92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/20(木) 02:09:32.62 ID:5Xt1IgCPO
「マスター、朝ご飯できました!」
くもりの無い表情で、ミクは笑う。
そう、ミクには悪気は無いんだ。悪気は無い。例え今がたまの休日で、朝6時で、二日酔いでも。
ミクは悪くない。
分かっていながらも、俺はイライラを抑える事が出来そうも無かった。
いつもは心地よいミクのソプラノが二日酔いの頭にキンキンと響く。
「ねえ、マスター。今日はボクにどんな歌を歌わせてくれますか?」
微笑んだまま、ミクはこちらを見下ろしてくる。
――うるさいな。
そう思ったのと、俺がミクに目覚まし時計を投げつけたのはほぼ同時だったかもしれない。
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/20(木) 02:20:00.48 ID:5Xt1IgCPO
鈍い音がした。
ミクの頭に直撃した目覚まし時計はそのまま床に落ち、壊れてしまった。
俺は、何て事を……
今更我に返っても遅い。
ミクに顔を合わせられないまま、俺は壊れた時計を見つめていた。
「マスター……」
驚いているのか、小さな声だった。
謝っても許される事じゃない。けど……!
「ミク、ごめ「ごめんなさいっ」「……へ?」
俺とミクの謝罪の声が重なる。
「ボク、石頭ですから!目覚まし時計壊れちゃいましたね……よし。治りましたよ」
驚くべき早さで目覚まし時計を直してしまうと、ミクは悪戯っ子のような笑みを浮かべ、
「でもマスターもマスターですよ。こんな至近距離で投げられたら、流石にボクでも避けられないよ」
もう、と頬を膨らませる。頭からは血が出ているが。
「さ、朝ごはん冷めますよ」
「ああ」
なんだか…頭痛も収まってしまった気がする。
頭から血をだらだらと流しながら、ミクは俺に微笑んでいた――。
最終更新:2008年03月24日 01:43