持って玄関に参上。
「ね、ほら、ネコがいっぱい♪」
「・・・」
 そこかしこで猫の目が光っている。その数十数匹。
「ほらほら、逃げる前にカメラカメラ! ちょ、兄ちゃん、どこ行くの~? えーと・・・蛇口にホースを繋いで、水を出して・・・って、水掛作戦かよ!」
「夏だからな」
 陽介、ホースから水を噴射しながら逃げ回るネコを追い掛け回している。
「兄ちゃん足遅いぞ~。ほら、後ろ後ろ!」
「うにゃ~?」
「お、Jrか。ご主人様がお前の仲間をいじめてるぞ。ヒドイ男だよな~」
「な~」
「お前もそう思うか。意外とお前目当てだったりしてな。モテモテだな!」
「な~」
「自意識過剰な奴め」
 紀美香、笑いながら兄の姿をカメラに収めている。後日、兄によってそのカメラのフィルムは葬られたという。
 そんなのどか(?)な夏の一幕。


御題は・・・「ネコ、野良猫、夏」でした。
 


締め切り過ぎまくってこんな程度・・・「実に哀れだ」(by某性格極悪魔王)

 

最終更新:2012年12月28日 22:12