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SS タイトル・コール

2012年05月08日 (火) 23時50分-鈴生 れい

 物語を書き終えた二十九時。原稿締め切りまで実質後二時間。予定調和的に締め切り前日に本文書き出し、いつものごとく徹夜だけど、頭はすっかり冴えている。冴えてはいるが一歩踏み外せば睡魔蔓延る谷底へ真っ逆さまといった具合。
 そんな中、一応の推敲を終え一通り物語を書き終えて今の時間は・・・・・・っといけない、思考がメビウスリングに。
 ・・・・・そう、書き終えて、残る作業は二つとなった。一つは言わずもがな原稿の提出。もう一つは―――物語のタイトルの決定だ。
 
 タイトルに対する持論といえば、キャッチーであることだ。「男子校物語」とするよりは、「イケメンスクールストーリー」みたいな感じのほうがいい(に違いない、きっと)
 まあいくらキャッチーといえども詐欺の様を呈しては仕方無いので、当然本文の内容を踏まえたものになる。
 
 そこで、今回書いた原稿の内容を改めて整理してみよう。
 話としてはいたく王道なもので、簡潔に言ってしまえば囚われの姫様をイケメン勇者が魔王の手から救い出しハッピーエンドの童話。古今東西大抵どこにでもあるファンタジーだが、地味に設定に懲りすぎて設定のほうが本文より文字数多い始末だ。おまけに大半使わなかったし。特にファンタジーには不可欠ともいえる魔法に関しては論文一つ書けますよ教授状態で、せっかくなら今後も生かしたい。
 本題に戻るが、「イケメンスクールストーリー」って略称ISSなのかな。だとすると「International Space Station」すなわち国際宇宙ステーションとかぶるな・・・・・・はっ。
 タイトル・・・・・・、パッと思いつくのは「王道童話」とか(『どう』が二回あっていい感じ)、「姫様を救い出せ~勇者冒険譚」とか。あ、せっかく設定次にも生かすなら「勇者冒険譚」シリーズとかにして、今回を「勇者冒険譚一」にするのもありか。う~ん、でもそうすると次回への伏線を張っておくのがベストだし、次回策についても多少の構想はほしいところ。
 ―――時計を見ると二十九時半。いけないちょっと思考をハイペースに。
 伏線、今ならまだ本文の中に張れないことはないし、村人の会話文の中にドラゴン出現なんてのを入れとくのも良いかもしれない。
 するとどこがいいだろうか。
 あ、誤字見っけ。「魔王」が「菜王」になってやがる。葉っぱの王様か。きっと子供たちを苦しめているに相違ない。
 それはともかく、村人との会話のシーンは・・・・・・どこだったかな?
 えっと、物語の順序は勇者旅立ち→雑魚戦→(中略)→魔王戦→大団円だから。
 くそ、ダメだ、思い出せない。仕方が無いから読み直そう。


 ―――これ、こっちの表現のほうが良いな。
 ―――ここら辺、語尾に「~た。」使いすぎ。
 ―――ここ設定と違うな・・・・・・。


 あ、いけない気がつけばもう三十時半・・・・・もとい六時半じゃないか。いつの間にか本文読むんじゃなくて推敲になってたし。そういえば村人の会話のシーンなんて無かったし、そろそろ原稿の提出準備に取り掛かりたいし、仮眠も少しは取りたいし、そのためにも加速度的に思考速度をアップさせタイトルを決めなくては。
 そうだ、キャッチーさを強くするにはキャッチーなタイトルを真似ればいいのだ。
 「我輩は勇者である」、「救出はランチの後で」、「イケメンスクール・・・・・・最後のは違う。
 でももしISSをマジで考えるとしたらどんな感じだろうか。やはり女性向けになるのか。主人公は喧嘩に強くて―――ってノー! アイ・ウォントゥ・シンク・マイ・ストーリーズ・タイトル(私は私の物語のタイトルを考えることをしたい)! さっきから地味にISSが鬱陶しい! んなこと考えるんじゃなかった! 国際宇宙ステーション万歳!
 閑話休題、いずれにせよ模倣はよろしくないな。特に今考えたのは元ネタが丸分かりだし。
 ・・・・・・なんか、こう、いっそタイトル考えてから物語り作るとか、いいかもしれない。こんなに悩まなくても済むのに。というかさっき読んでてあんまり面白くなかった。王道過ぎて反吐が出る。書き直したくなってきた。
 だがそんな時間があるわけなし、早いところタイトルをコールして寝るんだ! 私には夢がある!
 
 
 

 やってしまった・・・・・・。目を覚ませば十四時。あれから八時間も眠りこけてしまった。
 しかも薄情なことに携帯電話には一切の着信もメールもなかった。最初から自分は締切に間に合わないと思われていたとでもいうのか・・・・・・。
 絶望感に打ちひしがれながら、スリープモードに入っていたパソコンの電源をつけようとしたとき、携帯に一通のメールが届いた。
 『よお、明日締め切りだけどもう書けた?』
 慌て様光の速度に達さんばかりにスケジュール帳を高速で確認すると、締め切りは確かに明日であった。
 一息といわず、十回分ぐらいの安堵の息を吐いた。よかった、自分は締め切りをぶっちぎっていなかった。これで雷を落とされずに済む、そう思ってパソコンのスリープを解除するとそこには―――
 
 ―――まっしろけっけになった画面が表示されたのだった。
 
 どうやら、今夜も徹夜は確定事項のようだ。さきにタイトル、決めておこう。
リハビリがてら書いてみました。
シュールを目指すもうまくいかず中途半端なノリのギャグに。
そして漂う内輪ネタ臭。原稿書いた経験のない人に通じるのでしょうか?
最終更新:2014年02月17日 15:30