サタン

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サタン(ヘブライ語: שטן‎、アラビア語: شيطان‎、英語: Satan)は、ユダヤ教、キリスト教とイスラム教における悪魔。ヘブライ語ではサタン(שטן)というが、アラビア語ではシャイターン(شيطان)という。

ユダヤ教、キリスト教では神の敵対者、イスラム教では人間の敵対者とされる。

キリスト教の神学においてサタンは、かつては神に仕える御使いでありながら堕落して悪魔となり、地獄の長となった存在である。ただし、自由主義神学(リベラル)ではサタンの人格性を否定することがある。

しかし、一方でサタンが殺した人の数は神よりもずっと少ないとする説もある。

ヘブライ語


その名前はヘブライ語satanまたはアラム語satanaでは「敵」「反対する事」「神を訴える者」を意味する。罪を犯して堕落する前のサタンは御使いであったが、神に反逆して「敵対者」としての悪魔に変化したとみなされている。

ヘブライ語聖書・旧約聖書


ヘブライ語聖書・旧約聖書の『創世記』3:1-15、『第一歴代誌』21:1、『ヨブ記』1:6-12、2:1-7、『ゼカリヤ書』3:1-2に悪魔であるサタンが登場する。カイルとデリッチは『レビ記』16:8のアザゼルもサタンであると考えているが、メェラーはアザゼルがサタンであるという説には反対している。『ヨブ記』のサタンは特別な悪ではないとする主張があるが、それに対して福音派ではサタンの活動がヨブに対して敵対するものであり、ヨブは、神の栄光に対する悪魔の挑戦に対して犠牲になったのであり(ヨブ1:9)、ヨブを信頼する神は、サタンに対してヨブを見るように命じたとされる。

新約聖書


新約聖書にサタンは多く出てきており、マタイ4:1-11、ルカ10:18、19、ヨハネ13:2、27、第一ペテロ5:8、黙示録12章、13:1-4、20:1-3、7-10などがある。ヨハネの黙示録12:9、20:2ではイヴを誘惑した蛇を「年を経た蛇」と呼んでいて、サタンと同一視している。

キリスト教で


キリスト教の伝統によると サタンは、元々「ルシフェル」という名の、神に仕える御使いであった。彼は多くの天使を率いる十二枚の翼を持った美しい大天使長であったともいわれる。 しかしある時神に敵意を示し、自分に賛同する天使達を集めて、大天使ミカエルの率いる神の軍団との戦いを開始する。戦いは長く続くが最終的に敗北し、ルシファーと天使の三分の一は天から投げ落とされてしまう。

サタンの子

ジャン・カルヴァンは『キリスト教綱要』第一篇14章18でイエス・キリストが「われ天より閃く雷光のごとくサタンの落ちしを見たり」(ルカ10:18)と使徒たちに教示されたことにより、キリストの王国がおこりたつ場合に、サタンとその力がたおれることを確証したのであり、イエス・キリストは死んでサタンを征服したため、サタンはクリスチャンの魂を支配することはできないが、サタンはキリストによって追い出されるまではこの世を占有しており、クリスチャンが神の子として認められるのに対し、不敬虔な者、ノンクリスチャンは堕落して帯びるにいたったサタンの像によって悪魔の子、サタンの子とみなされると述べている。

宣教者の働きは「彼らの目を開いて、暗闇から光に、サタンの支配から神に立ち返らせ」(使徒行伝26:18、新改訳聖書)ることであると定義される。福音派の指導者マーティン・ロイドジョンズは、人間の堕落によって世界はサタンの王国になったので、クリスチャン以外の全世界はサタンに支配され、サタンの腕に抱かれており、人間はサタンの奴隷であり、クリスチャンになるとはサタンの支配から神の支配に移されることを示していると講解している。

改革派教会のウェストミンスター信仰基準は全人類の始祖がサタンの悪巧みと誘惑にそそのかされて罪を犯し、堕落したために、人間は生まれながらにして怒りの子、サタンの奴隷であると告白する。

サタンの戦い

敬虔主義においては、この世はサタンと神、サタンと神の民の戦場と見られ、神と人間とに敵対するサタン、悪魔の存在が鋭く意識されている。ヨハン・ゼバスティアン・バッハのカンタータ『われらが神は堅き砦』はサタンとの戦いを歌っている。

ローザンヌ委員会とアフリカ福音同盟の「霊の戦いに関する協議会」が発表した「霊の戦いに関する聖書的・包括的理解のためのナイロビ声明」で、サタンが人格を有する存在であることと、キリストの勝利が確認されている。

サタンと悪霊

サタンと悪霊は堕落した御使いという共通点があるが、サタンと悪霊は区別されている。この場合サタンは堕落した御使いの階級的頂点にある存在であり、悪霊はその手下を指している。

イスラム教で


天使を人間より下位の存在として位置づけるイスラム教においては、サタンが神に背いた理由は、神が天使より人間を上の位置に置いたことに嫉妬したためとされる。

オカルト・フィクションで


上記の通り多様な面を持つサタンであるが、サタンという悪魔に関しては扱いがあいまいなことが多い。

サタンとは「悪魔・悪霊の統率者」としてのイメージが一般的であるが、その中で一体どのような存在であるか定まっていない。「悪魔の王・サタン」という存在でも、「サタンという名の悪魔がいる」「特定の著名な悪魔(主にルシファーなど)の異名」「サタンという悪魔・悪霊の階級がある」など、多様なとらえ方が存在する。七つの大罪や地獄の階級付けなど一般的な信仰とは相いれないような、神学的側面でも取り上げられることもあり、その名は多様な場所で見受けられる。

サタンと同一視される悪魔としてはルシファー(ルシフェル)を筆頭として、サマエル、サタナエル、ベルゼブブなどが存在するが、書籍によってこれらがサタンという存在と明確に分けられていたり、同一視されている。

また、ヨハネの黙示録では赤い竜と同一視されているため、サタン=竜という図式が一部で存在する。これは西洋におけるドラゴンを悪魔と同列に扱う姿勢にも影響を与えている。

また、ルシファーやベルゼブブといった悪魔ほどではないが、フィクションでも用いられることが多い。いわゆる「悪霊・悪魔・魔物などの王」=魔王としての登場が多いが、その際も上記にある無数の説が入り乱れて利用されるなど、「これ」と言い切れるようなモデルは存在しない。
最終更新:2013年06月19日 08:51