100 :efficus ◆3dGTQi3jXk [] :2007/06/23(土) 00:13:23.56 ID:lopreZb60 ふらついたかと思ったが その瞬間ナイフで突いてきた。 僕はとっさにボタンを押し、傘を広げる。 ビリッ!と音がし、ナイフが傘の布を突き抜けた。 だが僕には届かない。 傘を手放し、先生の懐へと回りこみスーツの襟を掴んだ。 体育の授業ではメリーさんに見せられなかったが 今ならいける。 バランスを崩した先生は軽い。 僕は最大の力で背負い投げを仕掛けた。 どうやら僕は女の子が見ていると力が出るらしい。 空中で手を離し、先生が宙を舞う。 そのまま資材置き場へと頭から突っ込む先生。 誰がどうみても一本。 第2段階、奇襲攻撃。 成功。 127 :efficus ◆3dGTQi3jXk [] :2007/06/23(土) 00:26:38.57 ID:lopreZb60 一矢は報いた。 作戦は最終段階へ。 最後は逃亡。 勝ちは確定したようなものだ。 今がチャンスとメリーさんと共に扉へと走る。 先生が起き上がってきたが 僕が扉へと辿り付く方が早かった。 ドアノブに手をかける。 ガチャ…ガチャガチャ!と、激しく ドアノブを回転させるが開く気配はない。 鍵――! しまったっあの時鍵をかけられて! 相手は教師なのだ。 学校の鍵を入手する事なんて簡単じゃないかと。 今更ながらに気づき、愕然とする。 ざわっと後ろに気配がし振り向くと、 頭から血を流し鉄パイプを持った先生が立っていた。 174 :efficus ◆3dGTQi3jXk [] :2007/06/23(土) 00:47:38.32 ID:lopreZb60 「危ない!」 と、メリーさんが叫んだ。 その声に反応し、咄嗟に右手で顔を守る。 振り下ろされた鉄パイプ。 ゴンッ!と鈍い音がして、僕の腕に激痛が走った。 かはぁっ!っと息が吸えなくなるほどの痛み。 腕が上がらない。 骨折れたか、ヒビが入ったのはまず間違いない。 再び鉄パイプが振り下ろされる。 横に跳びなんとか避けるが そこは逃げ場の無いブロック塀。 やばい、次は逃げられないし左手だけじゃ 防ぎ切れない。 先生の無愛想な顔が見たことも無い 怒りの表情をしている。 「死ね!」 そう言って鉄パイプを振り降ろす先生。 あ、ダメだ死ぬ。そう感じた。 辺りがスローモーションのように見えた。 振り下ろされる鉄パイプがゆっくりだ その向こうでメリーさんが何か叫んでいる。 メリーさん、ごめん。僕は目を閉じた。 210 :efficus ◆3dGTQi3jXk [] :2007/06/23(土) 01:05:07.06 ID:lopreZb60 ガン!と音が響いく。 だが僕に痛みは無い、ゆっくり目を開けた。 そこには傘。 さっきまで向こうに転がっていたはずの黒の大きな傘。 それが振り下ろされた鉄パイプを止めていた。 「なん…で…?」 先生の顔がある方向を向いて青ざめている。 その方向に目をやると傘の芯の部分が鉄では無く。 足。 人間の足だった。 「危なかったな、あとちっとであの世逝きだったぞ?」 がはははは!と豪快な笑い声。 メリーさんでも先生でも、もちろん僕でも無い。声。 傘が…しゃべっていた。 懐かしい声、だけど2度と聞けなかったはずの声。 忘れようにも忘れられないその声は。 「親…父…?」 更新中。中の人は寝てるのでスレを見るといいかも
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