2006年06月03日(土)06時14分-穂永秋琴
こんな悪夢を見た夢を見た。夢の中で、私は「これを小説にすれば面白いホラーができるに違いない!」と思ったのだけれど、いざ夢から目覚めてみると夢のまた悪夢の内容はほとんど覚えていない。このままでは悔しいので、断片的にでも記憶を蘇らせ、再構築し、のちのち書くかもしれない小説のためにメモしておく次第である。
そもそも、今朝は非常に寝つきが悪く、4時半になっても眠れなかった。名大祭の始まりに間に合うには6時には起きなければならない。そこで5時まで眠れなかったら起きようと思っていた。
最初の場面はこうだ。私はなぜかダンスパーティ(か何か、多分それに類するもの)に誘われており、知り合いの女の子と、知り合いでない中年の男女と、私との四人で、会場近くの駅を歩いていた。と、突然、中年の男性のほうが「俺は参加しない!」と叫んで(だかどうかは記憶に無いが、多分)私の知り合いの女の子を人質(!)にして駆け去っていってしまった。
私は彼を追いかけた。と、ここで場面は神社の入り口の階段のようなところに移る。彼は階段の中ほどに立ち、女の子を抱え、私と彼女との両方に交互に銃を向けていた。私もなぜか銃を持っていて、彼と相対していた。「こいつの命が惜しかったら銃を捨てろ!」と言われたので、私は銃を捨てた。銃を捨てた私はゆっくり階段を上っていった。「来るな、撃つぞ」と彼は私に銃を向けて言ったと思う。私は彼が銃を撃つ度胸を持ち合わせていないことを知っていたらしいが、それでもやはり恐ろしくてたまらなかった。と、唐突に天から柱のようなものが降りてきた。柱と述べたのは正しくない、と言うのはそれは地面にはつかなかったから。むしろ、神社の賽銭箱の前にある、あの鈴のついた紐に近いかもしれない。それは太い木で出来ていた。私はそれの出現を強味にし、それを心臓のあたりに押し当てた。それでもって銃弾を防ごうと考えたのだろうが、頭や右胸を撃たれたらどうするつもりだったのだろう。
男は私が迫ってくるのに度を失ったのか、女の子を階下に突き飛ばして逃げた。私は彼を取り押さえ、先ほど同行していた中年の女性に見張りを任せると、女の子のもとにかけつけた。彼女は気を失っていたが、脈はあった。呼吸があったかどうかは確かめなかった。私が彼女に心臓マッサージを施す(繰り返すが、脈はあった)と、彼女は1メートル余りも跳びはねた。私は恐ろしくなって一度でマッサージをやめたが、間もなく先ほどの中年女性がやってきて、私に代わって女の子に心臓マッサージを施した。6、7回ほどマッサージしたところで、女の子が目を覚ましたので、私たち三人は再び駅に向かった。
駅で改札を通ろうとすると、私は財布が盗まれていることに気付いた。私は「おそらく、先の男の行動に気を取られている隙に盗まれたのだろう」と考えたようだ(しかし、先ほど述べた場面に、我々――私、女の子、中年男性、中年女性――以外の人物が現れていないことは、すでに述べたとおりである)。
このあとの記憶は極めて朦朧としているのだが、どうやら財布は駅の遺失物係に預けられていたらしい。だが私のもとに戻ってくると、その財布からは定期券とお札が抜き取られていて、あったのは小銭だけだった(切符もなかったが、そのことは考えもしなかった。私がいた駅、パーティの会場から近い駅というのは一体どこだったのだろう)。女の子と中年女性は先に行ってしまい、代わってパーティの主催者とおぼしき初老の男性が、改札機を挟んで私と相談した。私は「パーティに参加できないならむしろ幸い、早く名大祭に向かおう」と考えていたような気がする。相談の首尾は記憶にない。気付くと、私はまたふらふらと、どうやら駅の地下街らしきところをうろついていた。
その地下街で、私は友人の男に会った。私は先ほどから非常に恐ろしい思いをしていて、空手有段者である彼に「一人では怖いので、駅まで送っていって欲しい」と頼んだと思う(私は先ほどから駅の構内にいたはずだが……)。彼は笑いながらも承諾した。と、そこへ彼の携帯電話に連絡が入った。「○○さんから君へだ」と彼は私に携帯電話を渡した。○○さんというのは、あのパーティを主催していたらしい男性である、なお名前は伏せているのではなく、忘れてしまったのだ。そこで私は、私の携帯電話も紛失していたことに気付いた(彼に連絡すれば私に行き着くと、○○さんが考えた理由は不明である)。
「Hさん(私のことだ)ですか!?」と○○さんは尋ねた。私は「はい」と答える。すると○○さんは言った。「では、アパートの屋上にいる、あの人はいったい誰なのでしょう――」私はひどくぞっとした。
ここで目がさめた。私はこの悪夢に甚だ興趣を覚え、是非ともメモしておこうと思い、パソコンを立ち上げた。が、私はそれをメモする前にゲームを始めてしまった。ゲームのタイトルはどうも「ロックマン」だったように思うが、その内容は3Dカーレースゲームであった。しかしやはりロックマンの面影は残していて、敵が現れるとロックマンの乗っているカーマシンが変形し、砲で以って敵と撃ちあうのである。最初の敵を倒したところで、また記憶があやふやになる。
今度は私はある部屋にいた。どこだか分からない。どうも木造建築の内部のようだ。部屋の隅には大量のアイスクリームが文字通り山のような形を作っていた。私はパテのようなものでそのアイスクリームを一すくいすくい取ると、床にぺたぺたと塗り始めた。しかも、なぜか所々にガムテープを貼った。床に一通りアイスクリームを塗り終え、ほっと汗を拭ったところで、今度は本当に目が覚めた。
時計を見ると5時を少しまわったところだ。だからこれは、わずか30分の間に見た、夢のまた悪夢の記録である。もちろん、さめてから考えてみると、記憶があやふやなところがあることを考えても、この話にはあまりに脈絡がなさすぎる。男の銃から身を守った木はどこから来たのか、なぜ脈のある子に心臓マッサージをしたら回復したのか、私の財布はいつ盗まれたのか、私はパーティの主催者と何を相談したのか……ホラー小説らしいのは分身登場の場面くらいか。
さて、誰かこの夢をネタに背筋の凍る傑作ゴシックホラーを書いてくれないかな。
名大祭当日の朝にどういう夢を見てるんだ?