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ゴフンの祟り ~八咫烏の死~                  筆:M.ポーロ  アルフヘイムの夫婦神の妻神として知られるゴフンには、一人の使いの亜人が居た。  八咫烏(やたがらす)というその亜人の男は、名を“コキヒ”と言い、彼と近しい者からは“宮司”とも呼ばれていた。 烏とあるがその姿は、緋色の羽を纏った三つ足の怪鳥であり、我々が常日頃から見ているそれよりも遥かに大きいものだったらしい。  彼はゴフンを守る為に先の亜骨戦争にて奮闘したが、終戦の3年前に、甲皇国軍のある小隊により殺されている。 奇襲をかけるべく潜んでいた当該小隊が、丁度そこへ通りかかった一般の亜人女性を砲撃し、それを庇い女性諸共死亡したのだ。  殺された亜人女性もまた肌が赤く、異様に鼻が高かったという。後に分かった事だが、彼女と八咫烏は夫婦関係にあったそうだ。  その後、応援の軍が駆け付けた時には、当該小隊は既に地獄絵図と化していた。 体中にいくつもの腫瘍が膨らみかけ、破裂し、死屍累々の惨状がそこにあった。  唯一生き残っていた兵士は酷く怯え、何を問われてもまるで耳に入らず、唯謝罪の言葉を繰り返し、本国に送還される途中で狂死したという。  そしてその日の内に、当該小隊の隊員達の血縁者が、次々に謎の死を遂げた。 不治の病に見舞われた者も居れば、当該小隊隊員の様に、突然腫瘍が出来て死亡した者も居た。 突然周りの者達を化け物呼ばわりし、殺害して回った挙句、何かから逃げるかのように自決する者まで出たらしい。 そうして死んだ者達は、今際の時に、あの生き残った小隊兵の様に謝罪の言葉を漏らしたそうだ。  この事件は後に、アルフヘイムでは『妻神ゴフンの怒号(天罰、鉄槌とも)』と呼ばれ、甲皇国では『怪鳥(化け烏とも)の呪い』と密に噂されている。 当該小隊は軍の末端であった為、甲皇国の戦力に支障を来す事は無かったが、この事件は甲皇国の士気に大きな打撃を与えた。 「手を出せば家族諸共呪い殺される」とう恐怖心が、甲皇国の兵士達を震え上がらせたが、月日と共にその恐怖は薄れ、今や甲皇国内では闇に葬られた事件となっている。

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