六師外道

(ろくし げどう)
古代インドの仏教成立以前、仏陀(釈尊)とほぼ同時期の紀元前5-6世紀頃、
ガンジス河中流地域のマガダ地方を中心に活躍した6人の自由思想家を総称した呼び名

釈迦と同時代のインドには、ヴェーダ学派を否定する自由な思想家が多数輩出し、
ヴェーダの権威を否定する諸学説を提唱して盛んに議論していた。
仏教経典には、六十二の異端の思想が分類されていたり、三百六十三の論争家があったと
伝えられたりしているほど、自由思想家群が活発だったのである。

原始仏典では、その諸学説を六十二見にまとめ、その中で主要なものを六師外道と総称した。

外道(げどう, tirthika, tirthaka)は、インドの仏教以外の他宗派の教説、
つまり仏教から見ての異端者の意味である。

彼らの典籍はほとんど残っていない。ただ彼らを対象として批判攻撃を述べる
仏教やジャイナ教の典籍があり、それが彼らの思想を知る主たる材料となっている。
そのなかでも『出家の功得』(『沙門果経』)は、最もまとまった資料であって、
そこには、当時の六人の思想家の考えが摘記されている。

かれらは、その時代に先立つバラモン教の祭祀・供犠の宗教を批判し、
ヴェーダ聖典の権威を否認し、否正統的で自由奔放な考え方をしたので、
自由思想家群と呼ばれる。

なお、六師の配列やその思想内容は資料によって錯綜するが、
その第一資料『沙門果経』(長部1-2)は、仏陀時代の思想家たちを知る上で重要である。


概要

後に、各六師にそれぞれ16人の弟子がいるとし、これらを総称して九十六種外道とも言うようになった。










最終更新:2007年07月28日 10:17
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