2005年02月11日(金) 06時35分-水組
<設定概略>
・世界貿易の中心である港町「レツィーナ」が舞台(異世界)
・雰囲気はイタリア風。
・住人の民族系統はバラバラ。とくに対立はなく、平和
・主人公/レイリ
15歳の少女。赤毛に青い瞳、細身で背は高め。明るく活発な商家の娘
・?/ロッツォ
13歳の少年。金髪に茶の瞳、小柄でレイリより背は低い。おとなしい性格。レイリの弟分
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<第1話:伊吹はるな>
そもそもレイリは、機織りなんてダイッキライなのだ。
だから織りかけの布を放り出し、2階の窓から脱出を果たした。あとで母親に叱られるだろうけれど、知ったことではない。外は快晴、こんな気持ちのいい日に家にとじこもっている方がどうかしている。
<第二話:バーネット>
石造りの道の上をレイリは歩く。目的地など特に無い。ただ気の向くままに通りを歩いた。生まれ育ったこの街の中でレイリの知らない場所などなく、迷う心配は全くなかった。
<第三話:不破頼堂>
脇のお店からオリーブが香った。いつしかレイリは海に向かっている自分に気づく。風に押されたのかもしれない。
「船が着いたぞ」野太い男の叫び声が上がる。
レイリは走り出した。
<第四話:木塚百川>
そしてすぐに立ち止まった。エプロンドレスのポッケには、銅貨が数枚と、ちびた指抜き。なにも持たずに出てきてしまったのだった。レイリはちょっと考えて、足を寄宿舎の方へと向けた。
※ ※
<第五話:伊吹はるな>
使えるだけの近道を駆使して、レイリは寄宿舎までやってきた。シスターたちが孤児院もかねて運営しているところだから、建物は相当にボロい。でも、海を見はるかす丘の上にあるこの場所がレイリは好きだった。
<第六話:バーネット>
港にはたくさんの船が見えた。小さな船、大きな船、シンプルな船、豪勢な船。様々な種類の船が常に停泊し、出入りするレツィーナの港は住民の誇りであった。レイリももちろんその1人で、こうして港を見るのも好きだった。
<第七話:不破頼堂>
「何してるの、レイリ?」
振り返ると、ロッツォがレイリを見つめていた。レイリを見上げる目は、レイリの視線に出会うと、宙に泳いだ。
「船が来たわよ」
「そうみたいだね」ロッツォの語尾は強い風にかき消された。
「忍び込むわよ」
「何て言ったの?」
「私たちの旅が始まるのよ」
こうしてレイリとロッツォの旅が始まる。しかし、それはまた別の話。またの機会にお話しするとしよう。(完)