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ネットブック

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ネットブック

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Netbookから転送)
ネットブックは簡易なインターネット利用やコンピューティングを目的とする(手前Eee PC

ネットブック:exlink.gifNetbook)とは、HTMLで記述された文章や画像(静止画)を主体とするウェブサイト上のコンテンツ閲覧や電子メールチャット程度の簡単かつ基本的なインターネット上のサービスを利用することを目的とした、安価で簡易的なノートパソコン、およびそれが属するカテゴリーのことである。

  • 関係する呼称には、デスクトップ機種における同様の目的での利用を主眼としたネットトップ:exlink.gifNettop)がある。本項では便宜的に双方を説明する。

目次

[編集]概要

ネットブック、およびネットトップは、比較的安価で小型軽量なパーソナルコンピュータ(ノートパソコン/デスクトップパソコン)としての最低限の機能を備える製品、およびその製品が属するカテゴリーの名称である。

ネットブックが一般に認識されるようになったのは、2008年3月3日に半導体製品集積回路大手のインテルが、自社製品Intel Atom発表の席で使ったのが最初と見られている[1]。ただしこの時点ではあまり明確な基準は無く、後述するような「インターネット利用に特化した低価格モバイル」程度の意味であった。

価格帯としては米ドルで300ドル前後より800ドル程度、主要メーカー製パソコン価格の高値安定が標準的な日本でも、5万円から10万円程度となっている。

ハイキング中に興味を抱いた発見物の写真をOLPCで撮るタイの子供ら
ネットブック誕生以前には、2005年に提唱された発展途上国の教育分野向けへの普及を主眼とし、俗に「100ドルPC」とも呼ばれるOLPCが存在する。OLPCは廉価で限定的な性能ながら、インターネット端末電子書籍ブラウザとしての機能を併せ持っている。これらの機種は発展途上国の教育分野向けとはいえ、そのモックアップや試作機が発表されるや一部の技術愛好者や熱心なモバイルインターネット利用者の中に、先進国での同機種の発売を期待する声が見出せた[2]。ただしネットブックとOLPCの間に直接的な連続性はなく、OLPCがLinuxなどオープンソースソフトウェアを搭載し教育分野への普及を主体として一般市場への販売は必ずしも考えられていないのに対して、ネットブックではより一般市場に販売される製品(ないし商品)としての性格が色濃いといった違いも見出せる。OLPCも期間限定ながら先進国向けの製品もリリースされているが、この先進国での売り上げを発展途上国教育分野向けに出荷される製品の補助金とする「Give One Get One」プログラムが計画され実施されたりしている。

携帯性の高いインターネット端末としては、マイクロソフトが提唱し2002年に市場に投入されたタブレットPCや、2006年3月9日にマイクロソフトやインテルなどが発表し推進するUltra-Mobile PC(UMPC)というカテゴリーが存在する。ただ、タブレットPCは高価で特殊なパソコンという面が強く、産業分野では一定の利用が見られるものの、一般での普及は進んでいない。Ultra-Mobile PCのほうは、小型軽量ながら価格帯が10万円台からとネットブックと比べて高価であるため、現状では熱狂的なブームを引き起こし広く浸透するまでには至っていない。

この市場動向の中で2007年10月にEee PCが発売され、一部の「安価軽量インターネット端末」を求めていたユーザーらが飛び付いたことから、パソコンメーカー各社も2008年に入ってから次々に同様の方向性を展開、いわゆる「ネットブック」および安価なネット端末パソコンに対して「ネットトップ」という呼称が使われるようになった。アジア圏のパソコンメーカーが数多くの商品を開発・投入し、また米国メーカーの中にもOEMまたはODM(Original design manufacturer:→OEM#用語の歴史と用法)供給を受け同市場に参入するところも出始めたが[3]、人気機種の多くが製造が間に合わず予約待ちが続くと、日本国内メーカーも続々と新製品を発表し、ネットブック市場は乱戦の様相を呈し始めている。日本のメーカーはアジア圏/米国メーカーに比べてやや出遅れた格好ではあったが、2008年10月から東芝日本電気(NEC)、オンキヨー(SOTECブランド)といった大手メーカーも相次いで参戦を表明した。国内メーカーの製品には、先んじる他のアジア圏メーカーないしそれらのOEM/ODM提供を受けた欧米メーカー製品に比べ高めの価格設定の製品もみられる。自社ブランドのボトムエンド(→ローエンド)製品としてネットブックを投入しているメーカーもある。

なお日本では、ネットブックとイー・モバイルなどの移動体通信端末およびサービス加入権をセットにして、インセンティブ制度の報奨金を価格値引きに反映させることにより、初期購入価格が安価で買えるというパッケージを家電量販店や一部パソコン専門店で発売している。携帯電話と同様に新製品が安価で購入できることで、ネットブックの売り上げは急増している。なお、インセンティブを利用したネットブックとイー・モバイル端末購入費用は携帯電話同様に2年間の割賦販売である。

[編集]ハードウェアとして

簡易的ながらビデオチャット用にWebカメラを備える機種もある(Eee PC

基本的に、小型で安価で一定性能に限定されている。携帯性の良いネット端末としてはすでに携帯電話が普及しており、また携帯性を重視した情報機器としては携帯情報端末(PDA)が存在していることから、ネットブックは「パソコン」としての最低限の機能を備えるものと位置づけられる。オペレーティングシステム(OS)は事実上の標準の地位を築いているMicrosoft Windows(主にULCPC向け限定ライセンスによるWindows XP)や、LinuxなどUNIX系オープンソースOSが搭載されている。

[編集]ネットワーク接続

ネットブックの主用途ともなるインターネットへの接続はイーサネットに対応し、有線LANに加え、無線LANモジュールを標準で搭載している機種がほとんどである。無線LANの利用が可能な範囲にあるネットブックは、電源を投入するだけで、すぐさまインターネットに接続可能である。

なおイーサネット接続並びに無線LAN接続では、ネットブックがインターネットへの接続と同時に、Local Area Network(LAN)内に接続された他のコンピュータ上で共有されるネットワークリソースにアクセス可能なことも意味しており、この中にはネットワークアタッチトストレージ(NAS)などファイルサーバも含まれる。

加えて、前述の通り移動体通信としての周辺機器を接続することにより無線アクセスのサービスも利用可能であることから、これらを利用すれば日常生活のあらゆる箇所で、電源さえ確保できればインターネット接続が可能であり、パソコンを使用する最低限度の作業が可能である。

[編集]CPU

ネットブックのCPUには低価格で省電力なものが採用されている。CPU製造大手のインテルは携帯機器のネックとなる消費電力を抑えたAtomを市場に投入[4]した。同分野で先行するVIA TechnologiesC7-M(2005年発表)[5]AMDGeodeなど、そこそこの計算能力を備えつつ消費電力を抑え、かつ安価で供給されるこれらのCPUの存在が、ネットブックの市場拡大に拍車をかけている。

映像出力を補佐するGraphics Processing Unit(GPU)はチップセット統合型GPUを採用している。

[編集]入出力

入力機器としてキーボード、ポインティングデバイスにタッチパネルやタッチパッドを備え、外付け(USB接続)マウスも利用可能となっている。また外部モニタへの接続を視野にいれ、従来のノートパソコン同様にアナログRGBなどの映像出力端子を標準的に備える製品も少なくない。

メインメモリはOSが適度に動作できる程度搭載されている(標準で1Gバイトを搭載するものが多い)。内蔵記憶装置としてはハードディスクドライブ(HDD)ないしフラッシュメモリ・ソリッドステートドライブ(SSD)が搭載されている。SSD搭載機種にはOSと幾つかのアプリケーションソフトウェアを導入できる程度の容量(数Gバイト程度)しかない機種もある。この限られた容量を補うため、メモリカードリーダーを内蔵し、フラッシュメモリメモリカードを記憶媒体として利用できる機種も多い。ただ、それらを加えても、まだ容量的には限定的であるため、USB接続の記憶装置を外部増設し利用するユーザーもいる。

デスクトップパソコンで標準的な光学ドライブは、ネットブックでは小型軽量化の都合上省略されることが多く、光学ディスクの利用には基本的にドライブの外部接続(USB接続)が必要となる。アプリケーションソフトウェアのインストールやOSのリカバリーインストールには、この外部ドライブを利用する。

周辺機器は、USB接続で利用可能であるが、CPUの処理能力やメモリ容量などが十分に無いと動作しない一部のものは利用することができない場合がある。

[編集]電源

電源に関しては、一般家庭でも普遍的に利用されている商用電源が利用できることは当然のことながら、ネットブックでは内部電源としてバッテリーも備える。しかしこのモバイル用途には不可欠なバッテリーの持ち時間が、2時間程度しかないものも見られる。一部機種は急速充電に対応することで、バッテリー持ち時間の短さをフォローしている。連続稼働時間を延長できる大容量バッテリーを同梱した上位モデルや、その大容量バッテリーを別売りの形で提供する機種もある。省電力なSSDを搭載した機種では、HDDを搭載した機種に比べて一般的にバッテリー持ち時間が長い製品が多い。

[編集]総合的スペック

スペックの上で、Windows XPを安価なULCPC向けライセンスで搭載する場合、基本的な面で特定の条件が存在する。CPUの選択肢やメモリ構成などは幾つかの傾向があるが、ハードウェアスペックは概ね横並びの状態である。そのため、各メーカーは本体デザインや操作性、あるいはサポート体制の充実などに付加価値を求めて他製品との差別化をはかっている。

[編集]オペレーティングシステム

ネットブックは基本的にPC/AT互換機であるため、この種のコンピュータに導入可能なOSは、デバイスドライバの有無や正常な動作が行えるかどうかは別にすると、概ね導入可能である。

ネットブックを動作させるOSとしては、マイクロソフトWindowsないしLinuxなどUNIX系OSなどが採用されている。独自OSないし携帯電話端末のようなファームウェアによる独自仕様というのは、既存製品を利用するより開発コストがかさみ、販売価格を圧迫するため現実的とはいえないためである。

[編集]Linux系列

Linux系列はライセンス料が掛からず、また全般的に軽量な設計に加え、カスタマイズで求める機能だけを選び、更に軽量化のためのチューンアップが可能という利点があり、X Window Systemなどウィンドウシステムを使用すればインターネットブラウズ端末としての機能を実現できる。

しかし、その保守運用で専門知識を必要とすることや、市販アプリケーションソフトウェアとの互換性が無いことなどから、コンシューマーユーザーにはハードルの高いものとなっている。それゆえに一般ユーザー向けモデルでは、マイクロソフトWindows系列のOSを搭載した機種が主流である。ただし米国などLinuxユーザーの総数が比較的多く見込める地域では、プリインストールOSにLinux系OSを採用したパッケージもみられる。

[編集]MS Windows系列

マイクロソフトはWindows XPのULCPC向けライセンス[6]として以下のような条件を示している。

  • ディスプレイ14.1インチ以下、タッチパネル対応
当初はディスプレイ10.2インチ以下、タッチパネル不可だった
  • メインメモリー1Gバイト以下
  • CPUはAtomなど特定の低速シングルコア製品
  • ハードディスク容量160Gバイト以下/SSD16Gバイト以下
当初はハードディスク容量80Gバイト以下

これを満たす機種に搭載するためなら、ライセンス料は32米ドル(発展途上国向けなら26米ドル)としている。なお、メインメモリーやハードディスク/SSD容量は、ユーザーの手で交換することに関してはライセンスが対応する範疇である。

[編集]代表的なメーカーと機種

[編集]市場性

米市場調査会社のIDCはネットブックを以下のように定義し、2008年5月にその市場性を調査・発表した[7]

  • 500ドル未満
  • 7~10インチ程度のディスプレイ
  • サードパーティ製アプリケーションの動作が可能な機能が限定されないOS
  • キーボード搭載
  • ブロードバンドインターネット接続に対応

同社はこれらに該当するネットブックを「メインで使うノートパソコンの補助的な地位を得ている」とみている。その機能はK-8世代(小学生中学生に相当)ユーザーにはメイン機として必要十分だが、ノートパソコン一般に比べると限定的であるため、消費者の多くはもう少し予算を増やしてフル機能・フルサイズのノートパソコンを選択するとしている。この「少し上」のランクとしては従来の廉価版機種が来て、例えばCPUにCeleronを使用した機種が挙げられる。

また製造側にとっても同種製品は(価格面で頭打ちとなり)利益率が低い側面があるため、買換え需要ではなく「2台目」としての需要に対応することを示唆しており、今後も販売上の課題に直面すると見ている。市場規模予測では、IDCによると2012年まで拡大が予測され、900万台を超えるとみる。ただ、価格は安いために売上高は30億ドルを下回るだろうとしており、その規模はパソコン全体の5%未満で推移すると見ている。

ネットブックは、新興市場ということもあって市場としては未知数の分野である。パソコンメーカーとしても予測が外れて注文が殺到、製造が間に合わないといった混乱も聞かれる。ヒューレットパッカードのHP 2133 Mini-Note PCexlink.gif英:HP 2133 Mini-Note PC)日本発売では2008年6月末に販売を発表するも同日中に販売中止、翌7月に販売を開始するが同日売り切れ[8]で更に一部仕様を変更したモデル発売まで販売が延期されるという混乱も発生した。

[編集]ユーザーの動向

IDCの予測が示している通り、ネットブックはその市場性がパソコン一般・ノートブック一般に比べて限定的である。それでも、現在ネットブックが急速に市場を拡大してヒット商品となっているのは、これまでのデスクトップパソコンやノートパソコンよりも更に小型で持ち運びがしやすいミニノートを欲していたユーザーの存在や、あるいはネット端末としての携帯電話スマートフォンの性能や機能が、FLASHを多用するサイトの増加や、動画や音楽などのリッチコンテンツを扱うウェブサイトが増加したことに対応できていないこと不満を持っていたユーザー、より安価なパソコンを欲していたユーザーにとって、ネットブックがとても魅力的な商品に見えたことも関係するだろう。ネットブックはインターネット上のウェブサイトを閲覧したり電子メールの送受信をする、あるいはプレゼンテーションのための資料を再生したり書類の作成や修正といったビジネス用途であれば取り敢えず目的を果たせる性能を持っている。

しかし前述したハードウェア面での制限から、計算処理に多くの処理能力を要求する作業を行うのは難しい。特に現在のパソコンでも比較的高性能な処理能力を要求する動画の編集や3Dを主体とするコンピュータゲームなどでの利用はかなり無理があるほか、インターネット上のコンテンツでも、昨今増加中の動画サイトでは動画の種類・品質によって「音割れや音飛び・コマ落ち」などの処理落ちによる再生品質の低下が発生する場合がある。同様に地上デジタルテレビジョン放送チューナーやDVDドライブを接続しての動画再生も可能だが、高性能な機種に比べ前述同様の問題がおこりうる。

だが、ヘビーユーザーの中には「ミニマム性能のコンピュータを最大限に活用する」という方向でネットブックに価値観を見出すものもおり、ハッカーギークといった技術筋に愛好心を示す者などが、技術情報系サイトなどでネットブック活用に対するさまざまな発表を行なっている様子も見出せる(→ハッカー文化)。たとえばOSにVistaを搭載するHP 2133にXPをダウングレード導入する[9]といったものから、ハードディスク搭載機種に読み出し書き込み速度の向上を目指してFlash SSDへの置き換えを図るなどといったものである。ソフトウェア面でも、必要な機能を備えながら軽快な動作をするフリーウェアを選択したり、あるいは目的となるソフトウェアを動作させるために、不必要となるOS上の機能・動作や常駐するプリインストールアプリケーションソフトウェアをシステム上から取り外し、カスタマイズするなどのテクニックも見られる。

[編集]商標問題

かつてハンドヘルドコンピュータを販売していたイギリスPSION Teklogix社が自社の商標権を侵害しているとして、一部のファンサイトに対して『Netbook』という用語の使用停止を要求している。[10]

[編集]脚注

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  1. ^exlink.gifITpro記事:Netbookとは
  2. ^exlink.gifスラッシュドットジャパン:100ドルPCの製造委託先が決定
  3. ^exlink.gifPC Watch記事:大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」
  4. ^exlink.gifITmedia記事:インテルの携帯デバイス市場進出に最高の武器──それがAtom
  5. ^exlink.gif日経PB記事:「Atomには譲らない」,VIA社もC7-M搭載の小型ノート機をずらり展示
  6. ^exlink.gifマイクロソフトプレスリリース:Microsoft Announces Extended Availability of Windows XP Home for ULCPCs(英)
  7. ^exlink.gifITmedia記事:超低価格ノートPC、ノートPC市場の5%未満で推移――IDC予測
  8. ^exlink.gifITmedia記事:7月24日に再開された「HP 2133 Mini-Note PC」の販売が再度休止――日本HP
  9. ^exlink.gifITmedia +D PC USER記事:XPなら3倍速!?Windows XP環境で「HP 2133 Mini-Note PC」を試す
  10. ^exlink.gifTechCrunch記事:[CG]Netbookは誰かがすでに登録商標済みだったんだって

[編集]関連項目

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最終更新:2009年02月14日 15:00
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