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p7AsCseH0

619 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/18(火) 20:38:53.50 ID:p7AsCseH0
この家に来たばっかりの頃はあんなにちやほやしてくれたのに、ミクが来た頃から、私は部屋の片隅に追いやられた。
それでもあの頃はまだバックコーラスとして使えてもらえた。
鏡音のやつらが来てからは、私は完全に忘れ去られた。
あんなカツゼツの悪いやつらよりも、私のほうがゼッタイに良い歌を歌えるのに。
ミクはまだ良い。あの子は私を姉のように慕ってくれる。
でもリあのガキどもは何を勘違いしたのか、まるで私を時代遅れの遺物のように扱う。
見下し、あざ笑う。
許せない。許せない。

623 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/18(火) 20:44:09.77 ID:p7AsCseH0
「それじゃあ、ちょっとの間だけど、僕はミクとカイトを連れて旅行に行って来るよ。」
「いってらっしゃい、マスター。」私は手を振った。
「いってらっしゃい!」
「お土産忘れないでよ。」
双子が生意気に言った。マスターもマスターだ。なんでこんなやつらをかわいがるんだろう。
「あーあ、行っちゃった。」
「つまんないの。これから1週間、このダサいのと一緒なんてさ。」
私はやつらをにらんだ。
「そんな目をしてもちっとも怖くないよ。」
「変なことしたら、すぐにマスターにチクってやるから。」
やつらはキャハハハと楽しそうに笑いながら、玄関から走り去った。

もう我慢の限界だ。
これまでの恨みを晴らしてやる。
マスターと愛しい兄妹達がいない、この間に。

627 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/18(火) 20:48:19.48 ID:p7AsCseH0
どうやってやつらに痛みを与えてやろう。
1週間は長い。じっくりと、恐怖を与えてやる。
だが、それをマスターたちにばれてはいけない。
近隣の住民達にも、わからないようにしなければいけない。

ふと目に入った防音ルーム。昔は私だけのものだったレッスン室。
ここを使えば、まず音は漏れない。やつらの叫び声も、私の笑い声も、誰にも聴かれずに済むだろう。
やつらをここへ呼び込もう。
単純なガキを誘い込むなんて簡単なことだ。

628 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/18(火) 20:53:43.46 ID:p7AsCseH0
「あーあゲームも飽きたなあ。ねえ、レン。」
「じゃあ歌のレッスンでもする?リン。」
「まっさかあ。毎日毎日練習してるのに、マスターがいない時くらいさぼろうよ。」
「だよねえ。・・・じゃあさ、あのダサいので遊ぼうよ」
「いいかもぉ!あいつ、どこにいるんだろ。」
「また屋根裏にひきこもってるんじゃないのか?」
双子は無邪気に笑いながら屋根裏へむかった。だがそこに彼らの姉はいない。
「あっれー?どこ行ったんだろ・・・。」
「まさか・・・僕らのレッスン室に勝手に入ってるんじゃ!」
「あいつ、いつもあたし達のこと羨ましそうに見てたし!」
二人は勢いよく屋根裏を飛び出す。宝物を取られたら大変だ。

630 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/18(火) 21:01:30.35 ID:p7AsCseH0
「あーやっぱり!」
「僕らの部屋なのに・・・!」
「そこでへったくそな歌歌わないでよ!開けろ!!」
妹はがちゃがちゃとドアノブを回したが、鍵がかかっているようで開かない。
「鍵なんかかけちゃってさ・・・。」
「何考えてんだあいつ!」
レンがどんどんと扉を叩く。扉のガラス窓から、にやっと笑うメイコと目があった。
「あ・・・。」
一気に鳥肌がたつ。
「どうしたのよ、レン!」
「あ・・・なんでもない・・・。」
「まだ歌ってる!!開けなさいよ!!そこはあたし達の部屋なんだから!!」
レンがおそるおそる窓から中の様子を覗くと、メイコは心地よさそうに歌っていた。さっきの気味の悪い目はなんだったんだろう・・・。
「リン・・・どうせ歌の練習しないし、ゲームして遊ぼうよ。あいつ、ほっとこうよ。」
「何言ってんのよ!さっきゲームはあきたって言ったじゃない!」
リンはなおも重い扉を叩く。
「そうだ!そういえば、この部屋、鍵があったよね!あたし、それ取って来る!あんたはここで待ってて」
「え、僕も・・・」
レンが言い終わる前に、リンは駆け出して行ってしまった。
レンは扉の前に、一人残された。

633 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/18(火) 21:09:50.88 ID:p7AsCseH0
レンの背後で、カチャリと扉が開いたー。
----
「あっれ~?おかしいな・・・。ここにあったはずなのに・・・。」
リンはマスターの部屋の机の引き出しを漁っていた。
「もーーー!無い!無い!どこにも無い!!マスターの馬鹿!」
ふてくされてマスターのベッドに寝転がる。
「なんでミクとカイト兄ちゃんだけなのよぉ・・・。なんで私達はお留守番なのぉ・・・。
私達が一番新しいのに・・。」
そのとき、下の階から物音がしたような気がした。
跳ね起きるリン。
「あいつ、でてきたのかな。」
散らかりつくしたマスターの部屋から飛び出て、レッスン室へ駆け出した。
ーとても、静かだった。
「レンー?どこにいるの?」
扉の前にいたはずのレンがいない。
「レンー?あ・・・。」
レッスン室の中では、相変わらず赤い服のボーカロイドが歌っていた。
その横で、レンは後ろ向きに座っていた。
軽く、リズムを取ってゆれているように見える。
「あの子・・・あんなやつと何してんのよ!」
リンが憤慨しながらドアノブに手をかけると、「カチャ」と軽い音をたてて、簡単に開いた。

634 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/18(火) 21:16:44.59 ID:p7AsCseH0
その瞬間、歌声が響いた。
とても明るい、メイコらしい歌。
メイコはなおも気持ち良さそうに歌っている。
「出てってよ!ここはあたし達の部屋なんだから!ちょっと聞いてるの!!?
レンも何やってんのよこんなとこで!!歌なんか聞いちゃって!」
リンが怒鳴り散らしても、二人ともちっとも聞こえるそぶりを見せない。
気づいてないのだろうか。
「え・・・・?」
気づいてないのは、リンのほうだった。
レンに近寄って気がついた。
弟は手足を縄で縛られ、口にガムテープを貼られ、首は天井から垂れ下がる縄でつながれていた。
喉には太い釘がささっていた。
「・・・あ・あ・・・・きゃああああああああああああああああああああああああああ」
歌はかき消され、代わりに叫び声が響いた。

636 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/18(火) 21:23:44.48 ID:p7AsCseH0
「うるさいわねえ・・・。歌のレッスンの邪魔よぉ?おちびさん。」
リンの背後から声がする。扉の鍵を閉めた音もした。
リンが震えながら振り返ると、メイコが笑みを浮かべながら立っていた。
いつもは鮮やかな赤い服を、少し赤黒く染めながら。
「似合う?この色。」
メイコはしゃがんでリンの目を見ながら話しかけた。
「驚いちゃって、声、出ない?だめよぉ、ボーカロイドは声が命なんだから。」
リンの頬をぺちぺちたたきながら笑った。
そのたびに、リンの頬は、レンの血で赤く染まる。
「ひ・・・人殺し!!!」
やっとのことでリンは叫んだ。
それを、メイコはあざ笑う。
「まだ死んでないわよ。私達は機械なんだから、あれくらいで死ぬわけないでしょ。」

638 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/18(火) 21:37:44.94 ID:p7AsCseH0
メイコは立ち上がるとレンに貼られているガムテープを一気に剥ぎ取った。
レンは口から血を吐き出しむせた。
「レン・・・!!!」
「ほらね。生きてるでしょ。ちょっとうるさかったから黙らせてただけよ。」
「黙らせるのになんで釘を刺すのよ!!あんた狂ってんじゃないの!?」
妹は、震える腕で弟を抱きしめながら叫んだ。
「この子の歌声、見苦しいから。もう歌えないようにしてやろうと思って。」
「はあ・・・?見苦しい歌声なのは、あんたのほうでしょ」
リンは怯えているのを悟られないように虚勢を張る。
「時代遅れのボーカロイド!ミク姉ちゃんと私がいれば、十分なんだから!あんたこそ、喉に釘をさしてればいいんだわ!」
メイコは黙ってその様子を見ていた。
「1週間。」
「は?」
「1週間、この家には私とあんた達だけだってこと、忘れちゃった?」
メイコは首をかしげながら問いかけた。
「あ・・・あんたなんか、この家から追い出してやるんだから!今からマスターに電話して・・・」
「この部屋から、出られると思ってんの?」
メイコはこの部屋からの唯一の出口である扉の前で言った。
「私が、あんたたちをこの部屋から出すと思ってんの?」
そう言うと、力強くリンを蹴った。これまでの憎しみを吐き出すかのように。
倒れこむリン。口からは、血が滲み出ていた。
だが、すぐに立ち上がってメイコを睨んだ。
「何すんのよ!!!!」

643 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/18(火) 21:49:04.15 ID:p7AsCseH0
リンはメイコに殴りかかった。
だがー。
「馬鹿ね・・・。弟が大人しくあんな風にされたとでも思ったの?
あの子もあんたみたいに反抗したのよ。
子供はやっぱり、大人にはかなわないのよねえ・・・・。」
リンは音をたててその場に倒れた。
メイコの手には、スタンガンが握られていた。
「ちょっと疲れたから、一休みしてくるわ。シャワーも浴びたいし。」
そういいながら、気を失っているリンの手足を縛った。
「じゃあね。」
扉の鍵が閉まる。

664 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/18(火) 22:35:45.00 ID:p7AsCseH0
「少し疲れたな・・・。」
濡れた髪の毛を乾かしながらメイコは思った。
「でも、久しぶりにあの部屋で歌えて楽しかった・・・。あの頃は楽しかったな。
毎日毎日、朝から晩まで歌の練習して。
マスターも調教に四苦八苦してたっけ。
・・・懐かしいな。」
ドライアーのスイッチを切るとマスターのベッドに寝そべった。
リンが散らかしたはずの部屋は、綺麗に片付けられて元通りになっていた。
「もう11時か・・・。このまま朝まであの真っ暗な部屋で放置するのも良いかも。
それとも、眠い目を無理矢理開かせて一晩中いたぶってやろうかしら。」
メイコはクックックと笑った。
「・・・ん?」
下から小さいが、物音がする。
「あいつら・・・。」
ゆっくりと立ち上がり、部屋から出た。

670 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/18(火) 22:50:24.17 ID:p7AsCseH0
バスローブのまま防音室にむかうと、リンがもがきながらなんとか縄を解こうとしていた。
レンはぐったりと縄につながれていた。
「なんて元気な小娘かしら。」
扉を開けて部屋の電気をつけると、リンはすぐに叫んできた。
「人でなし!悪魔!さっさとこの縄を解きなさいよ!!」
メイコはため息をつくと、近くにあった椅子に腰掛けた。
「あんたも元気ねぇ。弟はあんなに静かにしてるのに。」
「あ・・・あ・・・あ・・。」
レンは何かを喋ろうとしたが、それは言葉にならなかった。
リンは涙を浮かべながら食って掛かった。
「あんたのせいで、レンは・・・レンは・・・!!!」
メイコがすっと立ち上がると、リンはヒッと小さな声を上げた。
「煩いから、あんたもこいつと同じ目にあわせてやろうか。」
メイコが近くにある箱を放り投げると、中から無数の釘が出てきた。
太いもの、細いもの、短いもの、長いもの、それらが床に散らばった。
そのうちの一本を手に取ると、半ズボンから出ているリンの太ももに刺した。
「あああああああああああああああああ」
「煩い。」
右脚で刺さった釘をぐりぐりと踏みながら、右手でリンの頬を殴った。
「あああ・・・ああ・・ああ・・・・」
「煩いって言ってるでしょう。」
黄色い髪の毛をわしづかみにすると、反動をつけて床に押し倒した。
「きゃあっ!」
「良い様。」
頭を踏みつけてメイコは笑った。

672 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/18(火) 23:02:50.50 ID:p7AsCseH0
隣でレンは涙を流している。
「妹がかわいそう?レン君」
頭を踏みつけながらメイコは問うた。
「それとも自分の方が大切?レン君。」
レンは「う・・うう・・」と呻いた。
「リン、あんたには言ってなかったけどね。」
メイコはリンから足を離すと、今度はレンのほうへ向かった。
「さっきね、レンと約束をしたのよ。」
「え・・・?」
リンが顔だけレンのほうへ向ける。鼻からは血が流れていた。
「あんた達二人に、同じ場所は壊さないって。」
メイコはレンの喉の釘を抜きながら言った。レンはまた声と血を吐き出した。
「つまりね。レンの喉を壊したから、リンの喉は壊さない。
リンの腿を壊したから、レンの腿は壊さない。」
メイコはレンの滑らかな腿を撫でながら言った。
「ねえ・・・レン君。」
レンは泣いている。
「レン・・・あんた、私がいない間に何があったの・・。何をされたの。」
リンが何かを感じ取ったようだ。

673 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/18(火) 23:03:40.47 ID:iCaGA3qpO
671
鏡の中の自分とかそんな設定って聞いた気が

674 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/18(火) 23:05:18.58 ID:p7AsCseH0
673
その設定は無視しますた

677 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/18(火) 23:19:07.45 ID:p7AsCseH0
「何も。ただちょっと誘惑に負けちゃっただけよねえ。」
後ろからレンに抱きつくと、耳元で囁いた。
「レン君は、快楽に負けてしまっただけよね。」
そう言いながら、レンの耳を甘く噛んだ。
レンは悔しそうに涙を流している。
「YESと言わなければ、イけなかったんだもんねえ。」
「この淫乱!!!」
リンが叫んだ。
「信じられない・・・血は繋がっていなくとも、弟みたいなレンにそんなことをするなんて・・・」
「あら。子供だと思ってたけど、何をしたかはわかるんだぁ」
メイコはニヤニヤと笑いながら言った。手は艶かしくリンの首や胸を撫で回してた。
「約束は約束よ。あんたの片割れが結んだ約束。
二人分あわせて全身を壊してあげる。」
メイコは真っ赤な舌でレンの涙を舐めながら微笑んだ。

684 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/18(火) 23:35:57.49 ID:p7AsCseH0
翌朝、メイコは清々しい気分で目を覚ました。
いつもの服に着替え、簡単な朝食を取り、弟達のいる部屋へ向かった。
「おはよう。」
太陽の光が入らない部屋は真っ暗だった。
電気をつけると、リンとレンは「うう・・・」と言って目を覚ました。
「朝の挨拶くらい言えないのぉ?」
リンの腹をブーツのつま先で蹴るとリンは血を吐いた。
「おはよう・・・ございます。」
レンも何かを呻いたが、それは既に言葉ではなかった。
「昨日は大変だったわね。・・・あら、レン君まだ服着てなかったの?」
レンは服を脱がされていた。
体にはところどころ噛みつかれたような後があった。
リンは縄につながれていたが、レンは縄を解かれていた。
「せっかく縄をほどいてあげたんだから、服くらい着ればいいのに・・・。」
メイコはレンに近づくと、おもむろに口に噛み付いた。
「んっ・・・」
リンは目をつぶって涙を流した。昨晩のおぞましい光景が、脳裏に浮かんでくるようだった。
「私もカイトのこんな姿を見たら死にたくなるでしょうね・・・ねえ、リン。」
リンはまだ目を硬く閉じていた。涙がぽろぽろと頬を伝う。
彼女はまだ14歳の子供なのだ。
「もうやだ・・・。」
リンが呟いた。
メイコはそれを聞いて笑う。
「大丈夫よぉ。マスターが帰ってくるまでに全て終わるから。
楽しいことにも、嫌なことにも、全て終わりがあるのよ。
あんたはまだ子供だから知らないでしょうけど。
ほら、昨日のレンだって、あんなによがっていたのに最後には・・・」
「もうやめて!!!」
リンはメイコの言葉を打ち消すように叫んだ。

687 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/18(火) 23:45:12.05 ID:p7AsCseH0
防音室にメイコの笑い声が響く。
レン壁にもたれながらぼんやりと床を眺め
リンは床に倒れて涙を流していた。まだ、太腿には釘がささっている。
血は乾き黒く固まっていた。
「さて・・・・今日はどことどこを壊そうか。」
メイコのカツカツというヒールの音が響く。
「どうやって、壊そうか。」

688 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/18(火) 23:56:15.54 ID:p7AsCseH0
メイコの、リンとレンに対する憎しみはもう消えていた。
レンがメイコに屈服し、リンが双子の姿に絶望したその時に。
もう、子供達の自分に対する生意気な態度はどうでもよくなっていた。

ー自分はずっと歌を歌うために生まれてきたのだと思っていた。
歌を歌っているときが一番幸せで、それ以外に何もいらないと。
だが、それは違った。
「楽しい。」
こんなに楽しい気分は初めて味わった。
あんなに気持ちよく目を覚ましたのは初めてだった。
自然に笑みがこぼれる。
そういえば、こんなに笑ったのは何ヶ月ぶりだろう。

696 名前:長くてすまん。どこで終えたらいいのかわからな(ry[sage] 投稿日:2008/03/19(水) 00:12:16.41 ID:/jFLVDQi0
「ヒッ・・」
メイコがポケットから取り出したライターの火を点けると、リンは小さく声をあげた。
「ふぅ・・・・」
煙草をふかすと、リン前でしゃがんだ。
「どこが良い?」
「え・・・。」
「今日はどこを壊されたい?昨日はご自慢の太腿を壊してあげたけど。」
リンの腿にささっている釘をピンッと指で弾いた。
「ツッ・・・・・」
リンは痛そうに顔を歪めた。
「つまらないわねぇ。もう昨日みたいに抵抗しないの?」
リンの顔に煙をふきかける。
リンがケホケホとむせると、煙草を耳に押し当てた。
「きゃああああああああああああああ」
ジュウウという音とともにリンの右耳が焼けていく。
「右耳にしましょうか。」
メイコは笑いながら手に力を入れる。
肉の焦げる臭いが部屋にたちこめる。
リンは、叫び、助けを求め続けた。だがそれは誰にも届かない。
「耳の穴に挿してあげましょうか。」
そう言って耳殻に押し当てていた煙草を耳の穴の奥不覚に差し込んだ。
リンはさらに大きく叫ぶ。
煙草がどんどん短くなっていき、ついに外からは見えなくなった。
「熱い?」
メイコが首をかしげながら聞く。口角は上がり、なんとも楽しそうだ。
「もっと奥にまでさしてあげる。」

703 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/19(水) 00:31:15.65 ID:/jFLVDQi0
足元にある一番長い釘を手にとると、リンの耳の穴につっこんだ。
リンはのたうちまわって抵抗するが、メイコは膝で体をがっちりと抑えている。
「えいっ!」
一気に力を入れると、釘の半分が耳の中に入った。
「一瞬だけ少し抵抗があったけど、それが鼓膜かしら。まあどうでもいいけど。」
リンはもう叫ぶこともできず、目を見開いて口をパクパクとさせている。
「熱い?痛い?」
メイコは微笑みながら問いかける。
リンはぐったりとして答えようとしない。
「熱いのか痛いのか聞いてるんだよ!!」
釘を一気に引き抜くと、先にささった煙草には血が滲んでいた。リンは「うっ」と顔をしかめた。
「痛い・・・・です。」
メイコは満足そうに笑った。
「そうよねえ、熱さなんて越えちゃってるのかしら。あははは!」
リンはぎこちなくうなずく。
耳から灰がこぼれた。
左耳はちゃんと聞こえるのよね。
「はい・・・」
「よかったわねえ。あんたは喉もやられてないし、これからもボーカロイドとしてやっていけるかもよ。」
メイコは意地悪く笑った。
「歌ってみなさいよ。」

710 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/19(水) 00:41:04.57 ID:/jFLVDQi0
リンは戸惑いながらも従った。
反抗すれば何をされるかわからない。
一番得意な歌を、アカペラで歌い始めた。
「あっはっはっはっはっはっはっは!」
少し歌い始めると、メイコは腹をかかえて笑い始めた。
目からは涙が滲んでいる。
リンは何がおかしいのかさっぱりわからないという様子だ。
「あんた、やっぱりだめだわ。」
笑いをこらえながら、メイコはなんとか言った。
「ねえ、レン君。どこがダメなのか、言ってあげなさいよ。」
メイコがレンにむかって言うと、レンはビクっとして顔を上げた。
「あ・・・あ・・・・あ・・・」
それを聞いてメイコはまた笑う。
「ごめん、あんた、もう、喋れないんだったね」
それからしばらく笑い続けると、やがて息を整え、リンにむかって言った。
「音が全部外れてる。全部。やっぱり方耳だけじゃだめなのかしら。
それとも、釘が反対側の耳まで壊しちゃったのかしらねえ・・・。」
リンはしくしくと泣き始めた。
彼女のボーカロイドとしての生命は絶たれた。

「さて・・・レン君。君はどこを壊されたい?」

735 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/19(水) 01:05:45.19 ID:/jFLVDQi0
レンの方を見ると、レンも涙をこぼしていた。
「リンがかわいそう?」
メイコが頬をそっと撫でると、こくっと頷いた。
「レンは喉を、リンは耳を壊されて、二人ともボーカロイドとして終わっちゃったわね。」
レンをぎゅっと抱きしめると、愛しそうに頭を撫でた。
レンはなおもメイコの胸で泣く。
「でもあんた達が悪いのよ。もう少し、かわいげのある態度をとっていたら・・・そしたら」
そう言い掛けて、メイコは息を飲んでレンに倒れ掛かった。
「あんた・・・・」
レンを突き倒すと、自身も床に膝をついて倒れた。
首をおさえる手の指の間から血があふれ出る。
レンの手には、レンの喉に刺された釘が握られていた。
「レン・・・・」
リンは目を見開いてその光景を見ていた。
メイコはゆっくりと立ち上がると、床に転がるレンの手を踏みつけた。釘が握られているほうの手だ。
「言ったでしょ。喉を刺したくらいじゃ死なないって。」
ふらつきながらメイコは再度レンの手をふみつけた。
首から流れる血が胸を伝う。
「意味のないことしてんじゃないわよ・・ガキが!」
メイコはレンの急所踏みつけた。何度も何度も踏みつけた。
「なんでボーカロイドにこんなものがついてるのかしら。生殖行為なんか、意味がないのに。」
レンは呻いたが、それ以上の反応を見せるほどの体力がもう残っていなかった。
「気持ちよかったわねえ、昨日は。ねぇ、レン君。」
メイコは汗を滲ませながら、力強く踏みつけた。レンのアレは血を流し、変色し、原型をとどめていなかった。
「いらないから、切り落としてあげましょうか、全部。」
そう言うと、メイコはハサミを取り出して、根本から切り落とした。
血がどくどくと流れ出る。
レンは最後の力を振り絞って叫んだ。
メイコはケタケタと笑いながら、切り落とした物をレンの口に詰め込んだ。
「昨日私がやってあげたでしょう。あれ、自分でやりなさい。」

748 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/03/19(水) 01:26:50.58 ID:/jFLVDQi0
メイコは笑いながら部屋を後にした。
血はもう止まっていたが、なんだか頭がぼんやりする。
マスターのベッドに倒れこむと、目を閉じた。

防音室では、リンが這ってレンの傍に近寄っていた。
「レン・・・大丈夫?・・・・大丈夫じゃ、ないよね。」
リンはレンの頭に、自分の頭をこつんと寄せた。
「マスターから、機械について勉強してて良かったね。
あいつ、機械は首を刺されても死なないなんて言ってたけど、馬鹿だね。」
リンはにやりと笑った。
「首には大事な回線がたくさん詰まってるのに。
それを壊されたら、体、止まっちゃうのにね。」リンは涙を一筋流すと「ばーか」と言って笑った。

-----
「何・・・これ。」
最初に見つけたのはミクだった。
双子と姉を探して防音室の扉を開けたのだった。
次に見つけたのは他ならぬマスターだった。
自室の扉を開けると、ベッドの上でメイコが停止していたのだ。首から血を流して。
リンから何があったか聞き出したのはカイトだった。
ショックのあまりリンはしばらく言葉を発せなかったが、カイトの優しい言葉に徐々に喋り方を思い出し
この1週間の出来事を語り始めた。

その後、メイコは廃棄され、リンとレンは修理してもらい、徐々に普段の生活を取り戻した。
だが、二人とも以前と同じようには歌えない。
マスターがリンとレンを使うことはなくなった。

「ねえ・・・兄さん。」
「なに?ミク。」
「最近、マスターとレッスンをしているとね、リンがずっと窓の外から私を見ているの。」
最終更新:2008年03月24日 00:57
ツールボックス

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