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 朝。
 窓から差し込む日の光で私は目を覚ましてしまった。
 今日は休日なので遅くまで寝ていられるというのに。
 太陽を睨みつけるわけにもいかないので、抗議のつもりで布団をかぶり直した。
 寝返りをうつ。

「んんっ……」

 ……今の低い声は、一体誰のものだ?
 自慢ではないが、私の声はもっと高くて澄んでいて綺麗なはずだ。
 だから、可能性としては誰かが布団に忍び込んでいる線が濃厚だ。

「…………」

 まあ、いいか。
 減るものじゃないし。

「―――っ!?」

 そんなわけがない。
 私は跳ね起き、布団を体から引き剥がした。
 目は完全に覚めてしまったが、そんな事を言っている場合ではない。

「……誰もいない?」

 首をかしげた。
 布団の中には私以外の人間はおらず、跳ね起き布団を剥がしたのも全くの無駄だった。
 だが、おかげで自分の体に何が起こっているのかがハッキリとわかった。

 股間に、全く見慣れないテントが張られていたのだから。

 ―――そう、声の主は私自身だったのだ。

 鏡で自分の姿を確認した。
 女顔の少年がそこにいたが、顔のつくりはほとんど変化がないので当然のことだろう。
 目立った変化は、少し出ている喉仏。

「少し時期が早いけど、これならマフラーで隠せないこともないかな」

 とりあえず病院に行こうと決めたが、道中変態扱いされるのも面白くはない。
 私は女物の服しか持っていないので、男の体になっても女物の服を着るしかないのだ。
 こんなことになるなら実家暮らしをしていれば良かったと思わなくもない。
 ……しかし、誰が自分の性別が突然変化すると予想出来るだろうか?

「保険証は……使えるのかな」

 今は少々懐が寂しいのだ。
 何を呑気な事をと思うかもしれないが、混乱していてもはじまらない。
 それに、金銭は老若男女共通の問題だ。

「あっ」

 違和感を感じ、声をあげた。
 朝は元気になるとは知っていたが、こんなになるとは思ってはいなかった。
 というか、いつこれは落ち着くのだろうか?

「どうしよう……」

 こればっかりは、女物ではまずいだろう。
 正直、締め付けられて痛いし。

「……男物のパンツが必要だよね」

 結局保険証を使うことはなかったのだが、今考えてみるとあの時の私は大分混乱していた。
 なにせ、そんなくだらない事を考えていたのだから。

元レス
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220262396/87-88
最終レス投稿日時
2008/10/13 18:47:59
最終更新:2008年12月05日 00:43