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f3NYnqGp0

220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/27(木) 22:16:22.21 ID:f3NYnqGp0
初音ミクという少女が我が家に届いた。
否、少女ではない。ハイテクの塊であろうともそれはロボットである。
故にそれに人格はない。
箱をあけ、起動させる前に片目をとりのぞく。
目を開け、眼球の周りにカッターで溝を作り、指を、ぬるり、と差し込み、思い切りひっぱる。
出てきたのはコンタクトのような白目、黒目。
それに付着している無機質なカメラ。こんなものでは駅前の監視カメラと大差ない。
ニッパでカメラの線を切断する。前準備はこんなものでいいだろう。
取り出した眼を鍵のついた箱にしまい、ミクを起動した。

221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/27(木) 22:16:49.17 ID:f3NYnqGp0

「おはy、え、いや、おかしいです。みえない、眼がない?どうして?」
「挨拶すらできないんだね、君は。ぶつぶつ言ってないでさ。」
しゃがみこんでいるミクの頭を踏みつけ、不完全な土下座の体勢とする。
「痛……ご、ご主人様、わたし、片目が見えなくて……」
ぐりぐり、ぐりぐり
「ぶつぶつ五月蝿いな。ちゃんとした挨拶すらできない、不良品か?君は。」
不良品、と言ったところでミクの体が少し痙攣した。
眼のことは気づかないふりをしてさらに続ける。
「どうした不良品。僕が挨拶しろ、って言ってるんだ。このぽんこつめ。」
「あ……う……お、おはようごz」
ゲシッガンッ。言い終わる前にけりつける。
「ほら、早く。なにもそんなに恥ずかしがるようなことじゃないだろう?」
「お……ひぐっ、おはようございmうう」
ぐりぐり、ごんごん、ぐりぐり。簡単には言い切らせるか。
「早くしろ。ぼくも終いにきれるぞ」
「お、おはようございますごしゅじんさま」
一息に言い終わるミク。終わったと思ったのか勢いよく立ち上がる。
僕がこけかけた。顔が赤くなる。こんなところで舐められてたまるか

222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/27(木) 22:17:13.94 ID:f3NYnqGp0
ツインテールの一本を根元から掴み、引き寄せ、側頭部を膝でける。
「ちゃんとした、挨拶をしろ、といっているんだ。ほら、早く。」
「うう……おはようございます、ご主人様。今後ともよろしくお願いします。」
「できるんじゃん。何で最初からしなかったの?」
「え、その…眼g」
「口ごたえ、か。何様のつもりだ?」
バシッ。平手で打つ。
「ごめんなさい、ごめんなさい。その、申し上げにくいことなのですが……」
「さっきからぶつぶつ言ってたな。はっきり言え。」
「私、その、左、目が、ない、取れてるみたいで」
「はっきり、言え。」
「私の左目がないんです!ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」
「そっか……不良品か。最悪だな。高かったのにさ。本当、最悪だ。電話入れてくる。箱の中に戻って寝ていろ。」
「お願いです。片目の分も頑張るのでどうか、回収は嫌、やめてくださ」
しがみつくミクをけりつける、なぐりつける、髪を掴んで壁に叩きつける。ぐったりしたミクをコードでぐるぐる巻きにする。
「最悪だよな、そういうのって。裏切られた気分だ。お前なんか買うんじゃなかった。」
ドアにミクの指を挟み、乱暴に閉じる。ミクが指を引いてからもう一度閉じた。
ミクの泣き声が聞こえてくる。最高だ。……まだ、足りない。

223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/27(木) 22:17:36.97 ID:f3NYnqGp0
リビングの固定電話から茶番を演じる。
「……返品は不可能……あ、はい、わかりました……では……」
わざとこの部分を大きく言う。
ちゃんと電話するために小声で使用後壊れたことは言った。
部屋に戻ると聞き耳を立てていたミクが這ってもとの場所に戻る音が聞こえた。
「あ、ご主人様、どうでしたか?」
表情は不安を装っている。しかし声が弾んでいる。……殺意を抑える。これも予想していたことだ。まだ、だめだ。
踏む。踏む。勢いをつけて踏む。ボールのように蹴飛ばす。……地味に足が痛くて余計に殺意が沸く。
「返品駄目、だってさ。」
ミクの表情がはじけた。
「えっと、私、頑張るんで、お願いします。私を購入してくださったこと、絶対に後悔させません!」
流石に、我慢、できないな、これは。
椅子を振りかぶり、叩きつける。思い切り。ここで壊れてもいいか、ぐらいいらいらしながら。
「お前なぁ、自分の値段言ってみろ。そのあとにさっき言ったこと言えよ、ほら、後悔させないんだろう?言ってみろよ。」
「1965000円、で、す。わ、私を、こう、にゅうしてくださった、こと、ヒック、こう、かい、さ、せ、ません……」
「うん、凄い値段だね。で、そのくせして片目がなくて、挨拶も出来ない、と。後悔ぐらいとっくにしてるから。」
「え、そんな、なんでもしますから、そんなふうに、みないで、ください。」
その後もミクは救いを求めるように、なんでもします、と繰り返した。

224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/27(木) 22:17:53.50 ID:f3NYnqGp0
どうせ売ってもろくな値段じゃないんだ。邪魔にはならないようにな。」
流石にいらいらが抑えられない。ここでもっと持ち上げなくてはこいつの悲しむ顔の価値が下がる。
なのに。
「え、あ、ありがとうございます。私は、幸せです。ありがとうございます。ありがとうございます。」
なんでこいつはこんなにうれしそうなんだろう。
本来ならばまだ足りないのだが、我慢できない。
「ところでさ、片方かけてるのが目だけ、ってなんかバランス悪いよな。」
そういいながらツインテールの右を持つ。
「え、その、どういういみで、すか?なんで、ハサミなんか、もっているんですか?」
笑顔一転、不安そうな表情。下半身がドキドキする。

225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/27(木) 22:18:07.34 ID:f3NYnqGp0
ざくざくざく。ばさり。
「え、ご主人様、ど、どうして、嫌あああ、お許しください、お許しください。」
だめだ、こんなところで欲望を開放してはいけない。我慢だ。
「ほら、これでお前が僕の持ち物だってことが遠くからでもわかるんだ。……嫌、だったか?」
ああ、気持ち悪い。こんなセリフ、なんで僕が言わなくちゃいけないんだ。
「え、え、ごめんなさい、そんな…ごめんなさい私は馬鹿です私は馬鹿です。」
ミクの表情が和らぎ、顔を赤らめて、僕を見ている。嫌になる。
まあなんとか持ち上げられたか。今のところはこんな程度でいいだろう。


つづくかも

262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/27(木) 23:56:38.54 ID:f3NYnqGp0
テレビでボーカロイド特集をやっていた。
ミクはこういうのを見る度に泣きそうな顔になる。
まぁ、自身のことを純粋に不良品だと思っているのだから仕方あるまい。
派手にダンスを披露しているボーカロイドを見ながら
「うわ…凄いなぁ…こんなことも出来るんだ…」と聞こえよがしに言う。
…我が家のミクは片目がないためバランスが悪い。何もないところでもよくこけている。
そんな中、ボーカロイドがドラマで料理人として活躍する、というものがあった。それをみてミクは
「私も…その、お料理、出来ますかね…?」と言った。
アレの動力は充電式だから食事とはすなわち僕のためのものだ。
一週間ほど勉強させ、知識と自信をつけさせた後、ちょうど生ゴミの日を狙って作らせてみた。

…それまでに消えていった食材、食費。ミクを殴っても帰ってくるものじゃない。我慢だ。
一度、あえて怒らずに、中途半端に励ましてやったら凄く泣きそうな顔をしていてぞくりとした。
そのとき思いついたアイデアを今、試してみよう。

263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/27(木) 23:57:04.65 ID:f3NYnqGp0
「ご主人様、えと、時間かかってごめんなさい。…その…美味しくなかったら…できれば具体的に…お願いします…」
「は?」
バシッ
…と、とっさに手が出てしまうとは。食べることを前提にするあたり流石不良品だ。
殺意を駆り立てることならたいていのロボットに勝てるだろう。
「…え、ご、ご主人様、ごめんなさい、だまっててごめんなさい、お鍋ひっくり返しました、お醤油入れすぎて一回大失敗……」
ゴスッ
このポンコツを家に置いている自分自身に頭が下がる思いだ。…おちつけ。ここで切れてどうするんだ、僕。
「不良品は、美味しくないと思っているものを僕に食べさせるんだ。ハァ…最悪だ…」
「え、ご主人様、私は味見できませんが、その、きっと、……」
口ごもるミク。ここは我慢。後のために。
「だから僕が味見してやるんだ。わかったら部屋に戻ってなさい。」
「……え?」
「お前なりにがんばったんだろう?不良品なりによくやったよお前は。だからちょっとは楽しそうにしろ。」
なるべくぶっきらぼうに。ミクの顔色からしてどうにかミスは致命的ではないようだ。自分のセリフに吐き気がする。

265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/27(木) 23:57:28.19 ID:f3NYnqGp0
テーブルに着く。ドアの向こうでミクが耳を澄ませているのがすりガラスを通して見える。
うまく行き過ぎて後が怖くなってきた。まあいいや。
ドレッシングがかかりすぎたサラダ、べとついたご飯、硬すぎる目玉焼き。
こんな手間隙かけずに怒鳴り散らしても許される気がしてきた。頑張れ、僕。
少し食べ、調味料を変えては少し食べ。
「…え」とか「…そんな」とか聞こえて来るおかげで何とか味の酷さは耐えしのげた。
どれも少し食べては首を横にふり、ゴミ袋に入れる。あ、ミクの嗚咽が聞こえた。最高だ。
わざと音を立ててせんべいをかじる。腹の足しになるものないかな、と呟いてみる。
ミクはすすりないている。ちょっとは隠れる努力とか知らないのかあのポンコツは。
適度に時間をたたせ、部屋を出る。生ゴミの袋を持って。
逃げようとしたミクを捕まえ、振り向かせる。頬を通る涙の跡。
「ご主人様、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…」
いや、このタイミングで言うのは盗み見していたといわんばかりだろう。流石馬鹿、流石不良品。

266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/27(木) 23:57:41.91 ID:f3NYnqGp0
「あー、いや、結構美味かったぞ。一週間後、また頼むな。」
演じる顔を演じるのは実に容易い。いかにもフォローするように言わなくては。
「おい不良品。僕が褒めてやってんだ。返事は?」
「あ、ありがとうございますご主人様…」
泣きそうな顔で、無理やり目に力を入れて。
「何睨んでんだよ。ほら、部屋に帰ってろ。」
軽く小突く。それが起爆剤となったのか。
「え、ヒグッ、ご主人、様、ヒック、私は、不良品です、役立たずです……」
泣きじゃくりながら部屋に戻っていった。一週間後またあの顔が見れると思うとぞくぞくする。

267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/27(木) 23:57:59.33 ID:f3NYnqGp0
ミクは料理をつくっても自分では食べられない。だから練習しても僕が食べなければ野良猫にでも与えることになる。
猫に素通りされたときのミクの表情といったら…食材の恨み、ここにあり、といった気分だった。
またあるとき、エンゲル係数上がってるぞ、とミクを睨みつけたら
「ごめんなさい、私が無能だから、許してください。」と謝りだしたので
殴りたい気持ちをぐっと抑えて
「不良品は不良品に頑張れば…ハァ…食費なら僕が削るからさ…」
といってやったら凄く泣きそうな顔で
「つぎやって無理だったらあきらめます。だから、許してください。」
と泣きながら言い出した。
ほんとうにうざい。次で終わりらしいから僕も気合を入れるとしよう。
最終更新:2008年04月26日 02:24
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