2011年11月14日(月)23時47分 - 御伽アリス
忘れ事
何か大事なことを忘れている気がする。だが思い出せない。友達に相談してみたら、
「何言ってんだ、思い出せないのはな、思い出そうとしていないからだよ。本当に思い出したいことはな、必ず思い出すものなんだよ」
「そういうもんかな」
「俺なんか、何か忘れても思い出そうとすればすぐになんでも思い出せるぜ」
それって最初から忘れてないってことだろう。……ああそうか思い出した! こいつはアホだった。
秋眠不覚暁
「ふぁあ、眠いなあ」
秋の夜長。餅の上では月がウサギをついています。ぺったんぺったん、ぐちゃり。人々を見上げた空は、おぉ、今日は餅が綺麗だなあ、とため息をついて見惚れています。それから皆はススキを食べながら風に揺れる団子を見たりしています。近くの草むらから聞こえる秋刀魚の鳴き声を聞きつつ、鈴虫やキリギリスの塩焼きと一緒にビールを一杯。いも焼き石も実に美味です。秋って良いですねえ。
「おわっ、夢か!」
恋は痛い
そう、偶然は突然に訪れた。あの日、私と彼はぶつかった。その瞬間、目と目が合い、肌と肌が触れ合った。なんてドラマチックな出会い! 完全に一目惚れだった。ああ、でも彼はなかなか会いに来てくれない。いつもすぐそばを通り過ぎていく。届きそうで、届かない二人のキョリ。
でも私は彼を信じて待った。そして願いは叶った。また私は彼とぶつかることができた!
「痛ってえ! またたんすの角に小指ぶつけちゃったよ」
行列
先頭が見えないほど長い列だ。何の行列かと尋ねても並んでいる人は気まずそうに笑うだけだ。列に並ぶ人はますます増えている。列の先にある物を確かめに行っていては、戻って来るのにだいぶ時間がかかる。早く並ばないと列の先にある何かを取り逃すような気がして、とにかく並んだ。皆も自分と同じく、意味も分からずに並んでいるのではないか。
時は過ぎ、ようやく先頭に辿り着いた。そこに待っていたのは、死だった。