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- 相変わらずうまい
ガタンゴトンと電車の音で始まったらこの人 -- (kbt) 2019-12-08 13:55:23
- 七尾百合子は確かにここに実在する。読後、そんな気分にさせてくれるのは実際に存在する土地や逸話と彼女の妄想癖や人柄をいい塩梅で噛み合わせた作者さんの力量あってこそ。こういう話は得てして界隈に関する知識自慢に偏りがちなワケですけど、そこを少女らしさ溢れる(姦しいとも言う)コミカルな文体で進めていく事で読者を置いてけぼりにしない、さらには百合子のアイドル活動にも関連させて掘り下げてるのが読んでて好印象でした。
それに冒頭でも少し触れましたが、今作に登場する彼女は非常にナチュラルな色をしてて、それは二次創作で見かけるギャグともとれる個性の強調(キャラ崩壊とも)の無い、等身大に一喜一憂する存在感を終始放っているのですね。だからこそ実在する路線が舞台という事もあり「ひょっとしたなら現実にも、こんな事を考えながら快速に乗ってる少女がいるのかも」と考えさせる面白味が作品にあるのかなー、とかとか。とにかくこの百合子が滅茶苦茶愛らしいんですよ。
そんな普段の自分が使わない表現方法な分、読んでいる間は作中の彼女の動向を興味深く見守っていくような不思議な読み味を感じた作品でした。楽しかったです。 -- (餡煮詰め) 2019-09-04 22:39:36
- 百合子が電車に乗る話。
要約してしまえばそれだけのことなのに、この臨場感、わくわく感たるや!
まるで百合子と一緒に小旅行を楽しんできたかのような満足感、幸福感!
駅毎の情景、人の動き、その駅に纏わるエピソードが、百合子の言葉で生き生きと表現されています。実際にその電車に乗った方、そして電車、旅が好きな方にしか書くことのできないお話だと思います。すごい。
(ものすごく個人的な話になるのですが、僕も一人旅が好きで、特に電車の窓を流れていくその土地の風景をぼーっと眺めるのが大好き。ただ、この百合子はもっと深い楽しみ方をしていて、そういう教養があって、「楽しそう」と同時に「羨ましい」「ずるい」とさえ感じてしまいました)
今作において、僕が特にしたたかだなぁと思ったのは、Pの存在です。
>私のプロデューサーさんは、高齢で携帯も持っていない人
序盤にこういった紹介があって、「お、この作品はちょっと普通じゃないぞ」と思わせるのと共に、何となく読者にこのお話を予見させてくれたような気がします。
もちろん、高齢のPだから必ずしも文学に明るかったり(これは後にその通りだと判明しますが)ゆっくりと電車を楽しんだりするとは限りませんが、文章を読み進めながら、「ああ、やっぱりそういう雰囲気のお話なんだ」と安心と納得を覚えるのは、Pのことが事前に頭にあることも要因の一つになっていたと思います。
そして、終盤、百合子の脳内に登場するP。
>「帰りは、京王線で己を見つめ直せ!というプロデューサーさんからの伝言だった!?」
本当にそのつもりだったのか、Pにそんな意図はなくてこれも百合子の妄想(考え過ぎ)なのか、個人的には後者なんじゃないかなぁと思わなくはないですが、一人で勝手に暴走して、落ち込んで、気が付いて、解決して、でもやっぱりちょっと締まらないのが最高に百合子って感じで好きです。
言ってしまえば、百合子の中だけで完結したお話です。でも、そこに確かにPの存在がある。
結局、最後まで老齢のPが登場することはなくて、でもしっかりと百合子とそして読者の心には生きていて、それが今作が「百合子が電車に乗る」だけではない味の一つとなったのかな、と思います。 -- (ひろ) 2019-08-02 20:28:23
- 好きな作者さんの1人です
それにしてもご自身の知識を生かした独自の展開は面白いです
だけど僕の周りは無人駅ばかり
都会に行って、ここに出てきた百合子ちゃんムーブやってみたいです -- (シマ) 2019-07-25 12:02:13
- 電車という制限された空間の中で、その制限を飛び越えんばかりの百合子の思考の移り変わりがとても楽しかったです。僕もいどうちゅうに思考を巡らせるとあっちこっち移り変わってしまうので、あるあるってニヤニヤしながら読んでいました! -- (タオール) 2019-07-20 00:58:18
- 仙川の武者小路実篤記念館の光景や百草園、高幡不動、つつじヶ丘…京王帝都電鉄として走ったルージュと紺のラインの電車の光景がその場にあるように想起できるお話でした。百合子もただ暴走するだけでなく、それらを自覚してどうしていくかを彼女なりに考えている描写が個人的に好き。 -- (どぎまぎ) 2019-07-15 20:02:19
- 百合子暴走ものにはハズレは無いですね。やっと読めた。
なんか京王ユーザー多くない?と密かに思いながらも私も数年前まで生まれ育った町が
京王沿線だったのでとても馴染みのある空間に百合子が居て、
そこと現実世界がリンクするとても気持ちのいい作品でした。 -- (名無しさん) 2019-07-12 10:44:26
- 緻密で流石の描写です。
七尾百合子は本がなくても時間を潰せるタイプの人間なのだなぁと思いました。
百合子のありそうでなかった課題が新鮮でした。 -- (ビンゴ) 2019-07-09 22:04:15
- 百合子ちゃんが百合子ちゃん百合子ちゃんしててよかったです。 -- (フワピッ僧) 2019-07-08 14:59:03
- 本の世界で度々暴走する百合子は、本がなくても暴走できるという一事例
普通に本を読んでいるだけではこれだけの知識は身に付かないので、それだけでも彼女の本に対する姿勢が見えてくるようです
果たしてPの思惑がどうであったのかは語られませんが、色々考えた末に自己完結する様も彼女らしい
のんびり走る電車、移り変わる景色と止まることを知らない百合子の思考が好対称でとても面白い
たまには鈍行に乗るかなと、そう思わせてくれるお話でした -- (ラピス) 2019-07-07 08:12:17
最終更新:2019年07月04日 18:53