アートマン

「個体に関するもの」

an「呼吸する」、at「行く」、av「吹く」などが語根として想定される語であり、
ドイツ語のAtem「呼吸」などと関係がある。

ブラフマン」が大宇宙的概念であるのに対して、「アートマン」は小宇宙的概念である。

人間が死ぬと、彼の諸機能はそれぞれ対応する自然界の要素のなかに解消するという思想が、
リグ・ヴェーダ』にはあった。

しかし他方では、死後に天上界にいく、何ものか、影のようなものがあるとも考えられている。
つまり、自然のなかに還元しきれない何ものかが、個体には宿っているのである。
そのものこそ個体の生命そのものというべきものであろう。

古くは「呼吸(ブラーナ)」がそのような生命原理と考えられたが、それも自然界の風と対応する
体内の風として物理的性格をぬぐいきれない。

こうして「アートマン」が次第に重要視されるようになる。

ブラーナ」などとともに、気息、生気を意味する語として用いられ、
さらに身体、胴体、他に対する「自己」をあらわすようになった。
さらにこの語は「自己自身」という再帰代名詞として用いられる。
「アートマン」こそ、生命そのもの、胴体の本質をいいあらわすのに最も適切な語である。

ブラーフマナ文献において、他の諸機能に対する「アートマン」の優位は決定的になった。
-「人間には十種の機能(ブラーナ)があり、アートマンは第十一番目のものである。
これに諸機能は依存している」


を参照















最終更新:2007年07月12日 02:11
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