(第十巻九〇)
北欧神話などにも見られる巨人解体による天地創造の神話
汎神論的な傾向を示すものとして注目される。
原人は千頭・千眼・千足をもち、天地をあまねくおおい、過去・未来のいっさいである。
神々が彼を供犠として祭祀を行ったとき、その祭祀から讃歌も祭詞も、馬も牛も生まれ、
神々も彼から生まれ、彼の
- 臍(へそ)からは空界
- 頭からは天界
- 足からは他界
- 耳からは方角
が生まれた、とされる。
更に、
- 口からは婆羅門(ブラーフマナ)
- 両腕からは王族(ラージャニヤ)
- 両腿からは庶民(バイシユヤ)
- 両足からは隷民(シュードラ)
が生まれた、とされる。
後代のインド社会において、婆羅門(祭司)・王族(タシヤトリヤ)・庶民・隷民の四階級、
すなわち四
ヴァルナの別が確立したことはよく知られている。
この讃歌は、この四
ヴァルナの名称をあげた最も古い文献
最終更新:2007年07月10日 02:14