仏陀時代よりやや遅れて登場した。
『カタ』は万物の内部にある
アートマンについて説くが、
その第一章において、父の不機嫌をかって、死神ヤマのもとに送られた
ナチケータスが、死についてヤマに教えを乞う対話は劇的である。
ヤマはしきりに死の問題を避けて、ナチケータスの眼をこの世の歓楽や繁栄、
長寿や財宝に向けさせようとするが、
ナチケータスはひたすら死の問題を追及してやまない。
そこには感覚的な享楽の儚さに対する深刻な自覚があり、
彼岸の永生に対する強い憧憬がある。
それは初期ウパニシャッドには見られなかった特長である。
最終更新:2007年08月04日 00:56