真4(Chaos)


破壊神

シヴァ
世界の破壊と創造を司る偉大な神。
ヒンドゥー教でヴィシュヌ神と共に最も
崇拝を集める神である。

破壊によって世界を浄化した後、またこれを
再建するといわれる。
悪魔に対しては恐ろしい破壊の力を振るうが、
一方で信奉者には恩恵を授けるという。
シヴァの容貌は様々に描かれるが、4本の手、
1つの面、3つの目という姿が最も一般的と
されている。
光の三叉槍ピナーカを武器とし、額にある
第3の目は、全ての被造物を焼き尽くす
恐ろしい光を放つという。

スサノオ

公の影
御伽草子に登場する平将門の影武者。

7人の影武者がいるか、もしくは本物を
含めて7人であるとされ、その7という数は
妙見信仰によるものだとされている。
影武者は平将門の呪術によって藁人形から
造り出されたと御伽草子ではいわれているが、
主の身代わりに討ち死にした家臣7名である
という伝承もあり、地方各地でその墓標が
残されているという。

カルティケーヤ
インド神話の戦争の神。シヴァ神の息子と
され、仏教では韋駄天として知られる。

長い槍を持ち、パラヴァニという孔雀に
乗っている。また6つの首と12本の手を
持った姿で表されることも多い。
神々の軍勢を率いる将軍として、敵対する
アスラ勢を打ち負かしたとされる。

マサカド
平安中期に朝廷に反乱した武将・平将門。

関東の支配に成功し新皇(しんのう)を名乗るが、
後に藤原秀郷と、平貞盛によって討たれる。
死後、祟りなす御霊(ごりょう)として祀られ始め、更に
英雄的性格を帯びて関東の守護神として信奉
され、今に至るという。
御伽草子の記述によれば、その風貌は、
身の丈が七尺(210cm)以上、五体は
ことごとく金属製で、左の眼に瞳が2つある
とされる。また全身が(くろがね)の不死身の巨人で、
こめかみだけが生身で弱点だともされる。

ホクトセイクン
北斗七星の神格化した存在で、
死後の人間を司るとされる星座神。

人間の生死、貧富、貴賤を司り、特に人間の
行動により死後の扱いを定める神とされた。
悪行の多い人間はホクトセイクンによって
地獄に落とされるため、大変に畏れられ、
崇め奉られた。

セイテンタイセイ

チェルノボグ
スラブ神話に伝わる、夜と悪と死を司る神。
名は「黒い神」の意。

他の多くの死神と同様、地下に住んでいると
され、光と善を司る「白い神」ベロボーグと
対にされる。
人に不幸をもたらすというその能力ゆえ、
「黒い神がおまえを殺すように」という、
その名をもって人を呪う言葉が今も残って
いるという。

アスラ
インド神話の凶暴な魔族。強大な武力と
魔力を持ち、神々を何度も苦しめたとされる。

厳格さを重んじる性格で、自らの正義に
反する者を容赦なく攻撃するとされる。
元はペルシアで崇拝された光の神々であり、
ゾロアスター教の主神アフラマズダもその
一柱に挙げられる。

トナティウ

アレス
トラキア起源であるギリシャ神話の軍神。

粗暴かつ残虐な性格のため、他の神々から
疎まれる面もあったとされる。
知性的な軍神であるアテナとしばしば対立し、
痛手を負ったという。

地母神

セイオウボ
西王母。西方の聖地コンロンの主人とされる
古代中国の女神。漢代にさかんに信仰された。

人間の姿をしているが、髪はざんばらで
かんざしを乗せ、ヒョウの尾と虎の歯を持つ
といわれる。
元来は天の災いと5つの刑罰を司る女神で
あったが、後に美しい女性の姿をした
コンロンの主人として、女性の仙人を統括
する女神とされた。
不死の仙薬を持つとされ、これは孫悟空が
彼女の目を盗んで食べたという仙桃の話で
知られている。

スカディ
ケルト神話における、暗黒の女神。

その名は「影」を意味するが、これは最後の
審判の日に神々が落ち行く所の「影」を意味
するといわれる。
女神スカアハと同一視される場合もある。

ブラックマリア
フランスを中心として崇拝される、
キリスト教教会の黒い聖母。

キリスト教の教会で礼拝を受ける聖母像は、
一般的にキリストの母である聖女マリアと
されているが、幾つかの黒い聖母像には
異なる解釈もあるという。
それら黒い聖母像は、むしろ中東の古い
地母神に由来し、エジプトの女神イシスや
ギリシアの女神アルテミス、プリュギアの
太母神キュベレなどではないかといわれる。

イシス
エジプトの母と呼ばれる女神。
冥界の神オシリスの妹および妻ともされる。

砂嵐の神セトにより夫がバラバラにされた後、
その遺骸を結び合わせ、失われた男根を造り
出して復活させると、彼と交わり、ホルスを
産んだという。
死者の守護女神として、数々の墳墓の図像に
その姿を見ることができる。
またイシスが哺乳する図像は、幼児イエスを
抱いたマリアの原型になったといわれている。

アシェラト
西セム系神話の女神。古バビロニアでは
大地に豊かな実りをもたらす存在とされた。

牧畜の神であるアムル神を夫とし、
「神々の母」と呼ばれた。
フェニキア神話では、女神アスタルテと
なったとされる。

ダイアナ
古代ローマの地母神。狩猟の女神でもあり、
ギリシア神話の女神アルテミスと同一視
される。

山野の野生動物の女主人で、誕生や多産を
司ると共に、人間や獣の子の守護者でもある。
また男嫌いで結婚を拒み、美しくありながら
純潔を守る誓いを立て、ニンフたちを従えて
いると伝えられる。
後にキリスト教の影響で「魔女の女王」と
されたという。

ハリティー
鬼子母神として知られる女神。
子供の生育を守る神として信仰される。

元は人間の子供を喰らう邪悪な鬼であったが、
釈迦が彼女の500人の子供のうち、最も
可愛がっていた末の子を隠すと、彼女は嘆き
悲しんだ。
釈迦が彼女に、親が子供を失う悲しみを
説いて戒めると、彼女は善神となり、子供の
代わりにザクロの実を食べるようになったと
いう。

セドナ
イヌイットの神話に伝えられる海の女神。
自分の子供であるアザラシや魚など、海の
生物を監視するという。

恐ろしい一つ目の姿をした女神で、石と鯨の
骨でできた家に住むとされる。
またその姿を見ることができるのは呪術師
だけだとされる。

ズェラロンズ
北アメリカ太平洋岸に住むハイダ族に伝え
られる蛙の王女。「火山の女」とも呼ばれる。

一族の神話によると、彼女は6つの丸木舟に
人を一杯に乗せ、海から現れたといわれる。
また彼女の夫は、熊の神カイチだとされる。

ペレ
ハワイの火山の女神。溶岩が神格化された
もので、怒りに駆られると人々を石に変える
という。

ペレの起源について、ハワイの名家の出身
だとする説では、彼女はキラウェア噴火口を
掘り起こした本人であり、普段はそこに
住んで火の神々を取り仕切るとされる。
また噴火が近づくと島民に危機が迫っている
ことを警告するといわれる。

龍神

コウリュウ
黄龍。中国神話に伝わる尊貴なる龍神。

その名の通り黄色い体をしていて、地上に
喜ばしいことが起こると現れる瑞獣。
大地・土の力を司る存在で、青龍・白虎・
玄武・朱雀の四神を従えているという。

コウガサブロウ
甲賀三郎。「神道集(しんとうしゅう)」の「諏訪縁起」に
登場する伝説上の人物。

地底の国に迷い込み、彷徨った末に地上への
帰還を果たすが、その体は蛇と化しており、
後に諏訪大社の諏訪大明神としてまつられた
とされる。
また日本神話のタケミナカタが変化したもの
とも解釈される。タケミナカタとしての彼は、
土着の蛇ミシャグジさまを平定した後、
タケミカヅチとの戦いに敗れ、逃げて異国を
彷徨ううちに蛇神に変化、諏訪の地に至った
ものと考えられる。

ケツアルカトル
アステカ神話における創造神。その名は
「羽毛のある蛇」の意で、翼を持つ大蛇の
姿で描かれる。

太陽と同一視され、金星は彼の心臓であると
される。また呼吸を与える風の神でもある。
自らの血で人間を造り、人間の守護者として
その豊穣と文化を培うとされる。

ショクイン
季節や気候を司る古き龍神。その顔は人に
似ているが、目が縦に並んでいるという。

中国北方にあるとされる霊山に棲み、
果てしなく長い真紅の体を山に巻き付け、
その頭を頂上に置いた状態で、一切の飲食も
せず、眠りもせず、息すらもせずに世界を
見ているとされる。
その目を開くと世界は真昼になり、閉じると
夜になり、また息を吐き雲を起こせば冬に
なり、息を吸えば夏になるという。

イルルヤンカシュ
古代ヒッタイトの神話に登場する龍神。
凶暴な性格で強い力を持ち、海を支配して
いたとされる。

ヒッタイトをふくむ古代オリエント文明では、
荒れた海の脅威や、川の氾濫を龍にたとえる
ことが多く、イルルヤンカシュもそうした
天候神の一種であるとされる。
主神である嵐の神と戦ったとされる伝説が
多く残されており、そこでは主神をも
超える強力な龍神として描かれているという。

セイリュウ
中国の多くの神話や思想に語られる
「四聖獣」の一柱。

方角の東、季節の春、五行思想の木を司る。
四聖獣で最も尊く、海底の宮殿に住むという。
また風水において、東側に流水を置くと
青龍の力を導き、吉相になるとされる。

グクマッツ
古代マヤ文明の叙事詩「ポポル・ブフ」に
登場する海蛇。緑と青の羽毛を持つとされる。

天地創造以前、空と海には天の神フラカンと
海の神グクマッツが存在したとされ、二者は
水の中から山と大地を生み出し、またその
大地に住まわせる森の動物たちを生み出した
とされる。
このことからグクマッツは古代マヤにおける
天地創造の神とされている。

パトリムパス

マカラ
インド神話で、神々を背に乗せて運んだと
される聖獣。河や湖に棲息していたという。

巨大な魚の一種で、ワニを基本とし、カバや
象、龍(ナーガ)の特徴を持つとされる
複合獣である。
「大唐西域記」には、ある商人の船がマカラ
に襲われた話が記されており、山のように
大きな体で、2つの目が太陽のように見えた
と語られている。

鬼神

トール
北欧神話の雷神にして豊穣神。
農民たちを中心に崇拝されたという。

豪快にして実直な性格で、無双の怪力を誇る。
彼の持つ鉄槌ミョルニルは、どこへ投げても
必ず敵を砕いて主の手に戻るとされ、雷撃の
象徴であるとされる。
世界の終わりラグナロクにおいて、世界蛇
ヨルムンガンドと相討ちになり果てるという。

マリシテン
摩利支天。見ることも触れることもできない
陽炎が神格化したとされる仏教の神。

元々はインドでマリーチと呼ばれる神で
あったが、この名には「陽炎」や「威光」と
いった意味があると伝えられている。
日本では武士達によって祀られ、あらゆる
害から身を守り、悟られずに敵を襲うことが
できる御利益があるとされた。
天女の姿で表されることが多く、一般には
3つの顔、6本あるいは8本の腕を持ち、
金剛杵(こんごうしょ)や針、矢といった武器を手にする。

ビシャモンテン
毘沙門天もしくは多聞天。
仏教の護法神で、四天王の一者。

八部衆を同族に持ち、帝釈天の命を受け、
四方位の北を守護する。
甲冑を着た怒りの表情、戟を持った姿で
表される。
聖徳太子が戦勝祈願したことから軍神として
名高く、また後に七福神の中にも取り込まれ、
富を守る尊格としても信仰された。

ジコクテン
持国天。
仏教の護法神で、四天王の一者。

八部衆を同族に持ち、帝釈天の命を受け、
四方位の東を守護する。
甲冑を着た怒りの表情、剣を持った姿で
表される。
「持国」の言葉の通り、国家安泰の功徳が
あるといわれる。

ショウキ
道教で悪霊や邪鬼を退治するとされる神。
日本では五月の節句の武者人形で知られる。

唐の玄宗皇帝が原因不明の病気で就寝中、
一匹の小鬼が忍び込み、皇帝の所持品を盗み
去ろうとしたが、怒った皇帝が警護の者を
呼ぶと、役人姿をした巨大な鬼のショウキが
現れ、小鬼を捕まえ食べてしまった。
すると不思議なことに、同時に皇帝の病気も
治ったと伝えられている。
彼は役人の試験に落ちて自殺した者の霊で、
手厚く葬ってくれた高祖皇帝に報いるべく
悪霊退治をしているのだという。

コウモクテン
広目天。
仏教の護法神で、四天王の一者。

八部衆を同族に持ち、帝釈天の命を受け、
四方位の西を守護する。
甲冑を着た怒りの表情、三つ叉の矛を持った
姿で表される。
鋭い目で世界を監視し、弁舌によって人々を
教化するといわれる。

ゾウチョウテン
増長天。
仏教の護法神で、四天王の一者。

八部衆を同族に持ち、帝釈天の命を受け、
四方位の南を守護する。
甲冑を着た怒りの表情、太刀を持った姿で
表される。
五穀豊穣の神とされ、万物の育成に力を
及ぼすとされる。

堕天使

サマエル
「毒ありし光輝の者」という背反の意味の
名を持つ、謎多き天使。

その姿は翼ある大蛇で、天使でありながら
デーモンの首領とも通称される。
堕天使とする解釈もあるが、それでは説明の
つかない記述が、聖書などに多くあるという。

ボティス
ソロモン王72柱の魔神の一柱。
地獄の総裁を務めるとされる。

現在・過去・未来についての知識を持ち、
問われれば遠慮なく答えるという。
本来は恐ろしい蛇の姿で現れ、人間の姿に
変身することもできるが、それは大きな歯と
2本の角を持つとされる。またその手には
剣を持ち、見る者を威圧するという。

バルバトス
ソロモン王72中の魔神の一柱。
地獄の伯爵もしくは公爵で、堕天する以前は
力天使であったとされる。

狩人の姿で現れ、魔術師が隠した財宝を発見
したり、友人同士のいさかいの調停をしたり
するという。
また鳥のさえずりや、犬の吠える声など、
あらゆる生き物の声を理解できるという。

シャックス
ソロモン王72中の魔神の一柱。
公爵と大公爵を兼任し、魔界にある30の
軍団を支配するという。

大きなコウノトリの姿で現れて、しわがれた
声で話す。基本的には嘘つきだが、召喚者に
対しては忠実であるという。
人間の目や耳や口を使えなくしたり、隠れた
財宝を探し出すことに長けているとされる。
まだ財宝などを略奪して地獄へ持ち去るため、
「略奪候」とも呼ばれている。

ムールムール
ソロモン王72柱の魔神の一柱。
「座天使の公爵」と呼ばれる悪魔。

緑の鎧をまとい、グリフィンに乗り、公爵の
証である冠をかぶった姿で現れるとされる。
哲学とネクロマンシー(死霊を操る術)を
得意とし、どんな死体であっても死霊として
使役することができるという。
まだ地獄の大公として30もの軍団を率いる
とされている。

ゴモリー
ソロモン王72柱の魔神の一柱。
唯一の女性で、吟詠公爵とも呼ばれる。

黄金の冠を乗せた美女で、純白のレースを
羽織り、ラクダに乗った姿で現れる。
過去と未来を見通す力があるとされるほか、
時におぞましい醜女に化け、召喚した者を
試すこともあるという。

ミスラ
ゾロアスター教・ペルシャ神話の太陽神。
善なる光の神・アフラマズダの息子である。

彼は日の出前に現れる太陽の光だとされ、
暗闇を払う力を持つ者とされた。
一方で戦争の神としての恐ろしい側面も持ち、
彼に敵対した者は、脳や骨がすり潰される
ほどの攻撃を受けたという。

デカラビア
ソロモン王72柱の魔神の一柱。

五芒星図の姿をした奇妙な悪魔で、鳥と
宝石について熟知しており、従える使い魔も
鳥の姿であるという。

ネビロス
地獄の元帥にして検察官である悪魔。
常に魔神たちの様子を観察しているという。

とりわけ死霊や死体を操る術に長けており、
魔神の中で最も優れたネクロマンサーの一柱
とされる。

オセ
ソロモン王72柱の魔神の一柱。

その姿は半獣半人であり、召喚した者を
望み通りの姿に変えることができるが、
それは短い間しか続かないという。

ダンタリアン
ソロモン王72柱の魔神の一柱。

異相の公爵で、その顔は常に老若男女様々に
変化しているという。
右手には分厚い本を持っており、それには
ありとあらゆる生き物の過去、現在、未来の
思考が、彼以外には読めない文字で書かれて
いるという。

オリアス
ソロモン王72柱の魔神の一柱。

獅子の頭を持ち、蛇の尾を持つ猛き馬に
またがり、両手に2匹の大蛇を持つ。
医術や占星術の知識を持つとされ、人間を
変身させ、敵を仲間に引き入れる力や、
現世での地位を与えるという。

ハルパス
ソロモン王72柱の魔神の一柱。

「死と破滅の公爵」とも呼ばれ、血のように
赤い目をした、闇のように黒いハトの姿で
現れるとされる。
建築の能力を持ち、軍備や武器に満ちた砦や
城砦を建造するという。

ビフロンス
ソロモン王72柱の魔神の一柱。
墓石の上に火を灯すという。

命じられた時だけ人間の姿を取る死者の
伯爵で、普通は角の生えた醜い怪物の姿で
現れるとされる。
豊富な知識の持ち主で、占星術や魔法の薬草、
宝石、植物等についての知識を授けてくれる
という。他にも、死体や死霊を操る魔術を
会得しているという。

メルコム
地獄の会計官を勤める悪魔。
財布を持った姿で描かれる。

地獄の宮廷にあって、侍従部の支出会計官
という興味深い位官に就いている。
その仕事の具体的な内容は定かではないが、
彼が地獄の公務員たちの給与支払い係で
あることだけは確かなようである。

妖鬼

オンギョウキ
平安時代、伊賀・伊勢を治めた伝説上の豪族
藤原千方(ふじわらのちかた)」が使役した四鬼の一柱。

己の姿や気配を消して奇襲する使役神。
鬼は人と神の仲を取り持つとされており、
この地方では鬼に関する行事も多いと
「風土記」にある。

ヤクシャ

ベルセルク
北欧の猛戦士。戦闘の興奮で我を忘れ、
何者に対してでも恐怖を覚えることなく
向かっていくという。

動物の毛皮をまとって戦うが、その多くが
熊の毛皮だったことは、彼らの名前自体
「熊の毛皮を着る者」の意であることから
明らかである。

スイキ
平安時代、伊賀・伊勢を治めた伝説上の豪族
「藤原千方」が使役した四鬼の一柱。

いかなる場所でも洪水を起こし、敵を溺れ
させる力を持った強大な使役神。
「太平記」にて紀友雄(きのともお)の詠んだとある歌を
聞いて四散したと伝えられる。

フウキ
平安時代、伊賀・伊勢を治めた伝説上の豪族
「藤原千方」が使役した四鬼の一柱。

大風を起こして敵を吹き飛ばす力を持った
強大な使役神。
並外れた行を重ねた豪勇の持ち主を指し、
また忍者の始まりともいわれている。

キンキ
平安時代、伊賀・伊勢を治めた伝説上の豪族
「藤原千方」が使役した四鬼の一柱。

どんな武器も弾き返す堅牢な体を持ち、
千方を勝利に導いたとされる。
紀友雄の和歌により奈落の底に落ちたとされ、
今でも彼らの落ちた四つの穴が残っている。

ヨモツイクサ
日本神話で、黄泉の国の神々に仕える兵。
黄泉軍(よもついくさ)」と表記される。

イザナギが亡き妻イザナミを黄泉の国から
連れ戻そうとするも、その醜い姿を見て
逃げ出した際、怒ったイザナミが放った
追っ手のひとつが、ヨモツイクサである。
邪霊や邪鬼が擬人化されたものだといわれる。

ヤマワロ
秋になり山へ入った河童たちの姿で、
山の奥深くに棲み、猿のように体中が毛で
覆われているという。

山仕事に行った時にヤマワロと出会ったら、
握り飯などをあげると、山仕事を手伝って
くれるが、もし悪い心を起こしたりすると、
すぐに察知して逃げてしまうという。
春になると水の中に戻り、再び河童となる。

モムノフ
古代日本神話の武神。同じく古代神話の
土着神であるアラハバキの配下とされる。

童話「桃太郎」のモデルだともいわれ、後に
武士を表す「もののふ」の語源となった。
また古代の軍事氏族である物部氏の子孫を、
武人の申し子としてモムノフと呼んだという
説もある。

アズミ
日本に渡来した南方系海洋民族である
安曇族の水神。水を操る能力を持つ。

黄泉の国から戻ったイザナギが体を清めた
時に生まれたワタツミの三神を祖とすると
される。

オニ
日本の様々な伝承に登場する、醜悪で怪力を
持つ邪悪な妖怪。人里を襲っては暴虐を
はたらくとされる。

頭には角があり、肌は朱らんでおり、
長い爪と、刀のように鋭い牙を持っている。

ビルヴィス
ドイツに伝わる妖鬼。
夜に出てきては穀物畑を荒らすとされる。

背が高くやせ細り、醜い顔をしているという。
また足の指に鎌を結びつけており、そのまま
畑の中を歩き回って、穀物を刈り取って
しまうのだという。
ビルヴィスが現れる日は決まっており、
ヴァルプルギスの夜(メイデーの前夜)
あるいは聖霊降臨祭(ペンテコステ)の
日の出前だとされる。

鬼女

カーリー
破壊と殺戮を好む暗黒女神。シヴァ神の妃
パールヴァティ女神の変身した姿である。

同様にパールヴァティ女神の変身した姿で
あるドゥルガー女神が、アスラ軍に対する
怒りに顔を黒くした時、その顔から
カーリーが出現し、瞬く間にアスラたちを
倒してしまったとされる。
黒い肌を持ち、生首や骸骨で作った首飾りを
着け、4本あるいはそれ以上ある手には、
血まみれの武器や生首を持つという。

ランダ
インドネシア・バリの神話に伝わる魔女。
バリ・ヒンドゥーの悪の側面を象徴する。

魔法使いの女性で、人を恨んだりして悪の
道に進んだ者が、このランダになるという。
ランダは黒魔術で疫病をまき散らし、災害を
引き起こし、また人々に呪いをかけ、悪霊を
遣わしたりするという。
善を象徴する神獣バロンとは互いに宿敵で、
たとえ倒されても必ず転生し、永遠に戦い
続けるとされる。

ダーキニー
インド神話における、情愛と交歓の女神。
カーリーに従う存在。

人肉を喰らうとされ、夜毎に墓場や火葬場で
集会を開くという。
またその名は「空に遊ぶ者」を意味する。

ターラカ
インド神話に登場する鬼女。

森に棲み、毎晩闇の中を駆け回って男を
求めるという。
もし気に入った男であれば交わって精気を
奪い取り、そうでなければ頭からむさぼり
喰ってしまうという。

アトロポス
ギリシャ神話で、主神より運命の司を
任されたとされる三姉妹「モイライ」の一柱。

運命の糸を、ラケシスが定めた長さに従って
断ち切る。右手には、そのためのハサミを
握っている。

ラケシス
ギリシャ神話で、主神より運命の司を
任されたとされる三姉妹「モイライ」の一柱。

クロトが紡いだ糸を測り、長さを定める。
その長さこそは、生命に与えられる寿命の
長さであるという。

クロト
ギリシャ神話で、主神より運命の司を
任されたとされる三姉妹「モイライ」の一柱。

運命は糸に象徴されるが、彼女はその紡ぎ手
としての役割を担っている。

メデューサ
ギリシア神話に登場する怪物で、
ゴルゴーン三姉妹の三女である。

髪の毛は蛇であり、肌は青銅の鱗で覆われ、
背中には大きな黄金の翼、口からは鋭い牙が
生えており、その瞳は覗き込んだものを石に
変えてしまうとされる。
また一説では、髪が蛇である以外は美しい
女性の姿であるともされる。
女神アテナの助力を得た英雄ペルセウスに
よって、その首を切り落とされたという。

ユキジョロウ
雪女郎。豪雪地帯に伝わる女の妖怪で、
雪の降る夜に現れるとされる。

いわゆる雪女の一種で、人々を凍りつかせて
殺す妖怪である。
赤ん坊を抱いて現れることもあり、出会った
男に赤ん坊を抱いてくれるよう頼むが、男が
抱くと赤ん坊はみるみる重くなる。それに
耐えきれないと彼女に殺されてしまうが、
逆に耐えきれば、怪力を授けてくれるという。

ヨモツシコメ
黄泉醜女(よもつしこめ)。黄泉の国に棲む醜い鬼女で、
黄泉の神々に従っている。

イザナギが亡き妻イザナミを黄泉の国から
連れ戻そうとするも、その醜い姿を見て
逃げ出した際、怒ったイザナミが放った
追っ手のひとつがヨモツシコメであり、
各々がヨモツイクサの軍勢を束ねるという。
追われるイザナギが、自分の黒髪や櫛を
地に投げると、黒髪は野ブドウに、櫛は
タケノコに変わり、ヨモツシコメは追っ手の
任を忘れ、これを食べ始めたという。

ストリゲス
夜、カラスに変身して子供の血を飲む魔女。
通常は女性の姿をしている。

その名は、ローマの吸血フクロウである
ストリクス(メンフクロウの一種)が語源で
あるとされる。
ローマ人はストリクスが子供の血を吸うと
考え、これがいつしか吸血魔女ストリゲスに
なったものと考えられる。

リャナンシー
アイルランドの妖精。人間の女性に似た姿で
現れるとされる。名は「妖精の恋人」の意。

人間の男の愛を求めており、恋人となった
男の生命を吸い取って生きているが、その
代わり恋人に霊感を与えるという。

夜魔

マーヤー
インド神話の人格化された魔術的な力。
地上の物質が起こす作用、すなわち
「現象」を、人間に知覚・理解させる力で
あるといわれる。

世界を構成する重要な力と考えられていて、
偉大なカーリー女神と関連付けられる存在
でもある。ブッダを生んだマーヤー妃と
同一視されることもある。
彼は、世界を覆う幻影マーヤーから
「目覚めた者」なのだという。

リリス
旧約聖書でアダムの最初の妻となったと
される女性。堕落により楽園を追放され、
後に夜魔と化した。

一般にアダムの妻とされるエヴァが誕生する
記述は『創世記』2章22節に見られるが、
これより前の1章27節で、神が女性を
創ったと読める記述があるため、その女性が
アダムの最初の妻リリスであると、一節には
信じられている。
総じて不貞の象徴として描かれるが、元来は
バビロニアの地母神であったとされる。
ある伝承では、リリスはサマエルの妻で、
エヴァを誘惑した蛇を放ったとされ、後世の
図案でも、彼女はしばしば蛇を伴った姿で
描かれている。

クイーンメイブ
ケルト神話の妖精女王。

元来は夢魔に近い存在であったが、
度々ティターニアと混同され、それにより
女王として名が広まったといわれる。
多くの夫を持ち、自身の経血を配合した赤い
蜂蜜酒を彼らに配って支配権を分け与えたと
される。

ワイルド・ハント
夜な夜な空を駆けるという、怒れる亡霊たち。
ケルトとゲルマンの民間伝承に伝えられる。

馬に乗った狩人の亡霊が、猟犬の幽霊の
群れを引き連れている霊団で、彼らは悪魔の
烙印を受けた異教の女神に率いられていると
される。
山野を駆け巡っては各地を荒廃させ、姿を
見てしまった者はその身を異界へ移され、
話しかけてしまった者は死を運命づけられる
という。

サキュバス
ヨーロッパ各地の伝承に残る女性型の夢魔。
男性型のインキュバスと対をなす。

眠っている男性の夢に忍び込み、性的関係を
結んで精を集める。素顔は醜い老婆だが、
夢に現れるサキュバスは大変な美貌を備える。

キウン
旧約聖書のアモス書において、イスラエルの
民が主たる神を受け入れる前に信奉して
いたと記されている偶像神。

星を象徴すると言われ、サクテの名で
呼ばれる別の偶像神と一対で語られることが
多い。

リリム

インキュバス
ヨーロッパ各地の伝承に残る男性型の夢魔。
女性型のサキュバスと対をなす。

眠っている女性の夢に忍び込み、子供を
身篭らせるという。また生まれた子供は
悪霊や魔女などであるとされる。
インキュバスに取りつかれたら教会で祈祷を
受けると良いとされるが、それでも追い払う
だけで、退治まではできないという。

キキーモラ
スラヴの民間伝承に登場する女の家霊。
鳥のような顔と足を持つという。

夜中に現れては、赤ん坊を泣かせたり、
糸紡ぎをしたりするが、その姿を見たり、
糸紡ぎの音を聞いたりした者は不幸になる
ともいわれる。
主婦が勤勉な場合は家事を手伝い、怠け者の
場合は、夜の間に子供をくすぐって母親に
苦痛を与えるという。
羊歯(した)を煎じた薬で家中の食器を洗えば和解
することができるとされる。

ザントマン
ドイツ民間伝承の妖精。
その名は日本語で「砂男」と訳される。

背負った袋の中には魔法の砂が入っており、
これを人間の目に振りかけ、眠らせるという。
無理やりに眠りをこらえる人間には、
まぶたに座ってでも強引に眠らせるという。
それでも眠ろうとしない悪い子供は、彼に
目玉をえぐり取られるといわれるが、この
物騒な性格だけは、ドイツの母親たちの
創作だと考えられる。

フォーモリア
ケルト神話の悪の巨人。山羊や馬の頭を持つ
獣面の蛮族として描かれることが多い。

アイルランドに太古から棲み、インデッハや
邪眼のバロールといった王に率いられ、西方
から訪れた種族の侵入を再三に渡って阻んだ
という。

モコイ
オーストラリアの原住民アボリジニの伝承に
古くから伝わる妖怪。

フクロウと共にジャングルに生息し、人間に
よく似た姿をしているが、頭が異常に大きく、
舌を持っていないため、言葉を話すことが
できないと伝えられている。
人間の「影の魂」の生まれ変わりであるとも
いわれ、人間の女性と交わることもあれば、
産まれた子供を喰べたり、人間と戦ったり
することもあるという。

魔王

マーラ
インド神話で悪霊を従えるとされる魔王。
死を運ぶ者とされる。

恐怖をかきたてる術を得意とし、修行する
ブッダを誘惑しようとしたこともあるという。
その強大な力は世界各地へ及び、メアや
モーラなどの闇の悪魔を産んだとされる。

ルキフグス
偉大なる地獄の宰相。ルキフゲ・ロフォカレ
とも呼ばれ、意味は「光を避けるもの」。
悪魔王ルシファーと対を成す存在だとされる。

禿頭に3本のねじれた角を生やし、大きな目、
山羊の下半身と長い尻尾を持った姿とされる。
世界の財宝や富の管理をルシファーから
任され、その配下にはバエル、アガレス、
マルバスを置くとされる。
また契約の導師でもあり、後年に魂を奪う
条件で、召喚者の願いをかなえるという。

シュウ
中国の古代神話に登場する魔王。牛の頭に
8本あるいは6本の手、4つの目という姿で
描かれる。

武器の発明者でもある彼は戦闘を得意とし、
連戦連勝を誇る強大な軍勢を率いていた。
天下を取ることを望んだ彼は、偉大な帝王で
ある黄帝の軍勢と戦い、互角以上に渡り
合ったが、太母神である西王母の助力を得た
黄帝の前に敗れた。彼の体はバラバラにされ、
二ヶ所に分けて埋葬されたという。

スルト
北欧神話で、火の国ムスペルヘイムを支配
する巨人の王。

手には炎の剣「レーヴァテイン」を持つ。
神々の黄昏ラグナロクに際し、軍勢を率いて
アスガルドへ攻め上り、アース神族を討ち
滅ぼしたとされる。

ツィツィミトル
アステカ神話にて、夜と恐怖を司る女神。

神たる太陽と争い続け、災いの日食を引き
起こす死と悪の象徴で、52年ごとに生贄を
求める、嫉妬深く邪悪な神である。

ベルゼブブ
地獄に君臨する魔王。
その名は「蝿の王」という意味を持つ。

蝿を手下として遣い、魂を運ばせ支配すると
いう。悪霊の頭として聖書に記されたこと
から、キリスト教世界における有力な悪魔
としての地位を確立したとされる。
カナンの主神バアルが貶められた姿である
ともいわれる。

アザゼル

アバドン
黙示録に記された奈落の主。
害虫の大群や疫病を率いる魔王だとされる。

最後の審判を告げる第5の天使のラッパと
共に現れ、イナゴの群れを放って人々を
苦しめるとされる。
名はヘブライ語で「破壊」「滅亡」「深淵」
といった意味を持ち、奈落自体の名としても
使われる。
イナゴが大発生して人里を食い荒らす天災が
神格化されたものだと考えられている。

ロキ
北欧神話の悪神。邪悪なだけの神ではないが、
気まぐれで悪知恵に長けるという。

神々の敵である巨人を両親とするが、主神
オーディンと義兄弟の契りを交わし、神々の
一員に加わったとされる。
しかしオーディンの子バルドルを殺すなど
幾多の悪行の末、遂に罰を受けて洞窟に
捕縛された。
世界の終末ラグナロクを迎える時、彼はこの
縛から解き放たれ、神々と戦うとされる。

ベリアル
ソロモン王72柱の魔神の一柱。
50もの軍団を率いる大いなる王である。

元来はセラフィム(上級天使)だったが、
天上界の政争に敗れ、自ら堕天したという。
炎の戦車に乗った美しい天使の姿で現れ、
召喚者に高位の社会的地位を与える。
その名は「無価値」「邪悪」の意味を持ち、
性格は悪辣。人々を堕落させ、ソドムと
ゴモラの町を滅びへと導き、イエスを告発
したとされる。

アスモデウス
ソロモン王72柱の魔神の一柱。
堕天する以前は智天使であったとされる。

頭は牛と人と羊で、足はガチョウ、尾は毒蛇、
また翼は醜悪で、手には軍旗と槍を持ち、
地獄の竜に跨り、口から火を噴くとされる。
その姿を恐れず敬意をもって接すると、
彼は喜び、指輪やガチョウの肉をくれたり、
幾何学や天文学の秘術を教えてくれるという。
グリモワールなど後世の俗説においては、
キリスト教の「七つの大罪」のひとつである
「色欲」に結びつけられる。

アスタロト
ソロモン王72柱の魔神の一柱。
地獄の公爵といわれる美しき堕天使。

40の悪霊の軍団を率いるとされ、大蛇に
乗った貴公子の姿で現れ、過去と未来を
見通す能力を持つという。
元来はフェニキア、今のシリア付近の女神
アスタルテだった存在が、ヘブライの神に
貶められた姿であると考えられている。
またキリスト教では、座天使が堕天した
もので、人間に怠惰な生活を送らせると
されている。

バロール
ケルト神話の一つ目の魔王。その視線を
浴びた者はたちまち戦う力を失うという。

神々の敵であるフォーモリア族の首領。
その恐ろしい魔眼で名を轟かせ、彼の率いる
軍勢は神々にとって脅威であったという。

キングフロスト
ジャックフロストの王。
その名に違わぬ巨大な雪ダルマの体を持つ。

無数のジャックフロストを従え、世界を雪と
霜で凍てつかせる力を持つが、その性格は
至って無邪気であるという。

シェムハザ
『エノク書』に記された堕天使。
数々の神の知識を人間に授けたとされる。

人間を教育するため地上に降りた天使たちの
集団「グリゴリ」は、人間の娘たちと交わり
子を成したため、神に堕天使の烙印を押され、
またその子供たちは争いや破滅を好んだため、
神の怒りに触れ、大洪水で滅ぼされた。
シェムハザは、このグリゴリの統率者の
ひとりであったとされる。
また全ての魔法使いの育ての親であるという。

オーカス
ギリシャ・ローマ神話を起源とする死神。

中世には、豚の頭を持ち死体をむさぼる、
邪悪な悪魔とされたが、これはその信仰の
生贄に豚が供えられていたことからだと
思われる。オーカスは獰猛な邪鬼である
オークたちの王であるともいわれる。

ミトラス
1世紀から4世紀のローマ世界を中心に崇拝
された太陽神。人々を苦難から救済する
英雄的な神として崇められた。

その宗教儀式は、他者に内容を明かさない
密儀であったといわれるが、生贄とした羊や
牛の血を浴びる形式だったらしいことは
伝わっている。死しても復活する神であった
とされ、その復活を象徴する冬至には、この
ミトラス神を称える大祭が行われたという。

モラクス
ソロモン王72柱の魔神の一柱。
牡牛の頭を持つ人間の姿で現れるという。

魔術師の召喚儀式に応じて現れるとされ、
その際には、魔法の石や薬草に関する知識、
天文学や占星術といった学問なども教えて
くれるとされる。
またその召喚した魔術師に、使い魔を与えて
くれることもあるという。

アエーシェマ
ゾロアスター教に伝わる悪神で、
その名は狂気を意味する。

凶暴な行いを司り、激情や復讐心、欲望を
煽るとされ、この悪魔に魅入られた人間は、
平素とはかけ離れた乱暴をはたらくという。
そのためゾロアスター教では、酒に酔って
暴れる者は、アエーシュマに魅入られた者
だとされた。
アフラ・マズダやスラオシャとは敵対関係に
あり、最終的に打ち負かされたという。
旧約聖書外典のトビト書に登場する悪魔
アスモデウスは、このアエーシュマが取り
入れられたものだとされている。

邪龍

ヴァスキ
インド神話の古き龍。神々が混沌の乳海を
かき回す際、その身体が使われたという。

かつて神々は、混沌の乳海をかき回して
不死の霊薬アムリタを作ることを思い立ち、
巨大なマンダラ山を棒として、そして棒を
引っ張るための縄としてヴァスキを使った
という。
ヴァスキの一方を神々が、もう一方を
アスラが引っ張り、あまりの苦しさに
ヴァスキは毒を吐いた。アムリタはこの毒に
冒されそうになったが、シヴァが急いで毒を
口に入れたため無事だったとされる。

ピュートーン

ファフニール
北欧の伝説に登場する悪しきドラゴン。
英雄ジークフリードによって倒された。

12世紀頃に書かれたとされる
「ヴォルスング・サガ」の中では、毒を持ち、
大地を震わせて歩く、大蛇に足が生えた
ような姿の怪物だとしている。

ヤム
パレスチナ地方のウガリット神話の龍。
豊饒神バアルと敵対する。

水中に住み、海や川を支配することで魔力を
得ており、洪水を引き起こすとされる。
バアルによって倒されるが、その話は、
バビロニア神話で主神マルドゥークが
ティアマトを倒す話と共通する部分が多く、
ヤムとティアマトを同一視する説も存在する
ようである。

ニーズホッグ
世界樹イグドラシルの根に棲みついてると
される北欧神話の悪龍。

一緒に住むたくさんの邪悪な蛇たちを統べ、
神々の最終戦争であるラグナロクの後も
流れ着いた死体を喰い、生き延びるという。

ティアマト
バビロニア神話の、龍の姿をした原初の女神。

海水を司る存在で、夫である淡水の巨神
アプスーと交わって多数の神々を生んだ。
やがて神々との戦争が起こった時、彼女は
11の怪物を産み出して戦ったが、神々の
代表であったマルドゥーク神に討たれた。
死した彼女の体は引き裂かれ、そこから
世界が造られたとされる。

ムシュフシュ
奇怪な容貌をした、バビロニアの怪獣。
名はシュメール語で「怒れる蛇」の意味。

蛇の頭と胴、ライオンの前足、鷲の後脚、
サソリの尻尾という姿をしている。
ティアマトに従う11種の怪物のひとつで、
主神マルドゥークらと戦ったという。
しかし後世では、なぜか背にマルドゥークを
乗せた姿で描かれている。

キングー
バビロニアの反逆神。創造の女龍
ティアマトの息子にして2番目の夫とされる。

ティアマトらと共に神々に戦争を挑むが、
マルドゥーク神によって倒され、その血から
人間が創られたという。

バジリスク
アフリカ北部に住むといわれる邪龍。
名は「蛇の王」という意味。

王冠状の鶏冠と翼を持った姿で、吐く息と
視線には猛烈な毒があり、人間や動物を
たちどころに殺害するといわれている。

ハクジョウシ
中国に伝わる白蛇の精の物語「西湖三塔記」
のヒロイン。人間の女性の姿で現れるという。

人間の若者を次々と誘惑する、残虐な人喰い
妖怪だとされるが、後の戯曲「三言二拍」
では、人間の若者に恋をし、種族の違いから
悲恋してしまう女性として描かれている。

トウビョウ
四国や山陰地方に伝わる、小さな蛇の姿を
した憑き物。その首には「金の輪」という
黄色い輪が巻かれている。

人に憑く蛇神で、土製の瓶で飼われ、人間と
同じ食べ物や酒が与えられた。
恨む者に対してこれを送れば、苦しませる
ことができるが、粗末に扱うと飼い主自身を
襲うとされる。
蛇は富をもたらすと考えられているためか、
トウビョウを大事にすれば、家が栄えると
いわれている。

チョトンダ
宋の時代の中国で目撃されたといわれる怪蛇。

体長は3尺ほどで、胴から四本の足が生え、
全身が毛で覆われた奇妙な姿をしており、
竹林からブタのような鳴き声を上げて現れた
という。
その特徴が分類上どこにも属さないことから、
未知の生物である可能性が強いとされる。

悪霊

ガロット
腰掛け式の首締め具が悪霊と化したもの。

この拷問具はヨーロッパ各地で使用されたと
いわれ、柱の台に犠牲者が座ると、その首に
ロープまたは鉄の首輪が取り付けられ、
ネジで締め付けられる仕組みになっている。
ロープを用いる場合は窒息死、鉄の首環を
用いる場合は、更に首の骨を折ることをも
目的としているという。

レギオン
聖書・マルコ福音書で「我、多数なり」と
記される存在。同じような苦痛を味わう
悪霊が集合したものとされる。

悪霊たちは、自分と同じく悩み苦しむ悪霊を
自らの分身と見なすことで、自己と他者の
区別を失い、やがて集合してひとつの存在に
なるのだという。
その名の由来は、当時のローマで用いられた
軍隊用語で、五千人規模の兵団を指す
「連隊」の意味だとされる。

ピシャーチャ
インド神話に語られる餓鬼の一種。
死肉を喰らうという。

口から人間の体に入り、呪文や薬で払われる
まで病害をもたらし続けるとされる。
またその姿を直に見た者は、以後9ヶ月の
間に確実に命を落とすという。

インフェルノ
炎の中から恨みの念を送る悪霊。
その名はイタリア語で「地獄」を意味する。

燃えさかる炎で包まれる恐ろしくも痛ましい
姿が、地獄の業火のイメージと重なるためか、
この名が付いている。

マカーブル
中世ヨーロッパの宗教劇に登場した
「死神」と同じ名前と姿を持つ悪霊。

人間を一瞬にして死に導く強い呪力を持つ、
まさに「死神」のような悪霊で、白い骸骨が
描かれた黒い服を着て、人間の霊魂を刈る
ための長柄の大鎌を振り回すという。
偉大なる「死」のためにダンスを踊るが、
それは「死の舞踏(ダンス・マカーブル)」
と呼ばれ恐れられている。

クイックシルバー
悪戯好きな騒がしい女性の精霊。家具や窓を
壊し、物体が飛び回る現象を引き起こす。

ポルターガイストの女性版とされ、壁や鏡、
窓など至る所に、セッケンや口紅、クレヨン
などで「Q」の文字を書き残すという。
通常のポルターガイストと違う点として、
10代の子供がいない家に現れ、破壊的な
行為はせず、純粋に悪戯のみを好むとされる。
人を脅すことを目的とするため、同じ場所に
長く留まることはなく、悪戯が終われば
現れなくなり、危険性は少ないといわれる。

ポルターガイスト
家の中に現れ、酷い悪戯をする悪霊。
名はドイツ語で「騒がしい霊」の意。

家の中に現れ、音を立てるだけの無害な悪戯
から、放火や暴行などの、悪戯と呼べぬ破壊
活動までを行うとされる。
ポルターガイスト現象は、思春期の子供が
いる家庭だけに起こるとされ、子供たちの
不安定な精神が原因だとする説もある。

ウィッカーマン
古代ケルトのドルイド僧が人身供儀の際に
用いた木製の巨大な人型が、悪霊へと変化
したもの。

ドルイドたちはこの人型の中に多くの人間を
押し込んでは、焼き殺したといわれる。
彼らの人身供儀は他にも、水を満たした
大樽の中に人をつめ込んで窒息死させる方法、
木につるし上げた後、矢を射って殺す方法
などがあったと伝えられている。

ディブク
ユダヤ伝説の邪悪な精霊。人の体と魂に
取り憑いて支配し、悩ませ苦しめるという。

彼らは過去に罪を犯したために新しい体を
与えられず、それで生きている人間に無理に
取り憑く魂であるともいわれる。悪魔払いの
やり方次第で、地獄に投げ込まれるか、この
世に再び舞い戻ってくるかのどちらかである
という。

外道

マッドガッサー
未知の毒ガスをまき散らして人々を苦しめる
といわれる怪人。

その姿は黒ずくめで、頭にツバのない帽子を
かぶり、やけに背が高いとされる。
まき散らすガスは甘い臭いを持つが、吸うと
激しい頭痛と吐き気に見舞われるとされる。
人々が忘れかけた頃になる度に姿を現しては、
毒ガスをまき散らすのだという。
人前に現れることは滅多にないともいわれる。

タトゥーマン
一般に「極道」や「ヤクザ」と呼ばれる
暴力団関係者が悪魔化したもの。

熟練した彫師による和彫りの刺青を背中に
背負い、その大きさがその人物の格を表して
いるとされる。
本来は仁義を重んじるともいわれるが、
身も心も悪魔と化した今となっては、もはや
見る影もない。

ナイトストーカー
社会の裏側で活動を続ける悪魔崇拝者。
悪魔主義者と呼ばれることもある。

数々の凶悪犯罪に手を染め、裏社会で活動
している彼らは、悪魔に忠誠を誓っており、
誘拐してきた犠牲者を生贄として悪魔に
捧げるといわれる。
その犠牲者の多くは子供であるとされるが、
これは神が愛するとされる子供達を汚し、
殺すことによって、神を憎む悪魔の欲求を
満たそうと考えているからだという。

フーリガン
ならず者のストリート・ギャングの若者が
悪魔化したもの。破壊や強盗など、各種の
迷惑行為や犯罪行為を行う。

18~19世紀頃、アイルランドの難民が
イギリスに押し寄せたが、彼らは最下層民
として虐げられた。そして彼らを揶揄する
歌が流行したが、その中に登場する一家の
名前がフーリガンであり、これが由来だと
一説にはいわれている。
近年では、暴動を起こすサッカーファンが
この名で呼ばれている。

ジャック・リパー
19世紀末のロンドンに実際に出没した
連続猟奇殺人犯「切り裂きジャック(ジャック・ザ・リパー)」のこと。

ロンドンの貧民街で娼婦を次々に殺害し、
その手口は残忍を極めたという。
事件はマスコミなどで盛大に取り上げられ、
人々は犯人推理に熱中し、ロンドン警察は
綿密な捜査により何人もの容疑者を浮上
させたが、結局事件は迷宮入りとなった。
この怪事件は現在でも人々の心を引き付け、
犯人推理に挑むマニアがいるという。
悪魔としてのジャック・リパーが、果たして
事件の犯人そのものだったのか、それとも
人々が思い描いたジャックが悪魔の形を
成したものなのかは、定かではない。

スライム
実体化に失敗した悪魔。本来の能力も失い、
不完全なゲル状の体で活動する。

悪魔が本来住む魔界「アティルト界」から、
人間の住む現実世界「アッシャー界」へ
進出できなかった哀れな姿である。

幽鬼

ヴェータラ
ヒンドゥー教や仏教で語られる餓鬼の一種。
無数の餓鬼の中でも特に危険で力の強い者が
この名で呼ばれるという。

耳や首、四肢の関節などが弛緩し、長く垂れ
下がっている。墓に潜み、呪文で死体を
操って人間に害をなすとされる。

デュラハン

クドラク
悪と闇の象徴である吸血鬼。
神の代理人クルースニクと激しく対立する。

疫病、凶作、不運など、人間に起こる悪い
ことの全てはクドラクによるものだとされる。
彼は常に、罪のない者や無防備な者に襲い
かかるのだという。
クルースニクと戦う時は馬や豚などに姿を
変えるが、常にその色は、闇を象徴する黒で
あるとされる。

グール
イスラム伝説の食屍鬼。
生者・死者を問わず人肉を喰らうとされる。

墓場や廃墟を棲みかとし、夜になると活動を
始める。見た目では人間と区別できないと
いう。子供や旅行者を好んで襲うとされる。

エンク
焔口(えんく)」と表記される、餓鬼の一種。

飛んでくる虫を、口から吐いた火で焼いては
食べるが、その限りない飢えを満たすことは
できないという。
エンクは「少財餓鬼」とも呼ばれ、不浄な
ものであれば少しは食べることを許されて
いる類の餓鬼であるが、その仲間には、
排泄物しか食べられない餓鬼や、焼かれた
死体しか食べられない餓鬼がいるとされる。

チュレル
インド神話の邪悪な女の幽霊。
若い男を誘惑し、取り憑くとされる。

出産の際に無念の死を遂げた女性や、不浄と
される儀式を行って命を落とした女性の霊が、
このチュレルになるとされる。
ごみごみした場所を好み、一見すると若く
美しい女性だが、口を持たず、足の向きが
逆になった奇怪な姿をしているという。

モウリョウ
日本の伝承、民話などに登場する、成仏
できなかった死者たちの霊、あるいはその
化身とされるもの。

悪意を持つ場合もあるが、それでも大きな
力は持たないとされる。
鬼火のような外見で描かれることが多い。

オバリヨン
日本に伝わる、お化けあるいは妖怪の一種。
「おんぶお化け」とも呼ばれる。

夜にヤブの生い茂った夜道を歩いていると
「オバリヨン(おぶさりたい)」と叫んで
人の肩におぶさってくるという。
オバリヨンに乗られると肩が急に重くなり、
大変苦しみ、大抵の人間は参ってしまうが、
家まで連れて帰ることができれば、小判に
変わるとされる。

ガキ
仏教世界に伝わる飢えた醜悪な鬼。

生前に強欲であった人間たちが餓鬼道に
堕ちることでこの姿になるとされる。
その飢えは決して満たされることがなく、
次の輪廻転生まで苦しみ続けるのだという。

ストリゴイイ
ルーマニアにおける最も一般的な吸血鬼で、
「死せる吸血鬼」と呼ばれる。

その姿は赤毛と青い目で、2つの心臓を
持つとされる。
自殺者、魔女、犯罪者、偽証者など、様々な
原因で人間は死後ストリゴイイになるとされ、
死者をストリゴイイにしないためには、
死体の心臓に鎌を突き立て起き上がらないように
するという。
またその攻撃に対しては、ワインが強力な
防御になるといわれる。