フリーガーファウスト

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フリーガーファウスト(Flieger faust)は、第二次世界大戦後期にナチス・ドイツで開発された携帯用対空ロケット砲である。フリーガーファウストとはドイツ語で「空飛ぶ拳骨」という意味。また本稿は英語読み又は戦後ドイツ語読みで、古いドイツ語では「フリーゲルファウスト(Fliegerfaust)」と読む。

概要


第二次世界大戦中の1944年の後半に入るとノルマンディー上陸作戦にてドイツ軍は敗北し、その後の西部戦線での制空権は連合軍の手に移っていた。この事によりドイツ陸軍の多くは、前線に到着する前に、イギリス空軍・アメリカ陸軍航空軍のサンダーボルトやマスタングといった戦闘爆撃機(ヤーボ)により陸上兵器の多くを喪失する事が多かった。この事から前線のドイツ将兵の間では、ルフトヴァッフェ(ドイツ空軍)はもはや当てに出来ないと判断、陸軍自ら航空機を撃墜できる、対戦車兵器であるパンツァーファウストのコンセプトを引き継いだ携帯型防空兵器の開発要請を陸軍兵器局に要請し開発に至ったものである。

開発段階でのフリーガーファウスト


  • ルフトファウストA型
陸軍兵器局からの要請を受けたライプツィヒにあったヒューゴ・シュナイダーAG(HASAG)は、1944年7月に携帯用防空兵器の研究を開始し、初期型が完成した。内径2cmの砲身4本を縦に並べた形状で、最初の発射実験ではMG151/20用のミーネンゲショス(薄殻弾頭榴弾)の装薬を抜いた物が使われた。これはパンツァーファウスト同様に無反動砲式に発射されるもので、まだロケット弾ではなかった。次いで2 cm Flak 38対空機関砲用の曳光榴弾の弾頭が使えるようになり、この19gの炸薬を内蔵した90gの弾頭にロケット推進体が追加された。これは初速と射程を増加させるもので一度に4発が発射され、最高速度は380m/sに達した。この初期型は「ルフトファウストA型」と命名されたが、テスト段階で目標に対し十分に弾幕が広がらないことから正式採用に至らなかった。

A型はその後改良され発射管の口径を3cmに拡張し、さらに発射管を6門に変更。弾薬に330gの3cmロケット弾を使用した物を完成させたが、射程が短く命中率も悪かったため正式採用に至らなかった。

  • ルフトファウストB型(1945年2月4日にフリーガーファウストと改名)
外見の特徴としては、9門のロケット弾発射用筒が一つに束ねられ、位置も筒内部に中央の1門を中心に回りを囲むように残り8門が並んで配置されている。発射は2斉射式を採用し、射撃するとまず最初4門のロケット弾が発射され、0.2秒遅れて残りの5門が発射される仕組みであった。その他にも発射筒前後にはグリップ及び肩当てが装着、筒の上部には簡単な横長照準装置が装着されていた。完成したフリーガーファウストは、通常は専用の携行箱に収められ、即座に使用出来るように5発のロケット弾があらかじめ装填されている。

発射方法はまず発射筒を肩に担ぎ、前方照準器で低空で進入してくる航空機に狙いをつけ発射する。有効射程は500メートル、最大射程は2000メートルで目標に対し弾幕が広がって着弾するため命中率は非常に高かったようである。

その後


初期のフリーガーファウストは、開発元であったヒューゴ・シュナイダーAGで生産されたが、大量生産を目的に工作精度は低く作られており、製作材料に関してもプレス鋼板を用い特殊な資材は一切必要無かったため、その後は近郊の町工場でも量産が開始されている。

しかし開発生産が第二次世界大戦後期であった為か、ドイツ軍の輸送手段は軒並み連合軍により破壊されており、ドイツ各地で大量生産されていたにも関わらずフリーガーファウストは肝心の前線には殆ど到着出来なかった。

総生産数は約10000門程度とされる。
最終更新:2013年05月23日 22:36