2012年04月22日 (日) 23時59分-17+1
「幽霊が複数いる場合の数え方を教えてください」
挙手とともに、そのような質問がなされた。
国語の時間であった。
「兎の幽霊の数え方を教えてください」
「烏賊の幽霊の数え方を教えてください」
「箪笥の幽霊の数え方を教えてください」
立て続けに三つ。
それぞれ違う方向から。
「類人猿の幽霊の数え方を教えてください」
「人魚姫の幽霊の数え方を教えてください」
「ゾンビの幽霊の数え方を教えてください」
僕たちほんとに困ってるんです。
声をそろえて三人は言った。
『鶴の幽霊と亀の幽霊がいっしょにいます.』
句点が打たれて、それでもチョークの音は途切れない。
算数の時間であった。
『頭の数:3』
『足の数:0』
『問)鶴と亀,それぞれの数を求めなさい.』
チョークにはアルコールがしみこませてある。
削れる音がして、やや遅れて字が現れる。
『鶴の足の数:0』
『亀の足の数:0』
『解)まず,幽霊がすべて鶴であるとする.』
先生、それでは亀が浮かばれません。
たまらず誰かが大声で叫んだ。
(左からタッチされたらわたしは右に行く)
真夜中の教室を抜け出して、みんなで授業をさぼったのであった。
理科の時間であった。
(左からタッチされたらわたしは右に行く)
(左からタッチされたらわたしは右に行く)
(左からタッチされたらわたしは右に行く)
めいめいが体育館の四隅に立ち、左手から誰かが来るのを待つ。
しばらく経って、まだかな、と誰かが思った。
(まだかな)
(まだかな)
(まだかな)
この中にひとり、生きている人間がいる。
だけどスタートが誰か決めなかったから、いつまでもみんな待っていた。
次こそリレー小説を書きます。
最終更新:2014年02月17日 15:26