2006年12月20日(水) 15時08分-如仁
蛇行する街路。指が辿る白砂、海を象る。塩化ビニルのパイプから流れ出る、清かな水。
指を介して移殖される経典。放浪者。苔生す隘路に咲く白花。
完了したら眠るだけの無垢。抽象だ暗喩だに満ちた僕の表皮。
胎動する、オートマタ、激しく動いて、残像だけが映像として記憶される。
唐突に現れる二人という事象。ノイズに侵入り込んで色彩について歌う。
侵入する。眩しいその色が視界の端に焼きつく。
脱ぎ捨てられた革靴を突き抜けて、鉄草、きらめかせ、悪い水は、
滾々と湧いて地下世界に。頭に甕を載せた下女が道端で倒れる。
重たい陶製のそれは割れる。霊魂がそれを伝える。青白い魄が避難する。
何処へ? あの靴底に染み付いたガラス片が、粘膜に包まれ。
乾杯を。予定された人々が順番どおりに水を飲み込む。
乾杯を。我々は媒介する、ささやかな悪意を、余すところ無く。
予感は偏在していた。
膨らみきった胞子嚢。なんとわかり易いしるしだろう。
右胸の不純な拍動。そう、心は安らぐこと無く、捩れて、揺れる。
僕は君の名を呼び、そして語りかけるだろう。時折発音されない、隠文字、
擦る様な咽喉音、けして伝わらない事を語るために。それを君は音楽と呼ぶ。
薄明かりの晩餐、街の外で何かが弾けた。それは二人を襲う。
体の隙間を音も無く通過する。無数の棘を持った小さな粒子が、べとべとの紫をまとって、
ずたずたに傷つけられる。しかし、気づかないうちに、舌を出し、絡め合い、
伝え合って、侵食し合って、君に引きずられるように椅子から崩れ落ちる。