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黒電話

2004年12月27日(月) 00時50分-不破頼堂

 僕は老いどれ
あの人はめんどくさそうに
ダイヤルを回す
いらつく指が
受話器を揺らす

今日のあの人は不安げ
僕の体は汗で濡れた
あの人の耳にそっと
大事な声をささやいてあげる
途端に笑顔がこぼれる

僕の前に立つ
あの人はご機嫌
ダイヤル回した指は
巻き戻るダイヤルに合わせて
踊りまわる

突然、声が荒ぐ
鋭い言葉が
僕の体を突き抜けて
激しく揺らした
僕の体は叩きつけられる

あの人はちらちらと
僕が泣き喚くのを待っている
とうとう耐えられなくなって
むしゃぶりつくあの人に
僕はさよならを告げた


 水組賞に出した詩です。「黒電話」をテーマにショートショートを一つということだったんですが、オチがつかなかったので、詩にしてみました。黒電話といったら長いダイヤル時間だろう、という安易な発想です。

最終更新:2014年03月18日 13:43