「知識」を意味し、宗教的知識を内容とする一般の
経典を指す。
それは聖仙(リシ)が霊感によって神から啓示されたものと信じられ、「天啓聖典(シュルティ)」の名が与えられている。
別に「伝承聖典(スムリティ)」すなわち、太古からの伝承を、記憶にとどまるままに古賢が書き記したと信じられる聖典があるが、ヴェーダはこれよりもはるかに高い権威をもつものである。
インドの思想の歴史は、少なくともヴェーダ時代、すなわちいまから約3500年前に
さかなぼることができる。
ヴェーダ文献は、アーリア人の書いたもののなかで最も古いばかりでなく、
おそらく人間の有するまとまった文献としては、世界最古のものであろう。
ヴェーダから
ウパニシャッドの哲学が生まれ、生田の自由思想がこれに続いた。
そして仏教や
ジャイナ教が興起し、様々の哲学が体系づけられ、
最後に凝固してヒンドゥ教となり、それがこの半大陸の数億もの人々の
心を支え、その生活を規制してきた。
そこには、あらゆる型の思考があり、あらゆる警告の哲学と宗教とが見出される。
最終更新:2007年07月26日 01:55