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- 名作
美奈子が気になっている人は読むべき
気になってなくても読むべき -- (kbt) 2019-12-08 13:43:51
- 軽快な語り口なこともあって、スイスイと読み進めることができました。それでいて、美奈子の美奈子足る所以と言いますか、らしさと言いますか、そういう所が全面に出た、良い作品でした。
大盛の説明が出るところで、「僕はいまだに挑戦したことがない。今後挑戦することもない」から「その日、僕は初めて佐竹飯店で大盛を頼んだ」という変化が、「僕」の心境の変化をこの上なく表していて、思わずため息が出てしまいました。
彼の諦めることができた強さが、受け入れることができた強さが、彼の今後を幸多きものにしてくれることを祈るばかりです。 -- (直球) 2019-07-25 09:29:18
- さて、彼が体験したのは本当に初恋だったのか? 読後、思わずそう首を捻ってしまった程に本作で語られる恋心と言うのは曖昧で、主人公である"僕"は終始、自身の引いた線の外側から美奈子という少女を眺め続けています。
しかしこれは、アイマスを題材にした二次創作においては避けては通れぬ壁のせいで。ドラマや映画ではない現実(リアル)を舞台にした場合、彼女達と友人以上の関係を築ける人間は非常に限られてくるのが一般的。…とはいえ、そういった縛りの事を前提にしても"僕"は消極的だと言えそうです。事実、彼は友人氏の助言を再三受けても「よっしゃ! 一発アタックしてやるぞ!」といった男らしい気概を見せたりしませんでした。中盤、泣いてる美奈子達を見かけても「どうかしたの?」とお節介を焼いたりする事もせず、です。そしてラスト、おじさんからの問いかけにも彼は答えをずっと濁したまま大盛り炒飯をかっ込みます。いつもと違う、変わってしまった彼女の視線が無い席で。
では一体全体それはなぜか? という答えは作中でも語られる事ですが、要するに、彼は他の美奈子に気のある男子達(モブ)よりも立場上優位に立った所で自分に満足しちゃってる。おまけに初めから諦めがあるんですね。常連のおじさん達に会うのも楽しみだってありますけど、それは一種の逃げであって。ここら辺、そうした言い訳の一つ用意しないと好きな子のいる店にも通えない卑屈な男心が垣間見えて、好きです。
となると、大盛りを頼んだのも失恋からのやけ食いより自らの不甲斐なさに怒りを覚えたようでもあり。…もしそうなら情けないですけど、私はそうとも取れるあのシーンが胸に刺さりました。結局一目惚れではあったけれど、それは好意から生じる憧れであって、だからこそ"僕"は自分の引いた線より先に、美奈子とのぬるま湯のような関係性を(それも物凄く頼りなく脆いモノです)自分から壊しに行く勇気も出せず。
ただ、だからこそ彼は美奈子のファンであり続けられる。一本の線を引いているからこそ他人事とも言い換えられる純粋さで応援する立場に立っていられるんじゃないか? とかとか。……それにこれは一読者としての願望ですが、彼の本当の初恋、恋バナはここから始まるんじゃないかって。
何やら面倒見の良さそうなおじさんもいるワケですし、発破をかけてくる友人氏の存在に、この後は必然的に登場するであろう年上のデキる社会人ライバル!(言わずもがなPの事ですね)と盛り上がる要素は盛り沢山です。今後も主人公である"僕"が常連客という立場に甘え、勇気を出さないままならこの憧れは恋にならないでしょう。しかし! 彼が一念発起の思いで何かしらの行動を起こした先の未来にならば――後年、当時を振り返って「確かにアレは初恋だった」と語れるだけのハッキリした結末が来るんじゃないでしょうか? 出来れば一"僕"ファンとして、彼の恋路の決着を読んでみたいものですが…立ち塞がる壁は生半可じゃないぞ。
あ、後ですね。最後になりましたが冒頭で不明瞭だった美奈子の個人情報が終盤、アイドルになった途端にプロフィールとして世間に公開され、"僕"が知りたくてたまらなかったであろうアレやらコレやらがあっさり手に入ってしまった演出もお気に入りです。いやぁ、この時の"僕"君の心境を考えるや…全体
- 爽やかで、なんだか救いのある失恋で良いなと思いました。
登場人物がことごとく灰汁のない上品なキャラクターなのが特に好きです。 -- (azuu) 2019-07-18 00:44:11
- ああこういうの好きです!とても良いです! -- (もりやりりを) 2019-07-09 22:41:01
- 青春っていいなあ! -- (セガタンボ) 2019-07-08 21:18:58
- 同級生ものは結末が失恋で終わることが多く、なんだか読んでいて切ない悲しい気持ちになるものが多いですが、スッキリ後味よく楽しく読めました。
アイドルとは違う普通の高校生、実家の看板娘の美奈子がぎゅっと詰まっていて、より身近な存在として美奈子を感じることができました。特に主人公に話しかけたはじめの言葉が印象的で、クラスにこんな親しみやすくて可愛らしい子がいたらすぐに好きになっちゃうよなーって納得しました。
個人的には、佐竹飯店の常連さんとのやりとりがめちゃめちゃ好きです。こんなあったかい空間を作りあげたのは、佐竹家の空気があったかいからだろうななんて妄想が膨らみました。 -- (タオール) 2019-07-02 22:31:20
- 甘辛い青春感すごくて五臓がくるしくなりました。
とても良かったです。 -- (フワピッ僧) 2019-06-30 17:09:31
- 期待を裏切らない良作
構成も展開も特別な仕掛けなどなく、一人の男子高校生の初恋の思い出が語られるだけ
こういうのって、変に色気を出しておかしくなったりするんですけど(体験談)そういうのが一切ない
だからこそ余計に、主人公の等身大の話として共感してしまいます
特に大盛り頼むとことか、「あーっ」ってなる
でもこの人、初恋の結果はともかくとして、アイドルの隣の席で、「いつもの」で通じるレベルで認識されてて……十分勝ち組だよね(嫉妬) -- (ラピス) 2019-06-30 01:43:20
- スッキリ気分良く読ませて頂きました。我々は結末が分かっているからこそ、主人公に感情移入してしまい切ない気持ちになると共に、後腐れ無い失恋を見て逆に晴れやかな気分にもなれる、そんな素敵な作品でした。 -- (かめぴP) 2019-06-25 19:42:29
最終更新:2019年07月04日 18:48