呪法の論理

観念連合にもとづいて二つの事象を等置させ、
その一方を支配することによって、それと等値された他方をも支配しうる
という考え方である。

恋敵を呪い、病魔を払い、成功・繁栄を得るなどを目的とする呪文は、
この思考法にもとづいて用いられる。

  • イギリスの人類学者フレーザーが、宗教・呪術の起源を豊富な民族的資料によって考察した『金枝篇』のなかで、古代インドの儀典として引いている例
    • 黄疸の患者のベッドの足に黄色い小鳥を結び付け、黄色い粥を患者の体から水で洗い流すという治療が行われた。黄疸は黄色い粥に等置され、それを小鳥に移転させることによって患者は回復するとされたのである。

  • わが国の例  「丑の時参り」の呪法
    • 藁人形→怨敵と等置され、前者を支配すれば後者をも支配しうると信じられた。

呪法の根底にはこのように相異なるニ事象の同一化があるが、呪法を用いる者は
この同一化を可能にするような、事象の背後にある理法を知る必要がある。

実際上、同一化は、類似による観念の連合や、単なる語呂合わせによって行われる
にしても、それらは同一化を成立させる理法の「知識」のさまざまな現れ方であるといえる。

呪術師はこの種の知識をそなえた人なのである。







最終更新:2007年07月10日 02:11
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。