554 名前:1[] 投稿日:2008/12/13(土) 16:15:12.73 ID:JMnra0feO
~翌朝
メイコ「これに、ミクを…?」
マスター「えぇ、先日クリプトンから送られてきたわ」
レン「本当に、ミク姉は……」
リン「うっ……」
カイト「……………」
マスター「このカプセルにミクが入ってスイッチを押すと、、3分間だけミクの音源プログラムが調整されるわ。つまり、声が出るの」
メイコ「声が…」
マスター「そして、3分後、自動的にミクの体内のプログラムは…破壊される」
リン「は、かい……」
マスター「空っぽの体だけが残るのよ。
午後、クリプトンがその体をカプセルごと引き取りに来る約束になってるわ」
レン「……………」
マスター「カイト、ミクを起こしてきてちょうだい」
カイト「…分かりました」
556 名前:1[] 投稿日:2008/12/13(土) 16:19:30.44 ID:JMnra0feO
コンコン ガチャ
カイト「ミク、朝だ……!?!?」
カイト「マスター!!」
マスター「どうしたの?騒がしい…」
カイト「ミクが…ミクが部屋に、いないです…!」
メイコ「!?」
マスター「いないって…そんな!」
リン「わ、私とレンで部屋見てくる!」
レン「ミク姉…!」
マスター「カイトとメイコは外を探して!」
メイコ「分かったわ!」
カイト「は、はい!」
マスター「タイムリミットは…一時間よ!」
557 名前:1[] 投稿日:2008/12/13(土) 16:21:54.29 ID:JMnra0feO
マスター「どうしていないのよ…。
もし、もし見つからなかったら……体、粉々になるじゃない……」
メイコ「カイトはあっち探して!私はとりあえず町の方見てくるわ!」
カイト「分かった!」
カイト(ミクが行きそうなところって…どこだ?
まったく覚えがないよ……)
561 名前:1[] 投稿日:2008/12/13(土) 17:01:07.68 ID:JMnra0feO
ミク「…………」
ミク(結局、家飛び出して来ちゃった…。
だけど、家にいて、余計な心配かけながら死ぬより、この方が、ましかも…)
ガシャンッ
ミク「!?」
ミク(足が…動きにくくなってる。もう時間が迫ってるってこと?
…い、今さら怖がってどうするのよ、私。
もう決意は…できてるのに……)
ピリリリリリ ピリリリリリ
カイト「もしもし」
マスター『カイト?あんた、まだ見つからないの!?』
カイト「すみません、今全力で探してるんですが……」
マスター『あと30分よ!早くして!』
カイト「…もし、それに間に合わなかったら?」
562 名前:1[] 投稿日:2008/12/13(土) 17:03:21.05 ID:JMnra0feO
マスター『…なくなる』
カイト「へ?」
マスター『ミクの体が、粉々になってなくなるの!』
カイト「!?」
マスター『だから、早くして!』
カイト「分かりました、すぐに見つけ……!!」
カイト(あのツインテール…!)
マスター『カイト?ねぇカイト!?』
カイト「マスター、どうやら間に合いそうです」
マスター『…早くしてよね』
ピッ..
565 名前:1[] 投稿日:2008/12/13(土) 17:06:06.79 ID:JMnra0feO
ミク「…………」
カイト「見つけた」
ミク「!?!?」
ミク(お、お兄ちゃん…どうしてここに?)
カイト「ミク、早く帰るよ?」
ミク「………」
カイト「お願いだから、言うこと聞いて?」
ミク フルフル..
カイト「…このままじゃ、ミクの体ごと、ここで粉々になるよ?」
ミク「!?」
568 名前:1[] 投稿日:2008/12/13(土) 17:10:32.18 ID:JMnra0feO
カイト「マスターが言ってた。クリプトンから送られたカプセルに入らないと、ミクは粉々になってしまうんだって」
ミク(…そんな……)
カイト「お願いだよ、ミク…。どんな理由かは知らないけど、お兄ちゃん、ミクが粉々になるのだけは、嫌なんだ…」
ミク「…………」
ミク(お兄ちゃん…)
ミク コクリ..
カイト「ミク、いいの?」
ミク コクリ..
カイト「…ありがと、ミク……」
569 名前:1[] 投稿日:2008/12/13(土) 17:13:45.75 ID:JMnra0feO
~自宅
リン「ミク姉!!」
レン「どこ行ってたんだよー!」
メイコ「もう、お馬鹿さんなんだから…」
マスター「急いで!時間がないわ!」
カイト「ミク、あの中に入って。3分だけ…3分だけ音源プログラムが調整されるから」
ミク「!」
ミク(喋れるってこと?)
マスター「さぁ、早く!」
570 名前:1[] 投稿日:2008/12/13(土) 17:16:12.33 ID:JMnra0feO
ガシャン...
マスター「いい?スイッチ、押すわよ」
ピッ..
ピピ..ガガガガ..
マスター「ミク、喋れる?」
ミク「…ま、すた……」
メイコ「!!」
リン「ミク姉が…」
レン「喋ってる……」
カイト「………」
ミク(私…喋れてる……?)
574 名前:1[] 投稿日:2008/12/13(土) 17:21:39.64 ID:JMnra0feO
ミク「あ、私…」
マスター「…何か、言い残すことはない?」
ミク コクリ..
ミク「リン、レン…。私、二人と遊んでるとき、すっごく楽しかった……」
リン「ミク姉…」
ミク「初めてキャッチボールしたとき、私、すごい二人に馬鹿にされたけど、
それが二人なりの気遣いだって、気づいてたよ」
レン「ふ…ぅ……」
ミク「二人と会わなかったら、テレビゲームの楽しさ、外で遊ぶ爽快感、味わえなかった。ありがとう」
リン「みぐ…ね…ぇ……」
レン「ばかやろー…」
577 名前:1[] 投稿日:2008/12/13(土) 17:26:33.95 ID:JMnra0feO
ミク「めーちゃんは、料理とか全然したことない私に、みーとすぱげてぃとか、いろんな料理教えてくれたよね…」
メイコ「…………」
ミク「この家来たとき初めて手伝ったとき、最後までできなくて、悔しかった…。
でもね、それでも丁寧に教えてくれたから、お兄ちゃんにみーとすぱげてぃ褒めてもらえたし、
みんなにクリスマスケーキを作ることができた…」
メイコ「…ミク、褒め方、いつの間に上手になったのね……」
ミク「思ってることを素直に言っただけだよ…ありがとう」
メイコ「いいえ…どういたしまして」
582 名前:1[] 投稿日:2008/12/13(土) 17:33:23.27 ID:JMnra0feO
ミク「マスターは、突然家にやってきた私を、何も不審がったり嫌がったりしないで、温かく迎えてくれたよね。
私、本当に嬉しかった。
不自由なくこれたのは、マスターのお陰です」
マスター「そんな…私なんて、当たり前のことをしたまでよ……」
ミク「普通はできないよ、こんなこと。
それに、仕事で疲れてる中、私なんかに構ってくれて、本当にありがとう…。
マスターには、感謝してもしきれません……」
マスター「ミク…こちらこそ、ありがとう……」
590 名前:1[] 投稿日:2008/12/13(土) 17:39:25.15 ID:JMnra0feO
ミク「最後にお兄ちゃんだけど…」
カイト「ミク………」
ミク「…お兄ちゃんは、馬鹿だよ」
カイト「ば、馬鹿…!?」
ミク「そうだよ!馬鹿…。いくら天然でも、やっていいことと悪いことがある……」
メイコ「ほんとよ、バカイト…」
カイト「…?」
ミク「くす…でも、すごい感謝してる。お兄ちゃんも、仕事忙しいのに私とデートしてくれて…ありがとう。
今だから言えるけど、お兄ちゃんは…私の初恋の相手です」
カイト「ミク……」
595 名前:1[] 投稿日:2008/12/13(土) 17:45:07.40 ID:JMnra0feO
ミク「私は、世界一の素敵な家族の一員になれた、世界一の幸せ者です!
私はもういなくなるけど…、この思い出は、永遠だよ」
メイコ「ふ…うぅ……」
リン「うわああああん!」
レン「ミク姉の馬鹿ああ!」
マスター「ミク…こちらこそ、ひぐっ…ありがとう……」
ミク「それじゃあ、さようなら…」
カイト「…ミク!!」
ミク「?」
カイト「僕も…僕もミクが好きだよ!一人の女の子として!!」
ミク「!……っ、お兄ちゃん……」
ガシャンッ ギギーッ
ガン! シュー...
596 名前:1[] 投稿日:2008/12/13(土) 17:50:20.88 ID:JMnra0feO
カイト「…み、く……?」
マスター「………」
メイコ「マスター、ミクは…?」
マスター「……バイバイ、ミク」
メイコ「!!」
リン「ミク姉……」
レン「ちくしょー……」
カイト「……っ」
メイコ「ちょっ…カイト!?」
600 名前:1[] 投稿日:2008/12/13(土) 17:53:04.58 ID:JMnra0feO
ピッ シュー..ガゴンッ
カイト「ミク…」
そっ..
カイト「ミク、ミク、ミク……返事してよ、僕の名前読んでよ、ねぇ、ミク、ミクってば…」
マスター「……っ」
パンッ!
メイコ「ちょ…マスター!」
マスター「正気を取り戻しなさいカイト!
一家の大黒柱がそんな不安定でどうすんの!」
カイト「あ…僕……」
マスター「…だいたい一時間後にクリプトンが来るわ。
それまで、カプセルの蓋は閉めておいて」
カイト「…はい、マスター……」
ピッ ガシャンッ..
604 名前:1[] 投稿日:2008/12/13(土) 17:57:23.78 ID:JMnra0feO
~一時間後
業者「それでは、VOCALOID2、初音ミク、回収します。お疲れ様でした」
マスター「えぇ、ありがとうございます」
バタン..
リン「…ついに、ミク姉、行っちゃうんだね」
レン「………寂しいよ、俺……」
メイコ「……………」
マスター「…さよなら、ミク」
605 名前:1[] 投稿日:2008/12/13(土) 17:59:51.07 ID:JMnra0feO
メイコ「ねぇ、カイト」
カイト「何、めーちゃん」
メイコ「あんたさ、最後に、ミクに『一人の女の子として好きだ』って言ったわよね」
カイト「ん…」
メイコ「あれさ、本当なの?」
カイト「…ん……」
メイコ「…言うの遅すぎだっつの、馬鹿……」
606 名前:1[] 投稿日:2008/12/13(土) 18:05:43.51 ID:JMnra0feO
―ミクがこの世を去って1ヶ月、家もだいぶ落ち着きが見られた頃、家に一本の電話が掛かってきた
プルルルルル プルルルルル
マスター「もしもし。……えぇ、そうですが…。
………なんですって?それは本当に…?
……!!」
リン「メイコ姉、ちょっといいー?」
メイコ「ん?何よ一体」
リン「ここなんだけど…………」
ガチャン!!
レン「ひっ!!」
カイト「わ!マスター、いきなりなんですか!」
マスター「ハァ、ハァ…。落ち着いて聞いて。
今、クリプトンから電話があったの」
メイコ「クリプトン?」
マスター「えぇ、実は…」
609 名前:1[] 投稿日:2008/12/13(土) 18:11:17.48 ID:JMnra0feO
メイコ「ミクが復活するですって!?」
リン「な、何言ってんのよマスター…。
エイプリルフールはまだまだ先だよ?」
マスター「違うの!本当なの!!
なんでもクリプトン社の解体班がミクの体をよく調べてみたら、
ミクの体内は傷一つない無傷だってのよ!」
カイト「無傷って…ということは、消えたプログラム以外は異常無しという…」
マスター「そういうこと!」
メイコ「ということは、ミクの体を新しくプログラミングすれば…」
リン「再びミク姉が動くんだね!?」
マスター「そうなの!」
カイト「す、すごい……」
612 名前:1[] 投稿日:2008/12/13(土) 18:16:14.36 ID:JMnra0feO
マスター「あ、でも…」
リン「?どうしたの?」
マスター「ミクの体は、所謂『空っぽ』なのよ。
だから、例え新しくプログラミングされても、記憶は……」
リン「あ……」
メイコ「そっか、1ヶ月前に、ミクからは全てもぎ取られたんだものね……」
カイト「…………」
レン「いいんじゃねぇの?」
マスター「レン…?」
レン「例えミク姉が、今までの俺らとの記憶が消えていても、ミク姉はミク姉なんだし…」
メイコ「そうよマスター!」
リン「私も来てほしい!ミク姉に、もう一度…!」
カイト コクリ
マスター「みんな…。
分かったわ、今すぐ電話してくる!」
613 名前:1[] 投稿日:2008/12/13(土) 18:20:51.32 ID:JMnra0feO
リン「ミク姉が…もう一度ミク姉が帰ってくる!」
メイコ「またミクと料理ができるわ!
まだ教えてないレシピがたくさんあるのよ!」
カイト「ミク…ミクにもう一度会える……ミクが…」
レン「しっかりしろよカイト兄!」
カイト「う、うん…!」
マスター「聞いてきたわ、今」
メイコ「ミクは?ミクはいつ来るの?」
マスター「まぁあまり興奮しないで。
ミクが来るのは…」
614 名前:1[] 投稿日:2008/12/13(土) 18:23:51.53 ID:JMnra0feO
~二週間後
「ごめんくださーい!」
バタバタバタ ガチャッ
マスター「ミクー!」
リン「ミク姉おかえり!」
レン「久しぶりミク姉!」
カイト「おかえりなさい!」
ミク「え、えと…」
メイコ「こら!一応初めましてでしょ!?」
マスター「あ、そうだた……」
カイト「つい……」
ミク「……………?」
615 名前:1[] 投稿日:2008/12/13(土) 18:28:20.09 ID:JMnra0feO
メイコ「はい、お茶よ」
ミク「あ、ありがとうございます。
挨拶遅れました、VOCALOID2、初音ミクです。
今日からお世話になります、よろしくお願いいたします!」
マスター「いえいえ、私がマスターよ。
で、こちらは鏡音リン・レンにMEIKO、そしてKAITOよ」
ミク「初めまして、よろしくお願いします!」
624 名前:1[] 投稿日:2008/12/13(土) 18:35:08.97 ID:JMnra0feO
リン「私のことは気軽にリンって呼んで!私がお姉ちゃんだから」
レン「一応弟のレンだけど、精神年齢はリンより上だぜ」
リン「何をー!」
レン「あくまでも俺は本当のことを言ったまでだ」
ミク「………」
メイコ「はいはいうるさいよ!
私はお姉ちゃんって呼んでくれればいいわ。
主に主婦業を担当してるの」
カイト「僕は作家のマスターの担当として出版社に勤めてるんだ。
お兄ちゃんって呼んで」
ミク「ありがとう!
早速呼ばせてもらいます」
627 名前:1[] 投稿日:2008/12/13(土) 18:38:59.87 ID:JMnra0feO
メイコ「カイト、私らまだ掃除とかするから、ミクと二人で散歩でも行ってきなよ」
カイト「うん、任せて」
レン「あ、なら俺mひでぶ!」
マスター・リン「あんたはいいの」
ミク「…………?」
カイト「じゃ、ミク、行こうか」
ミク「あ、はい。お願いします」
630 名前:1[] 投稿日:2008/12/13(土) 18:42:43.99 ID:JMnra0feO
カイト「ふぅ…寒いね」
ミク「本当ですね」
カイト「とりあえず、公園にでも行こうか」
ミク「公園あるんですか?」
カイト「うん、結構大きいね」
ミク「行きたいです!」
カイト「よし、それじゃ決まり。
あと、僕らはもう家族なんだし、敬語なんて使わなくていいから」
ミク「あ、はい…じゃなかった、うん!」
633 名前:1[] 投稿日:2008/12/13(土) 18:46:54.76 ID:JMnra0feO
チャリーン..
ミク「あっ!!」
カイト「どうしたの?」
ミク「指輪が…」
カイト「指輪?…………!」
ミク「良かった、何も傷付いてなくて……」
カイト「…その指輪は……」
リン「え?あぁ、私が目覚めたら、これが付いてて…。
よく分からないけど、すごく大切な物のような気がして…。
それに、お兄ちゃんと、こことか歩いたことがあるような気がする。
不思議…初めて来たのにね」
カイト(ミク……)
カイト「…これからよろしくね、ミク」
ミク「?うん!」
最終更新:2008年12月14日 18:09