2006年11月27日(月)01時37分-渋沢庚
夕暮れ
黒猫に
話しかけては
夕暮れの
ふりむきもせず
人も子猫も
夜歌
昼があなたのものならば
ひかりをためてひだまりを
作ってあげよう
あなたのために
代わりに私が望むのは
あなたを想い眠ること
夜を抱いて金木犀
ほのかに香るこの風に
あなたを想い眠ること
夜こそ恋のためにあり
昼はつれなく訪れど
今は眠りてあなたを想う
鍋
猫舌で
いただく鍋の
音楽は
はふはふ、ふーふー
やけに忙し
朝
たちのぼる湯気が
渦をまくのをみた
焼いたクッキーとコーヒーのにおい
さしこむ朝日に
冷たくはりついた空気
サクッとおいしい音がして
日曜日がはじまった
冬
冬の日に
コタツでココア
外は雨
のぼる蒸気に
落ちる水たま
目
目がいたい
ピシッとなにか音がする
目がいたい
動かさなければいたくはないが
まばたきせずにはいられない
私の目は動く
だから、目がいたい
だうんろーど
インクのしみが広がるより早く
線が文字を形作るより早く
まるで何かのファイルをダウンロードするように
おもいが伝わるのなら
私の悩みは消えるのだろうか?
もし、そうなら私の存在もなくなるのだろうな
鏡
悲しいやつだな
お前の深淵をのぞこうとするたびに
お前からはなれないといけないなんて
最終更新:2013年01月03日 21:15