2012年12月02日(日) 23:56-御伽アリス
どうしてなの、クリシェ?
時間が止まってしまえばいいのに、なんて君は言ったくせに、どうして待ち合わせはいつもあの大きな川の近くの時計台だったの?
宵の闇の中の街の光を二人で見ながら歩いて、橋の上で君はどうして綺麗だねって言ったの?
嘘つきな私があげたケーキ、ホントはお店で買ったこと知ってた君は、どうして手作りはやっぱりおいしいね、と笑ってくれたの?
突然の夕立が君の左肩を濡らした後の虹を見て、また傘忘れてもいいよとかふざけながら、どうして君はまだ私と傘の下に隠れていたの?
上手くいかないことがあると顔に出るタイプの私に、君はいつもすっごく甘いキャラメルをくれて、どうしてそばにいるよと言って私を泣かせたの?
雲ひとつなく透き通った空に両翼を羽ばたかせ飛んでいく白い鳥を見送って、どうして君はずっと一緒にいようだなんて真面目な顔をしたの?
ねえどうして、クリシェ?
草の上に寝転んで明け方の眠たい春が胸に満ちた頃、
林檎の実を落とす夏の夜の微かな風が止んだ頃、
沈んでゆく秋の赤い恒星がひとつ食べられた時、
絵の具で描いたような冬の早朝の空に白い息が溶け込んだ時、
君はどうして私に好きだと伝えたの?
どうしてなの、クリシェ?
なのにどうして君は?
クリシェ……
***
本当はもう少し長くしようと思っていましたが、時間がないのであきらめます……。
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