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悪友が風邪を引いた。
馬鹿は風邪を引かないということわざがあるが、それを無視して風邪を引くあたり相当の馬鹿なのだろう。
とりあえず授業を休んで見舞いに来てやった。ああ、俺ってなんて友達想いなんだろう。
インターホンを鳴らすとパジャマ姿の可愛い娘が出迎えてくれた。
ショートカットで顔つきはなんとなくアイツに似ているな。
「こんにちは……妹さん?」
「俺が一人っ子なの知ってるだろ。」
ん? 今この娘が言ったの? ダメだよお嬢さん、そんな乱暴な言葉遣いしちゃ。で、誰?
「えっと……じゃあどちらさまでしょうか。」
美少女はため息をついてオーバーに告げた。
「目に映るものに惑わされるなんて、俺たちの友情はそんな程度だったのか。悲しいぞ、親友。」

リビングに案内されソファに腰掛けると、俺は早速問い詰めた。
「で、なんでそんなことになってるんだ?」
「こーゆー風邪なんだよ。」
ふーん、と適当に相槌を打ちながら全身を眺める。すっかり女の子だ。しかも俺好みの体型。
俺の視線に気付いたのか、奴は慌てて付け加えた。
「しばらくしたら治る。」
「治るのかよ。」
時計の秒針の音だけが三回ほど響いて、
「治らないほうがいいのか。」
「そりゃそうだろ。」
「……ばか。」
なんだよその反応。いつもみたいにもっと憎まれ口を叩けよ。
可愛いじゃねえかちくしょう。
「さあ、じゃあせっかく来てもらった、ん……」
「おいっ!」
奴は立ち上がろうとしてこっちに倒れてきた。
熱があるみたいだ。ちゃんと風邪の症状も出てるんじゃないか。

「あれ……?」
「お目覚めですか、お姫様。」
あれからアイツの部屋に担ぎ込んだ。
「変なこと……してないよね。」
「するわけねえだろ。」
ごめんなさい、ごめんなさい。すました顔してるけど本当は何かやりたくてたまりませんでした。
だってお前が悪いんだぞ、そんなやらかくていい匂いしてるから。
だが神に誓ってもいい。俺は本当に何もしていない。
「ぷっ。」
「なんだよ。」
長い付き合いだ、きっと俺が内心焦ってることもバレてるんだろう。
沈黙が襲った。元はどうあれ若い男女が同じ部屋にいるという状況、気まずい。
「あ、ごめん。俺もう帰るわ。」
「え?」
そんな意外そうとも残念そうとも思える声を出されると困るじゃないか。
「俺学校行かないと卒業ヤバいんだわ。」
本当に行くかどうかは気分次第だが。
「そんなの今更変わんないだろ。」
と、彼女は笑ってくれた。
ああ、君の笑顔。もう二度と会うことがなくても忘れないよ。
さようなら、三十二回目の初恋。

数日後。
「よっ、美少女!」
「うるせえ! 前のお前ほどじゃねえよ。」
うつされました。

元レス
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220262396/106-107
最終レス投稿日時
2008/11/21 11:13:07
最終更新:2008年12月05日 01:14