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訳詩 方岳「有蟹無酒」

2008年10月31日(金) 21時01分-穂永秋琴

 左手に蟹を持っても、右手に酒杯はない
 それでもあえて横歩き野郎を煮るのは罪作りというもの
 老いぼれの大トラがおまえをネタに詩を作ってやろう
 多病のこの身、抱いて寝る女もいやしない
 釣りから帰って、春うららに興のわくまま
 酒も飲まずに月とともにふらふら歩く
 陶淵明だっておれより貧乏ってことはない
 やつには少なくともコーリャンを蒔く公田があった



 左手持蟹欠酒杯,
 枉烹郭索亦冤哉。
 老饕借爾為詩地,
 多病憑誰作睡媒。
 帰釣興随春浩蕩,
 独醒人與月徘徊。
 淵明未必窮於我,
 薄有公田弁秫材。

方岳(1199~1262)は宋代の詩人。
あっけらかんとしてていいよね。
二句目の「郭索」の訳語を「蟹」から「横歩き野郎」に変えてみた。まあ蟹のことなんだが、一句目で「蟹」といったのに、二句目で表現を変えているからには、訳語も変えたほうがいいかなーと。
最終更新:2014年02月17日 13:12