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極短編小説2

2011年10月26日(水)22時29分 - すばる

 

読書

 彼女はずっと本を読んでいる。ひと月前と同じ本だ。
「ずっと読んでいるけど、まだ終わらないのか?」
「なにしろ全然内容を理解していないからね。」
「それで読み返しているってことか?」
「いや、いたずらで栞を戻しても気づかないの。」
 そういって彼は笑った。が彼も一年間同じ本を読んでいる。

 
計画通り

「計画通りよ。しばらく主人は帰ってこないわ。」
「そうか。なら、今から。」
「ええ、そうね。」
 そんな会話を聞きながら、彼は計画通り慰謝料請求の準備を始めた。


ゴミ箱

「ゴミ箱がいっぱいだ。ちょっと捨ててきてくれないか?」
「そんな、無理だよ。」
「なんでだよ。それぐらい別にいいだろう?」
「いいじゃないか、まだスペースはあるんだし。」
「なに言ってるんだ。どう見たって限界じゃないか。」
「そんなことないよ。だってこの部屋全部ゴミ箱だろ。」


はやく

 はやく、一秒でも早くそこにたどり着かなければ。
みんなのために、そして、自分自身のために、風を切り、必死に駆け抜ける。
急げ。がんばれ。もっとはやく走れ。
そんな心の声が届いたのか、急な追い風が吹く、僕の背を押し、そのまま一気にゴールへと駆け入る。
そして、僕は思い切り缶を蹴った。

    ●

 ひとつ二百字以内第二弾です。

最終更新:2013年03月25日 01:35