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カール(詩)

2006年03月29日(水)16時21分-鶴田(仮)

 

 
 カール
 甘いキャンディを欲しがっていたころ、車に乗るとグレイの後部座席の
 右側に僕は座って対向車を眺めていた。さようならバイバイと繰り返し、
 初めての呪いを繰り返し、窓ガラスを舐めていた。甘いキャンディの味がした。
 更に昔、父親の実家の回りは真っ白で何もなくて、墓を探して、何もない
 真っ白を掘り続けた。骨は黄色かった。「まだ八年目だからな」(母親はどこへ?)
 僕はポケットを探っていた。きれいな小石があったら良いなと思いながら。
 僕は、と説明するのが面倒で、彼は、に変えてしまおうと思ったから、
 魂を三分割した一つがふわふわと宙を舞い、気圧の関係で飛ばされていく。
 分裂と自己複製を繰り返し、検閲と自己嫌悪を恐れて。
 ひどい雨が降り続いたせいで土手が濁流に飲み込まれ、あの時の思いでも
 三歳の誕生日も五歳の大怪我も八歳のキスもきっと流れてしまうんだそうなんだと
 思いながら茶色い流れで頭を洗うと髪の毛はいい具合に脱色されて彼は爬虫類に似てきた。
 きれいな小石と言うのはサミダレ採石場で取れるんだぜ。
 一番人気は透明なやつで傷がついていると台無しだよ。
 夜になるとライオン(がお!)が来て特別透き通った石の居場所を教えてくれるらしいよ。
 ぐぁるるる、ぐぁるるる、ごぉぉぉぉぉ、
 きれいな小石と言うのはきれいな人の目の中に紛れ込んでいるんだぜ。
 その人が眠っているときに、こっそりと取り出すんだ。
 ライオンの話が聞きたいのは誰? 彼は挙手を求めた。戦場で、砲弾に時々
 頭を打ちぬかれながら(笑い声が)、授業を続けている。簡単な話だ、ライオンは、
 人を食うし、水牛を食うし、レアステーキとマッシュポテトを食うんだっていう話。
 準備は終わり、カタパルトに座り、尾てい骨のあたりで火薬が爆発し、
 視界は四つに区切られ、裂け目に指を突っ込むときれいに裂け、そこから先は
 忘れていたことにしたかった記憶ばかりで、そこで終わり、そこで終わり。
 甘いキャンディ(帰るのかい?)、真っ赤な手のひらで差し出してくれたのは誰だったか。
 べとべとになるほどの温度でキャンディを握り締めて彼の帰りを待っていたのは誰だったか。
 僕はきれいな小石を取り出して、机の上に並べた。赤と黄色と青色の宝物だ。
 口に含んでみる。(やっぱり)甘い味がしたよ。

というわけで、はじめまして。鶴田(仮)です。
ぱ、とこのサイトを見つけ、とりあえず何か書くと
決めたものの、小説は二年近く書いてないし、
結局お茶を濁す形と相成りました。

こんな感じのものを得意としております。
以後、よろしく願います。

最終更新:2012年12月30日 09:52