?「えっとじゃあ・・・付き合ってくれる?」
佐藤「――ああ。わかった」
伊藤「・・・っていう現場を見てしまったの!」
緒方「な、なんですって!?」
加藤「そんなぁ・・・」
緒方「相手は誰なの!?」
伊藤「それが遠くから見ていたせいで・・・はっきりとはわからなかったの。でも見たことのない女だったわ」
緒方「しかたないわね!しょうがない隊の総力を挙げて、その不届きものを暴き出してやりましょう!」
加藤「それより詩織ちゃん、昨日は歯医者さんの予約があるって・・・どうして佐藤くんを見てたの?」
伊藤「・・・真由美ちゃん。帰りにジュースおごってあげるね」
千葉「おい、佐藤。帰り駄菓子屋寄ってこうぜ」
佐藤「ああいやそれが・・・ちょっと臨時の出費で持ち合わせがないんだ」
千葉「まさかお前・・・俺を差し置いて大人の本を購入したんじゃ・・・!?」
佐藤「お前にとって金の使い道はそれしかねーのか。そうじゃなくて、ほらこの前のサッカーのとき」
千葉「ああ、あれか」
佐藤「そもそも俺は今日はお前と一緒には帰れ・・・うぐっ!」
ドカッ
ふたば「しんちゃーん!一緒に帰るっス!!!」
千葉「締めてるぞ、ふたばー」
佐藤「うぐぐ・・・悪いが今日はお前らとは帰れないんだ!!」
ふたば「えー!?なんでなんでー!?」
佐藤「先約があるんだよ。それじゃ、また明日な」
ふたば「しんちゃん・・・?」
千葉「思わせぶりなやつ。川原でお宝探しに行こうぜ!」
ふたば「賛成っス!」
吉岡「宮ちゃん、杉ちゃん、みっちゃんも、帰ろー?」
宮下「おう。三女も誘ってこうぜ」
杉崎「あれ、あんたヘアピン変えたのね」
宮下「まーな。いつも付けてるのがお気に入りだったんだけどな。ちょっと事情があって・・・同じものを買おうかと
思ったんだけど、まぁどうせ買い換えるならいっそ違うものにするかってことでさ、まぁイメチェンってやつ?」
みつば「あんた今日も頭の悪そうな髪形してるわね!」
杉崎「あんたこそちゃんと脳に栄養いってるの?腹にばっか溜まってるんじゃない?」
吉岡「けんかはやめなよ~」
宮下「聞けよ!!」
宮下「ったく・・・あ、おい三女、いっしょに帰ろうぜ!」
ひとは「・・・先約があるから無理」
宮下「え、ホントか?珍しいこともあるな!じゃあ明日は一緒に帰ろうな」
ひとは「・・・先約がなくても宮尾さんとは一生帰らない」
宮下「宮下だよ!! ってあ、ちょっと・・・なんだ?友達のいない三女が、誰と一緒に帰るってんだ?」
杉崎「あんたそんなんだからうざがれるんでしょうが・・・」
みつば「でも・・・たしかに気になるわね。あの子が誰と帰るっていうのかしら」
緒方「うーん・・・結局怪しい奴は見つからなかったわね」
伊藤「いっそのこと全員に脅迫状を送りつけてやろうかしら・・・」
加藤「詩織ちゃん・・・?」
緒方「あーっ!!あ、あ、あれ見て!」
伊藤「え?あれは佐藤くんと・・・丸井家の三女!?」
加藤「え、ええ?どうして三女さんが!?」
緒方「と、とりあえず追いかけるわよ!」
千葉「どういうことだ?どうして佐藤のやつが三女さんと・・・まさかあいつらもエロ本探し?」
ふたば「ひとははそんなことしないっス」
千葉「ならあれはどういう・・・しかもなんかあいつら、いい感じじゃないか?」
ふたば「ま、まさかしんちゃんとひとはが?小生複雑な気持ちっス・・・!」
吉岡「ねーねー!あれはどういうこと!?どういうことなの!?」
宮下「あーうるせー・・・しかしさすがのあたしもあれは見逃せないな」
杉崎「ふたばと仲がいいとは思ってたけど・・・よく考えたら三女だって幼馴染よね。そこんところどうなのよ?」
みつば「べつにわたしはあんな変態になんて興味ないわ!」
杉崎「・・・いや、あんたの話じゃないわよ」
佐藤「あー・・・なんか、お前とこうして話すのも久しぶりだな」
ひとは「そうだね。それもこれも、わたしが気持ちに素直になれたおかげだね」
吉岡「やっぱりそうなの!?ふたりはすでに気持ちを打ち明けあった仲なの!?でも三女さんってあの人のことが
- それにあの人の気持ちはどうなるの?それにあの人とあの人も!あー恋って大変!」
宮下「また恋愛相関図がすごいことになってるな・・・」
吉岡「三女さんと佐藤くんが付き合っちゃうなんて!完全にノーマークだったよ!」
緒方「馬鹿なこと言わないで!佐藤くんがあんな女と付き合うわけないじゃない!」
伊藤「そうよそうよ!」
みつば「でた、変態を追っかける変態集団!」
杉崎「めんどうなことになってきたわね・・・」
吉岡「え、え~?なに言ってるの!?どう見てもお似合いの二人だよ!」
緒方「嘘よ!佐藤くんはあの女に騙されているのよ!」
加藤「お、おがちん落ち着いて・・・」
伊藤「なるほどね・・・昨日の女はあの子だったんだぁ・・・ふーん。本当の心霊写真にしてあげようかしら」
松岡「え、心霊写真!?どこどこ!?」
宮下「おい、収集がつかなくなってるぞ!!」
佐藤「しかしお前がサッカーやりたいなんて言い出すとはな・・・」
ひとは「せっかく当たったガチレンサッカーボール。使わなきゃ損」
佐藤「でもなぁ・・・サッカーってふたりでやっても面白くないぜ?」
ひとは「大勢でなんて恥ずかしくてできない。ひとりでもできる遊びを教えてくれればいい。りふてぃんぐとか」
佐藤「うーん。せめて千葉とかふたばくらいは呼んじゃだめか?あいつらなら言いふらしたりはしないだろ?」
ひとは「ふたばは、駄目、絶対・・・!!」
佐藤「ひぃ・・・!」
千葉「お、おいおいよく聞こえないが、なんだかもめてるみたいだぞ?しかもどうやらお前のことで争ってるみたいだ」
ふたば「小生は駄目って、どういうことですかひとは・・・!」
千葉「女の嫉妬はこえーぜ・・・!!」
吉岡「だ、駄目だよぉ!幸せな二人を邪魔をするなんて、わたしが許さないんだから!」
緒方「邪魔はそっちよ眉毛女!」
伊藤「そのゲジゲジ、イトミミズにしてあげようか?」
吉岡「いいもん、どうせすぐ生えるもん!」
杉崎「そ、そういう問題かしら・・・」
宮下「吉岡。関わらないほうが身のためだぞ」
みつば「そーよそーよほっときなさい。そのほうが面白そうだわ」
佐藤「な、なんでふたばは駄目なんだよ・・・?」
ひとは「・・・あの子がこのボールを手にしたら最後。破壊という未来しかわたしには見えない」
佐藤「あぁ、すごく納得した。・・・って言ってるそばから向こうから走ってくるのはふたばじゃないか?」
ひとは「っ!?これ持ってて!」
ふたば「ひーとーはーっ!! 小生を仲間外れにしないでほしいっス!!」
緒方「ちょっと、はやくどきなさいよ!」
吉岡「絶対どかないもん!」
加藤「待って!!あれを見ておがちん!」
緒方「・・・ふたば!?ふたばも佐藤くんのピンチをうかがってたのね!?」
吉岡「え、えー!?ももも、もしかしてこれがうわさのしゅらばってやつなのー!?だ、だめだよふたばちゃんー!!」
宮下「そういうわりには顔が笑ってるぞ」
伊藤「いいよ、ふたばちゃん。めちゃくちゃにしちゃって・・・」
みつば「さっきからこいつ怖いんだけど」
ひとは「ふたば・・・悪いけどこれ以上は近づかないで・・・!」
ふたば「ど、どうしてっスかぁ!?小生もひとはとしんちゃんと一緒に遊びたい!」
ひとは「これは遊びじゃないんだよ、ふたば」
ふたば「しんちゃんがサッカーボール持ってるっス!小生もサッカーするっス!」
ひとは「させない・・・絶対に・・・!」
吉岡「本気の恋なのね!?じゃあやっぱり三女さんは佐藤くんのことが!!!きゃ~~!!」
伊藤「あの女、佐藤くんとふたりっきりでサッカーしようとしてたんだわ!」
緒方「サッカーなら・・・サッカーなら、わたしだって練習したんだから!負けないわ!」
サッ
吉岡「わっ、なんてキレのいい動き・・・!抜かれてしまった!」
宮下「あの動きをバスケで発揮してくれないかな」
緒方「さとおおおおおおおくううううううううん!!!」
佐藤「げ、変態集団!?なんでここに!?」
ひとは「っ、新手か!?」
ふたば「今だ、すきありっス!」
ひとは「しまった!」
佐藤「う、うおっ!」
佐藤の手の中のボールを蹴り上げるふたば。
ボールは空に浮かび上がる。
緒方「佐藤くんへの気持ちなら誰にも・・・負けないんだからぁぁぁぁぁ!!」
ずばんっ!
緒方が空中で決めた見事なシュートは、夕日の中に消えていった。
佐藤「あーあ・・・」
ひとは「あ・・・ガチレンボールが・・・」
ふたば「サッカーできないじゃないっスか!」
緒方「ふっ・・・これがSSS隊長の力よ」
加藤「おがちん・・・!!」
伊藤「おがちんはやっぱり頼りになるね!」
千葉「なぁ・・・なんなんだこれ。なにがあったんだ?」
宮下「わたしに聞くな」
余談
矢部「痛い!なんなんだよもう!僕が童貞だからってものをぶつけなくてもっ!ってあれ!?これガチレンボールだ!」
矢部「神さまが僕の苦労をわかってくれたのかな・・・!ありがたくもらわせていただきます!」
余談その2
宮下「えっとじゃあ・・・付き合ってくれる?」
佐藤「――ああ。わかった」
宮下「でも、いいのか?わざとじゃないんだから律儀に弁償しなくても」
佐藤「いいんだよ。サッカーやってるとつい周りが見えなくなっちまうからな。あのヘアピンお気に入りだったんだろ?壊して
悪かったよ」
宮下「じゃあおことばに甘えさせてもらうわ」
佐藤「前と同じやつを買うのか?」
宮下「ん、まぁ最初は同じものを買おうかと思ったんだけど、どうせ買い換えるならいっそ違うものにするかってことでさ、まぁイメチェンってやつ?」
佐藤「・・・明日の給食はプリンだったな。またみつばがうるさそうだなぁ」
宮下「聞けよっ!!」
終わり
最終更新:2011年03月09日 00:19