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灰色の魚

2006年08月22日(火)17時43分-如仁

 



 灰色の魚、静かに眠る、彼には目蓋があって、
 蝋で鎖された薄黄色の液体の中で、
 こぽり、と呼吸をしている。
 蛍光灯が瞬くのを、ゆっくりと観察している。



 虹の夢を見ている。
 空を貫く、雨の矢。滴が私の体を濡らす、
 透明な傘は体を守ってはくれない。
 酸素、酸素、あの薫りがいとおしい。



 放流の季節だろう? 春、雪解けの冴えた水が
 川を下る時、彼らは薄黄色の液体から解放される。
 暗い河だ。原始の生命でも誕生してしまいそうな、
 湿った空洞が彼らの生き場所だ。



 水面に演算式を浮かべて、ロボットの構造を
 確かめるような、彼らは、もう心臓も無く、
 ヒルガオの咲く夢の中に自らの骨をうずめ、
 泣き叫ぶことを厭うようになる。



 灰色の魚、竜宮の物語を聞き、海底を目指すだろう。
 ああ、そこに近づくと光は圧縮され徐々に視力を奪われる。
 色覚に訴えかける解放の兆しを、純白の直前にある
 破滅的な鳴動を、感じることで、魚はそこに縛り付けられるだろう。



















 灰色の魚、彼には目蓋があり、目蓋の裏には、
 夜を泳ぎぬくルートが描かれていて。
 


詩ばっかり。小人閑居してなんとやら。違うか。

最終更新:2012年12月30日 11:54